【本編完結】敵国の王子は俺に惚れたらしい

オレンジペコ

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新婚旅行編

新婚旅行に行こう!⑭

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【Side.ジークフリート】

クロヴィスと仲直りし、好きなだけイチャついた日の翌日。俺達は一応二人だけでダンジョンに潜って、ちょっとだけワイバーンを狩ってから戻った。
思った通りルマンド達が一緒にいなければワイバーンは大量発生なんてせず、襲ってきたのは小一時間で四体程度だった。
クロヴィスは他の種類の魔物とか出てこないのかなと言っていたが、出るには出たもののその強さはワイバーンよりもずっと弱い魔物ばかり。
これなら昨日行ったリヴァイアサンの階層に向かって歩を進めた方がずっと有意義だと思った。

とは言え今日の目的はお土産に持って帰るためのワイバーン肉の確保だ。
あっちに帰ったらなかなかワイバーン肉をステーキで食べる機会なんてないだろうし、お土産にいいんじゃないかとクロヴィスと話して決めた。

それにしてもクロヴィスが可愛い。
ずっとイチャイチャしていたい。
向こうに帰ったら一週間くらい二人で部屋に籠ろうか?
なんとなくもっと沢山抱いたら婚姻契約の印が進化しそうな気がしてならない。
孕めるようになったら最高だけど、心変わりできなくなるとかそういう進化を遂げてくれたらもっと最高だ。
クロヴィスにはずっとずっと俺だけを見つめていて欲しい。



そしてその日の夕食は、ワイバーン肉の納品依頼で依頼書を出していた店へやってきた。
目的は当然報酬として振舞われるワイバーン肉のステーキ。

目の前で焼かれる美味しそうなそれに目を輝かせるクロヴィス。
実に美味しそうだ。
その唇を奪ってこっちを向かせてやりたい。
でも今は我慢。

「はいよ!ワイバーンのステーキ、お待ち!」

焼きあがったステーキが皿に乗せられテーブルへと運ばれてくる。
それを見てクロヴィスは嬉しそうにいただきますと言ってナイフとフォークで一口大に切ると、そのままパクッと食べた。

「う、美味~い!!」

いつも城でだって美味しい肉を食べさせてやってるんだがと思いつつ、俺もそれを口へと運ぶ。

「……!!」

これは確かに美味い。
蕩けるような舌触りと噛み締める度にジュワッと滲み出てくる肉汁の旨味が強くて、名物になるだけのことはあると納得がいった。

(たまに狩りに来てもいいな)

転移魔法のコツも教わったことだし、クロヴィスのためなら向こうの大陸からこっちまで転移魔法で来て、ちょっとダンジョンに潜って帰るのも悪くないかもしれない。

(愛のためならそれくらいやってみせる!)

そんな決意をしながら俺は美味しそうに肉を頬張るクロヴィスの顔を笑顔で見届けた。


***


【Side.クロヴィス】

ステーキが美味過ぎて、俺はついついお替わりまで頼んでしまった。
ワイバーン、ヤバい。美味い。
でもそうやって美味しい美味しいと俺が夢中になっていたからか、ジークが微笑ましいものを見るような目で俺を見て、『そんなに気に入ったなら、向こうに帰ってからも定期的に狩ってきてやるから』とか言い出して慌てて止めた。
レイクウッドの血だか何だか知らないけど、好きになった奴に尽くそうとするのはほどほどにしろと言ってやりたい。
あっちとこっちじゃ相当な距離があるんだから。

「いくらジークでも日帰りでは無理だろ?置いて行かれるのは嫌だし、来るなら一緒に来ような?」

何日も放置していく気かと言ったら、ジークは嬉しそうにしながらじゃあ一緒に来ようと約束してくれた。




そんなこんなで楽しい楽しい新婚旅行も残すところあと数日。
ちなみにルマンドがリヴァイアサンを一人で討伐したのは冒険者ギルドでも認められて、ルマンドは無事にSランク冒険者になれたらしい。
そのせいで街は一気にお祭りムードに。
城では今祝賀パーティーが開かれているらしく、明日以降は庶民にもワイバーン肉が沢山振舞われる予定なんだとか。
勿論帝都メインなんだけど、ワイバーン肉をゲットしたここ『レイベルト』の街も結構な量が振舞われるらしい。
いいタイミングに旅行に来たねって宿屋のおばさんから言われたけど、確かに本当にその通りだと思う。


