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お城生活編
45.喜ぶ者と失言する者
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【Side.ジークフリート】
クロヴィスがベッドで抱かせてくれない。
ソファでは抱かせてくれたのに、どうしてだろう?
そう思いながら今日もソファで雰囲気作りに励み、頃合いを見計らってクロヴィスに甘く囁いてみる。
「クロヴィス…今日こそベッドで愛し合わないか?」
「…………また今度な」
「毎日愛し合ってるのに?」
「それはお前が襲うからだろ?」
「お前だって拒まないくせに」
そう言ったらちょっとバツが悪そうにフイッと横を向いてしまうけど、耳が赤くなっているから照れているだけだと知っている。
だから『そうだ!』と思いつき、そのままひょいと横抱きにしてベッドに連れ去ってしまうことにした。
ここで口説くからきっと失敗するのだ。
今日は最初からベッドで口説こう。
それなら上手くいくはず。
「ちょ、ちょっと待てよ!どこに連れて行く気だ?!」
「お前が素直になれるところだが?」
「……風呂か?」
(クロヴィス…お前が素直になれる場所はそこなのか)
ちょっと意外だったがそういうことなら先に風呂に連れて行こうか?
そこで言質が取れるように頑張ってみよう。
そうして風呂に連れ込んだのだが、今日はいつもと違って何故かマットが床に敷かれていた。
「あれ?」
これにはクロヴィスも驚いた様子。
「これ、お前が用意したのか?」
「いや?特に何も指示はしていないんだが…」
何故急にこんなものがと思ったら脱衣所に書置きがあった。
『床は滑って危険ですので滑り止め付きのマットをご用意させて頂きました。どうぞお使いくださいませ。 侍女長』
どうやら侍女長の取り計らいだった様子。
もしかしてこの間の噂を放置したことへの詫びなのだろうか?
なかなか気が利くな。
そう思いながら意気揚々とそのマットの上にクロヴィスを降ろす。
「クロヴィス。今日は立ってじゃなくここで寝そべってしないか?」
「え?!流石にそれは……」
「じゃあ座ってなら?」
「うっ…す、座ってか……」
「途中で立っての方が良くなったら立てばいいだけだし、物は試しだぞ?」
「う~ん……」
「嫌ならベッドに行こう」
「え?!そ…それは……」
何やらうんうん唸って暫く考えていたようだが、クロヴィスは思い切ったように俺を見つめて口を開いた。
「じゃ、じゃあ…軽くシャワーだけ浴びて、ベ、ベッドで…」
その言葉に一瞬聞き間違いかと思ってしまったが、恥ずかしそうにするクロヴィスを見て、幻聴ではないと確信する。
クロヴィスが初めてベッドで抱かれたいと言ってくれたのだ。
(長かった……)
城に来てずいぶん経ったが、待った甲斐があった。
そうと決まれば早速シャワーを浴びよう。
そうして俺はウキウキしながらクロヴィスを洗い上げ、自分の身体はクロヴィスにいつも通り洗ってもらってから仲良く寝室へと向かった。
***
【Side.クロヴィス】
今日も今日とてジークはベッドへと俺を誘う。
甘い空気に流されそうになるけど、なんとか回避だ!
俺だって本当はわかってるんだ。
でもソファで抱かれた時、凄く気持ち良かったから、もっと乱れてしまいそうでどうしても二の足を踏んでしまう。
だからソファから抱き上げられた時は物凄く焦った。
ベッドに行く気満々だろ?どう考えても。
「ちょ、ちょっと待てよ!どこに連れて行く気だ?!」
「お前が素直になれるところだが?」
素直になれる場所。
確かに夜寝る前はちょっと本音がこぼれやすいけど、それとこれとは別だ!
だから俺は敢えて違う場所を口にした。
「……風呂か?」
こう言ったら多分ジークなら行先を変えてくれるだろう。
案の定ジークは行先をあっさりとそっちに変えてくれた。
優しい。
そんなジークに勝手に胸がキュッてなるから困る。
どんどん惹かれている自分を否応なしに自覚させられるから。
そしていつも通り二人で風呂場に行ったんだけど、今日はいつもの風呂場がいつもとは違っていた。
それは床に敷かれたマットの存在のせいだ。
滑り止めと書き置きの紙には書いてあったけど、ここで寝ながらしてくれてもいいんですよと言われているようにしか見えないクッション仕様のマットだ。
(そんな気遣い、いらないから!)
