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第四章 フォルクナー帝国編Ⅱ(只今恋愛&婚約期間堪能中)
76.甘々なメイビスとそれが恥ずかしい俺
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あのディープキスの日からメイビスが物凄く変わってしまった。
何と言うか、友人の顔よりも恋人の顔の方が多くなった気がする。
ちょっとしたボディタッチも増えたし、目がもうなんというか俺を好きって語り過ぎ?
お茶をしててもすごく愛おしそうに見つめてくるし、如何にも恋愛してますって雰囲気なのだ。
困った。凄く困った。
何が困るって、俺の心臓が困る。
イケメンにあんな風に見つめられ続けたら俺の心臓が持たない。
必然的に避けたくなる。
顔を合わせないように部屋に閉じこもりたくなるし、なんならまたちょっと外に出たくなる。
「う~ん…。どうしよう」
今更だけど恋人同士って恥ずかしいんだな。
どうしてこれまで平気だったのか自分でも謎だ。
逆にこれを隠して普通に接してくれていたメイビスが凄いと思う。
俺に合わせてくれてたってことだし…。愛されてるよな。うん。
友情を深めていただけの俺と違ってメイビスは大人だ。
そんな俺の悩みを解決してくれたのはやっぱりレターニアだった。
ケインにはこんな相談はできないから非常に有難い。
「そんな時はダンジョンデートですわ!」
「ダンジョンデート?」
「ええ!ルマンドは実はとっても強いんでしょう?お兄様をそれで魅了してしまったと聞きましたわ。だから、避けるのではなく、敢えて二人でダンジョンに潜って距離を縮めるのをお勧めするわ!」
それは本当に大丈夫なのかと訊きたくなったが、レターニアは大丈夫の一点張りだ。
曰く、ダンジョンでイチャイチャできるはずがないでしょう?とのこと。
適度な緊迫感があるからメイビスの甘い視線は鳴りを潜めるはずだし、戦いを通して二人の絆も深まるし一石二鳥とのこと。
言われてみれば確かに納得だ。いいかもしれない。
あともし問題があるとすれば、今メイビスが抱えている仕事くらいだろうか?
「忙しそうだけど、一緒に行けるのかな?」
「あら、大丈夫ですわ。ルマンドが誘えば絶対に嫌と言わないのがお兄様ですもの」
クスクスと楽しげに笑われ何とも言えない気持ちになりながら、ダンジョンデートはいいかもしれないと思い切って声を掛けに行くことにする。
コンコンとここ最近ずっとメイビスが居る執務室の扉をノックすると、中から誰何の声がしたので俺だと告げる。
するとメイビス自らドアを開けてくれて嬉しそうに微笑まれた。
「ルマンド。どうしたんだ?」
「うん。ちょっとお誘いに」
「お誘い?」
「仕事が一段落してからでいいんだけど、一緒にダンジョンデートに行かないか?」
あ、しまった。さっきまでレターニアとデートって言ってたせいで、ついダンジョンデートって言ってしまった。
この場合「一緒にダンジョンに行かないか?」で良かったのに。
なのに言われた方のメイビスは何故か物凄く嬉しそうにしていた。
(あれ?こっちの方が言われて嬉しいものなのかな?)