そして引き続きダンジョンを楽しみつつ祭りも堪能して、とうとう最終日になった。
ダンジョンに何度か潜った際、ルマンド達に会うこともあるかなと思ったけど、色々忙しいのか全く会うこともなく、このまま会えず仕舞いになるのかなと思ってたんだけど、まさかまさかで朝から宿に見送りに来てくれて驚いてしまった。

「ルマンド。わざわざ来てくれたのか?」
「ああ。あんな別れ方だったし、ちゃんと挨拶して見送りたいなって思ってさ」

そう言ってメイビス達と一緒に笑顔を向けてくれる。

「その…あの時は色々手を貸してくれてありがとう」
「いいって。ちゃんと仲直りできたようだし、よかったな」

その言葉に頷いて、改めてジークと一緒にお礼を言った。
ジークは帰ったらフォルクナー帝国と交流できないか父王に相談してみると言っていた。
国と国で繋がりができるのは良い事だし、できれば実現できるといいな。
そう思いながらいよいよ別れの挨拶をしようとしたところで、一つの小袋をヒョイと手渡された。

「これ、Sランクを目標にして俺がずっと大事にしてたラッキーアイテムなんだ。向こうはダンジョンとかないだろうけど、冒険者活動をする場所はちゃんとあるんだろう?これがあれば魔物との遭遇率が格段に上がるし、よかったらレベル上げの足しにしてくれ」

ルマンドはそう言うけど、そんな大事にしていたアイテムをそう簡単に受け取るわけにはいかない。
そう思ったから断ろうとしたんだけど、『いらなくなったらいつでも返してくれればいいし、暫く騙されたと思って使ってみてくれ』って言われてつい受け取ってしまった。

なんだか物凄く不安なんだけど大丈夫だろうか?
そんな俺達にこっそりとメイビスが耳打ちをしてくる。

「本当にヤバくなったらすぐに返しに来い。ルマンドはラッキーアイテムだと言うが、下手をしたら国が亡びるレベルでアンラッキーアイテムになりかねないから」

(何だそれ?!怖すぎる!!)

やっぱり今すぐ返したい。
でも満面の笑みで俺達を見送るルマンドに今更突き返せない。
仕方がないからひと月くらいしたら返しに来ようかと考えながら俺達はルマンド達に別れを告げた。

「じゃあ、元気でな!」
「ああ!ありがとう!」

そうして俺達は迎えに来てくれたシャルルに連れられてローナ帝国に帰ったんだけど、帰ってからひと月も経たないうちに辺境にあるオルトロスの森近辺でスタンピードが発生して大変なことになった。

(やっぱりあの時返しておくべきだったかも…)

そんな後悔に襲われても後の祭りという奴だ。
幸い予兆が出たところで大急ぎで軍の精鋭を率いてそちらの対処に向かうことができ、兵士達が多々やられそうになるたびに二人でフォローに入り、ついでに治癒にも勤しみ、最終的にスタンピードを収めることができた。
彼らから見たら俺達はある意味英雄のように見えたかもしれないけど、俺達二人からしたら必死にこのアンラッキーアイテムのもたらした厄災を何とかしようと頑張ってただけだから!
本当にスタンピードが収まるまで、胃が痛くてしょうがなかった。

取り敢えず早めにこれは返そうとジークと話し合って、またこちらの大陸に来る羽目になるんだけど、それはまた別のお話。


****************

※そんなわけで無事に新婚旅行編を終えることができました。
お付き合いくださった皆様、ありがとうございましたm(_ _)m

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感想 134

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みんなの感想(134件)

田沢みん
2021.11.07 田沢みん

BL大賞エントリー記念で再読。
やっぱりこのお話好きだなぁ💕
またルマンドたちとのコラボ番外編とか楽しみにお待ちしています!

2021.11.07 オレンジペコ

ありがとうございます♪
ルマンド達と会うならやっぱり例のアイテム返す時ですかね(´∀`*)
スタンピード起こっちゃったし返す、みたいな(^^)

解除
リラ
2021.09.03 リラ
ネタバレ含む
2021.09.03 オレンジペコ

ありがとうございます♪
コラボ楽しんでいただけて良かったです(´∀`*)
ルマンドは超ポジティブなのであんな感じに(笑)

解除
おはぎ
2021.09.02 おはぎ
ネタバレ含む
2021.09.02 オレンジペコ

ありがとうございます♪
新婚旅行編、少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです(´∀`*)
続きは別作品の方を一つ片付けてからまた書けたらなと思っているので、気長にお待ちください(*´꒳`*)

解除

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