薄手のクッションマットとは言え、寝そべってなんてしたら、ベッドで抱かれるのと大差ないのではないだろうか?
ジークは『座ってやるか?』とかあれこれ提案してくれたけど、結局のところ俺次第ということのようだ。
ここまで来たらもういい加減腹を決めるべきだろう。
いつまでも逃げていてもしょうがないと思って、俺は思い切ってベッドに行こうと口にしてみた。
そう言った時のジークの嬉しそうな顔。
(俺が悪かったよ!)
こんなに喜んでくれるならもう少し勇気を出して言えばよかった。
なんか今更だけど夫婦って感じがして、また胸がキュッと締め付けられるような気がした。
「クロヴィス…。やっと初夜だな」
蕩けるように幸せそうな顔でジークが俺をベッドに組み敷きながらそんなことを口にする。
(……初夜の定義ってなんだっけ?)
城に来る前日から毎日ずっと抱かれてきたから俺的には初夜も何もあったものじゃなかったんだけど、ジーク曰く、結婚してから初めてベッドで抱く日が初夜らしい。
意外とロマンチストだな。
それにしてもよく考えたら俺、敵国の王子にしっかりがっつり捕まってるよな。
まあ…うん。ジークのことは好きだからいいんだけど…。
チュッと優しく落とされるキス。
優しい手つきで撫で上げられる肌。
情熱的に見つめてくる蕩けそうな金の瞳。
そのどれもが全部愛を囁くように俺へと向けられる。
それがどうにも俺にはくすぐったく感じられてならなかった。
故国では親兄弟だけではなく城での扱いも酷かった俺だ。
当然愛情なんて母以外の誰からも貰ったことはない。
ラナキスのあれだって愛情というよりは欲望や執着のようにしか感じられなかったし、正直言って怖いし気持ち悪いしで最悪だった。
あれが愛だと言うなら俺はいらないとさえ思っていたくらいだ。
本当の愛情っていうのは母やジークが俺に向けるような温かいものなんだと思う。
もうすっかり忘れ去っていたそれが今更ながらに与えられて、俺にはそれが凄く心地よくて嬉しく感じられたんだ。
だからまあ…俺もジークに少しずつでも返していけたらななんて思う訳だけど、正直言ってどう返していったらいいのかよくわかってはいない。
取り敢えず、ジークが喜んでくれそうなことでもやってみようか?
いつまでも受け身は良くないだろうし、折角だしちょっとだけ頑張ってみてもいいかもしれない。
「えっと…ジーク?たまには俺、口でしようか?」
たまに風呂場でジークがしてくれるアレは気持ちいいし、あれなら試しにやってみてもいいかもと思ったから口にしたんだけど、そう言った途端、思いっきり固まられた。
このタイミングで純情ロマンチストにそんなこと言ったらダメだったか?
しまった。もうちょっと空気を読めばよかった。
ここはひとつ、逃げて誤魔化そう。
仕切り直すのが一番だ。
「悪い、ジーク!忘れてくれ」
固まるジークの腕から抜け出し、ササッとベッドから逃げる俺。
うん。今日はソファで寝よう。そうしよう。
一人寝はちょっと寂しいけど、こういうのは慣れだし。
さっさと夢の中に旅立ったら気にならないし。
そうしていそいそとソファで横になろうとした俺だったけど、結局その後捕まってベッドに連れて行かれてしまった。
『いきなりあんな不意打ちはダメだ』とかなんとか言われ、その後、嬉々としながらこれでもかと感じさせられて、すっごい貪られてしまった。
何度も気を失うし、喘ぎすぎて喉が痛いしで散々だ。
箍が外れるにも程がある。
それとは別に気になったのは、途中で婚姻契約の印が光ったこと。
ジークもどうして光ったのかわからないと言っていたし、今日は朝から二人でそれを調べる予定だ。
取り敢えず、ジークが暴走したことについては結果的に煽った俺に責任があると思う。
今後は本気で言動に気をつけよう。
何はともあれ、回復魔法が使えて本当に良かったと改めて実感した俺だった。
クロヴィスがベッドで抱かせてくれない。
ソファでは抱かせてくれたのに、どうしてだろう?