そんなことを思っている隙にメイビスに腰を抱かれ、髪をサラッと撫でられる。
「ルマンド…今すぐ行くか?」
「え?大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。そうだな…心配なら一時間で急ぎのものだけ片づけるから、それまでに準備をしておいてくれ」
「わかった。じゃあ準備しておく」
意外にもすんなりOKがもらえて良かった。
今からだと行ける階層は限られるけど、念のため携帯食やポーションも多めに用意しておこうかな。
そんなことを思いつつ俺は急いでダンジョンに行く準備を整えて、ケインにも声を掛けておいた。
一時間後に行くからと言ったらメイビスにも護衛が一人着くからと言われたので、デートとは言っても四人パーティーでの行動に終始しそうだ。
「今回は声を掛けて頂けて良かったです」
「だって黙って行ったらお前怒るし…」
「当然です。誰の護衛でここまで来てるとお思いですか?」
「……俺だな。ゴメン」
「やっとわかって頂けて嬉しいです」
この間行先を告げずに出掛けたことについてはケインからも散々叱られたのだ。
「ルマンド様はいつも自由ですから、そんな姿を眩しく感じつつも心配しているのです」
「うん」
「危険な場所という定義がずれているようなので敢えて言いますが、冒険者として活動する際は必ず同行させてください」
「わかった」
どうやら城内の近衛としての業務以外でも守ってくれる気満々らしい。
「ケインは本当に責任感は強いし、近衛としても優秀で強くて頼れるのにどうして彼女がいないのかな…」
「……ルマンド様?怒りますよ?貴方のせいですよと言わせたいんですか?」
「うっ…ゴメン。でも俺別にケインに好かれるようなことした覚えはないんだけど…」
「私は初めて貴方と手合わせをした時からずっと貴方に惹かれていました。ただコーリックでは同性婚は認められていませんし、立場的なものも考えて我慢していたんです。最初は。それなのにあれこれ魅了してくるから期待ばかり膨らんでどうしようもなくなったんですよ」
「えぇ~…」
俺ルルみたいに魅了魔法なんて使えないんだけど…。
一体何が悪かったのか全く分からない。
「今も貴方を思う気持ちはありますが、メイビス王子ならきっと貴方を幸せにしてくれると信じることにしました。ですからここで余所見したりしないでくださいよ?」
「余所見って何?!俺、メイビス以外見てないけど?」
「……レターニア王女と親しくなさっているでしょう?噂になっていますよ?」
まさかのレターニアとの噂発生……。
「タニアは友達として色々アドバイスしてくれてるだけなのに」
「例えそうだとしても未婚の男女が仲良く話しているだけで勘違いする者は出てくるものです」
「うっ…気を付けるよ」
「そうなさってください」
そして話はこれで終わりだとケインが切り上げたので俺も気持ちを切り替える。
(俺とメイビスって恋人同士には見えないのかな……)
少しだけそんなことを考えながらこの後のデートへと思いを馳せたのだった。
何と言うか、友人の顔よりも恋人の顔の方が多くなった気がする。
ちょっとしたボディタッチも増えたし、目がもうなんというか俺を好きって語り過ぎ?
お茶をしててもすごく愛おしそうに見つめてくるし、如何にも恋愛してますって雰囲気なのだ。
困った。凄く困った。
何が困るって、俺の心臓が困る。
イケメンにあんな風に見つめられ続けたら俺の心臓が持たない。
必然的に避けたくなる。
顔を合わせないように部屋に閉じこもりたくなるし、なんならまたちょっと外に出たくなる。
「う~ん…。どうしよう」
今更だけど恋人同士って恥ずかしいんだな。
どうしてこれまで平気だったのか自分でも謎だ。
逆にこれを隠して普通に接してくれていたメイビスが凄いと思う。
俺に合わせてくれてたってことだし…。愛されてるよな。うん。
友情を深めていただけの俺と違ってメイビスは大人だ。
そんな俺の悩みを解決してくれたのはやっぱりレターニアだった。
ケインにはこんな相談はできないから非常に有難い。
「そんな時はダンジョンデートですわ!」
「ダンジョンデート?」
「ええ!ルマンドは実はとっても強いんでしょう?お兄様をそれで魅了してしまったと聞きましたわ。だから、避けるのではなく、敢えて二人でダンジョンに潜って距離を縮めるのをお勧めするわ!」
それは本当に大丈夫なのかと訊きたくなったが、レターニアは大丈夫の一点張りだ。
曰く、ダンジョンでイチャイチャできるはずがないでしょう?とのこと。
適度な緊迫感があるからメイビスの甘い視線は鳴りを潜めるはずだし、戦いを通して二人の絆も深まるし一石二鳥とのこと。
言われてみれば確かに納得だ。いいかもしれない。
あともし問題があるとすれば、今メイビスが抱えている仕事くらいだろうか?