そう思いながら今日もソファで雰囲気作りに励み、頃合いを見計らってクロヴィスに甘く囁いてみる。
「クロヴィス…今日こそベッドで愛し合わないか?」
「…………また今度な」
「毎日愛し合ってるのに?」
「それはお前が襲うからだろ?」
「お前だって拒まないくせに」
そう言ったらちょっとバツが悪そうにフイッと横を向いてしまうけど、耳が赤くなっているから照れているだけだと知っている。
だから『そうだ!』と思いつき、そのままひょいと横抱きにしてベッドに連れ去ってしまうことにした。
ここで口説くからきっと失敗するのだ。
今日は最初からベッドで口説こう。
それなら上手くいくはず。
「ちょ、ちょっと待てよ!どこに連れて行く気だ?!」
「お前が素直になれるところだが?」
「……風呂か?」
(クロヴィス…お前が素直になれる場所はそこなのか)
ちょっと意外だったがそういうことなら先に風呂に連れて行こうか?
そこで言質が取れるように頑張ってみよう。
そうして風呂に連れ込んだのだが、今日はいつもと違って何故かマットが床に敷かれていた。
「あれ?」
これにはクロヴィスも驚いた様子。
「これ、お前が用意したのか?」
「いや?特に何も指示はしていないんだが…」
何故急にこんなものがと思ったら脱衣所に書置きがあった。
『床は滑って危険ですので滑り止め付きのマットをご用意させて頂きました。どうぞお使いくださいませ。 侍女長』
どうやら侍女長の取り計らいだった様子。
もしかしてこの間の噂を放置したことへの詫びなのだろうか?
なかなか気が利くな。
そう思いながら意気揚々とそのマットの上にクロヴィスを降ろす。
「クロヴィス。今日は立ってじゃなくここで寝そべってしないか?」
「え?!流石にそれは……」
「じゃあ座ってなら?」
「うっ…す、座ってか……」
「途中で立っての方が良くなったら立てばいいだけだし、物は試しだぞ?」
「う~ん……」
「嫌ならベッドに行こう」
「え?!そ…それは……」
何やらうんうん唸って暫く考えていたようだが、クロヴィスは思い切ったように俺を見つめて口を開いた。
「じゃ、じゃあ…軽くシャワーだけ浴びて、ベ、ベッドで…」
その言葉に一瞬聞き間違いかと思ってしまったが、恥ずかしそうにするクロヴィスを見て、幻聴ではないと確信する。
クロヴィスが初めてベッドで抱かれたいと言ってくれたのだ。
(長かった……)
城に来てずいぶん経ったが、待った甲斐があった。
そうと決まれば早速シャワーを浴びよう。
そうして俺はウキウキしながらクロヴィスを洗い上げ、自分の身体はクロヴィスにいつも通り洗ってもらってから仲良く寝室へと向かった。
***
【Side.クロヴィス】
今日も今日とてジークはベッドへと俺を誘う。
甘い空気に流されそうになるけど、なんとか回避だ!
俺だって本当はわかってるんだ。
でもソファで抱かれた時、凄く気持ち良かったから、もっと乱れてしまいそうでどうしても二の足を踏んでしまう。
だからソファから抱き上げられた時は物凄く焦った。
ベッドに行く気満々だろ?どう考えても。
「ちょ、ちょっと待てよ!どこに連れて行く気だ?!」
「お前が素直になれるところだが?」
素直になれる場所。
確かに夜寝る前はちょっと本音がこぼれやすいけど、それとこれとは別だ!
だから俺は敢えて違う場所を口にした。
「……風呂か?」
こう言ったら多分ジークなら行先を変えてくれるだろう。
案の定ジークは行先をあっさりとそっちに変えてくれた。
優しい。
そんなジークに勝手に胸がキュッてなるから困る。
どんどん惹かれている自分を否応なしに自覚させられるから。
そしていつも通り二人で風呂場に行ったんだけど、今日はいつもの風呂場がいつもとは違っていた。
それは床に敷かれたマットの存在のせいだ。
滑り止めと書き置きの紙には書いてあったけど、ここで寝ながらしてくれてもいいんですよと言われているようにしか見えないクッション仕様のマットだ。
(そんな気遣い、いらないから!)