「忙しそうだけど、一緒に行けるのかな?」
「あら、大丈夫ですわ。ルマンドが誘えば絶対に嫌と言わないのがお兄様ですもの」
クスクスと楽しげに笑われ何とも言えない気持ちになりながら、ダンジョンデートはいいかもしれないと思い切って声を掛けに行くことにする。
コンコンとここ最近ずっとメイビスが居る執務室の扉をノックすると、中から誰何の声がしたので俺だと告げる。
するとメイビス自らドアを開けてくれて嬉しそうに微笑まれた。
「ルマンド。どうしたんだ?」
「うん。ちょっとお誘いに」
「お誘い?」
「仕事が一段落してからでいいんだけど、一緒にダンジョンデートに行かないか?」
あ、しまった。さっきまでレターニアとデートって言ってたせいで、ついダンジョンデートって言ってしまった。
この場合「一緒にダンジョンに行かないか?」で良かったのに。
なのに言われた方のメイビスは何故か物凄く嬉しそうにしていた。
(あれ?こっちの方が言われて嬉しいものなのかな?)
そんなことを思っている隙にメイビスに腰を抱かれ、髪をサラッと撫でられる。
「ルマンド…今すぐ行くか?」
「え?大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。そうだな…心配なら一時間で急ぎのものだけ片づけるから、それまでに準備をしておいてくれ」
「わかった。じゃあ準備しておく」
意外にもすんなりOKがもらえて良かった。
今からだと行ける階層は限られるけど、念のため携帯食やポーションも多めに用意しておこうかな。
そんなことを思いつつ俺は急いでダンジョンに行く準備を整えて、ケインにも声を掛けておいた。
一時間後に行くからと言ったらメイビスにも護衛が一人着くからと言われたので、デートとは言っても四人パーティーでの行動に終始しそうだ。
「今回は声を掛けて頂けて良かったです」
「だって黙って行ったらお前怒るし…」
「当然です。誰の護衛でここまで来てるとお思いですか?」
「……俺だな。ゴメン」
「やっとわかって頂けて嬉しいです」
この間行先を告げずに出掛けたことについてはケインからも散々叱られたのだ。
「ルマンド様はいつも自由ですから、そんな姿を眩しく感じつつも心配しているのです」
「うん」
「危険な場所という定義がずれているようなので敢えて言いますが、冒険者として活動する際は必ず同行させてください」
「わかった」
どうやら城内の近衛としての業務以外でも守ってくれる気満々らしい。
「ケインは本当に責任感は強いし、近衛としても優秀で強くて頼れるのにどうして彼女がいないのかな…」
「……ルマンド様?怒りますよ?貴方のせいですよと言わせたいんですか?」
「うっ…ゴメン。でも俺別にケインに好かれるようなことした覚えはないんだけど…」
「私は初めて貴方と手合わせをした時からずっと貴方に惹かれていました。ただコーリックでは同性婚は認められていませんし、立場的なものも考えて我慢していたんです。最初は。それなのにあれこれ魅了してくるから期待ばかり膨らんでどうしようもなくなったんですよ」
「えぇ~…」
俺ルルみたいに魅了魔法なんて使えないんだけど…。
一体何が悪かったのか全く分からない。
「今も貴方を思う気持ちはありますが、メイビス王子ならきっと貴方を幸せにしてくれると信じることにしました。ですからここで余所見したりしないでくださいよ?」
「余所見って何?!俺、メイビス以外見てないけど?」
「……レターニア王女と親しくなさっているでしょう?噂になっていますよ?」
まさかのレターニアとの噂発生……。
「タニアは友達として色々アドバイスしてくれてるだけなのに」
「例えそうだとしても未婚の男女が仲良く話しているだけで勘違いする者は出てくるものです」
「うっ…気を付けるよ」
「そうなさってください」
そして話はこれで終わりだとケインが切り上げたので俺も気持ちを切り替える。
(俺とメイビスって恋人同士には見えないのかな……)
少しだけそんなことを考えながらこの後のデートへと思いを馳せたのだった。
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