薄手のクッションマットとは言え、寝そべってなんてしたら、ベッドで抱かれるのと大差ないのではないだろうか?
ジークは『座ってやるか?』とかあれこれ提案してくれたけど、結局のところ俺次第ということのようだ。
ここまで来たらもういい加減腹を決めるべきだろう。
いつまでも逃げていてもしょうがないと思って、俺は思い切ってベッドに行こうと口にしてみた。
そう言った時のジークの嬉しそうな顔。
(俺が悪かったよ!)
こんなに喜んでくれるならもう少し勇気を出して言えばよかった。
なんか今更だけど夫婦って感じがして、また胸がキュッと締め付けられるような気がした。
「クロヴィス…。やっと初夜だな」
蕩けるように幸せそうな顔でジークが俺をベッドに組み敷きながらそんなことを口にする。
(……初夜の定義ってなんだっけ?)
城に来る前日から毎日ずっと抱かれてきたから俺的には初夜も何もあったものじゃなかったんだけど、ジーク曰く、結婚してから初めてベッドで抱く日が初夜らしい。
意外とロマンチストだな。
それにしてもよく考えたら俺、敵国の王子にしっかりがっつり捕まってるよな。
まあ…うん。ジークのことは好きだからいいんだけど…。
チュッと優しく落とされるキス。
優しい手つきで撫で上げられる肌。
情熱的に見つめてくる蕩けそうな金の瞳。
そのどれもが全部愛を囁くように俺へと向けられる。
それがどうにも俺にはくすぐったく感じられてならなかった。
故国では親兄弟だけではなく城での扱いも酷かった俺だ。
当然愛情なんて母以外の誰からも貰ったことはない。
ラナキスのあれだって愛情というよりは欲望や執着のようにしか感じられなかったし、正直言って怖いし気持ち悪いしで最悪だった。
あれが愛だと言うなら俺はいらないとさえ思っていたくらいだ。
本当の愛情っていうのは母やジークが俺に向けるような温かいものなんだと思う。
もうすっかり忘れ去っていたそれが今更ながらに与えられて、俺にはそれが凄く心地よくて嬉しく感じられたんだ。
だからまあ…俺もジークに少しずつでも返していけたらななんて思う訳だけど、正直言ってどう返していったらいいのかよくわかってはいない。
取り敢えず、ジークが喜んでくれそうなことでもやってみようか?
いつまでも受け身は良くないだろうし、折角だしちょっとだけ頑張ってみてもいいかもしれない。
「えっと…ジーク?たまには俺、口でしようか?」
たまに風呂場でジークがしてくれるアレは気持ちいいし、あれなら試しにやってみてもいいかもと思ったから口にしたんだけど、そう言った途端、思いっきり固まられた。
このタイミングで純情ロマンチストにそんなこと言ったらダメだったか?
しまった。もうちょっと空気を読めばよかった。
ここはひとつ、逃げて誤魔化そう。
仕切り直すのが一番だ。
「悪い、ジーク!忘れてくれ」
固まるジークの腕から抜け出し、ササッとベッドから逃げる俺。
うん。今日はソファで寝よう。そうしよう。
一人寝はちょっと寂しいけど、こういうのは慣れだし。
さっさと夢の中に旅立ったら気にならないし。
そうしていそいそとソファで横になろうとした俺だったけど、結局その後捕まってベッドに連れて行かれてしまった。
『いきなりあんな不意打ちはダメだ』とかなんとか言われ、その後、嬉々としながらこれでもかと感じさせられて、すっごい貪られてしまった。
何度も気を失うし、喘ぎすぎて喉が痛いしで散々だ。
箍が外れるにも程がある。
それとは別に気になったのは、途中で婚姻契約の印が光ったこと。
ジークもどうして光ったのかわからないと言っていたし、今日は朝から二人でそれを調べる予定だ。
取り敢えず、ジークが暴走したことについては結果的に煽った俺に責任があると思う。
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