【完結】第二王子の失恋〜傷心旅行先で出会ったのはイケメン王子でした〜

オレンジペコ

文字の大きさ
80 / 141
第四章 フォルクナー帝国編Ⅱ(只今恋愛&婚約期間堪能中)

76.甘々なメイビスとそれが恥ずかしい俺

しおりを挟む
あのディープキスの日からメイビスが物凄く変わってしまった。
何と言うか、友人の顔よりも恋人の顔の方が多くなった気がする。
ちょっとしたボディタッチも増えたし、目がもうなんというか俺を好きって語り過ぎ?
お茶をしててもすごく愛おしそうに見つめてくるし、如何にも恋愛してますって雰囲気なのだ。
困った。凄く困った。
何が困るって、俺の心臓が困る。
イケメンにあんな風に見つめられ続けたら俺の心臓が持たない。
必然的に避けたくなる。
顔を合わせないように部屋に閉じこもりたくなるし、なんならまたちょっと外に出たくなる。

「う~ん…。どうしよう」

今更だけど恋人同士って恥ずかしいんだな。
どうしてこれまで平気だったのか自分でも謎だ。
逆にこれを隠して普通に接してくれていたメイビスが凄いと思う。
俺に合わせてくれてたってことだし…。愛されてるよな。うん。
友情を深めていただけの俺と違ってメイビスは大人だ。

そんな俺の悩みを解決してくれたのはやっぱりレターニアだった。
ケインにはこんな相談はできないから非常に有難い。

「そんな時はダンジョンデートですわ!」
「ダンジョンデート?」
「ええ!ルマンドは実はとっても強いんでしょう?お兄様をそれで魅了してしまったと聞きましたわ。だから、避けるのではなく、敢えて二人でダンジョンに潜って距離を縮めるのをお勧めするわ!」

それは本当に大丈夫なのかと訊きたくなったが、レターニアは大丈夫の一点張りだ。
曰く、ダンジョンでイチャイチャできるはずがないでしょう?とのこと。
適度な緊迫感があるからメイビスの甘い視線は鳴りを潜めるはずだし、戦いを通して二人の絆も深まるし一石二鳥とのこと。
言われてみれば確かに納得だ。いいかもしれない。
あともし問題があるとすれば、今メイビスが抱えている仕事くらいだろうか?

「忙しそうだけど、一緒に行けるのかな?」
「あら、大丈夫ですわ。ルマンドが誘えば絶対に嫌と言わないのがお兄様ですもの」

クスクスと楽しげに笑われ何とも言えない気持ちになりながら、ダンジョンデートはいいかもしれないと思い切って声を掛けに行くことにする。




コンコンとここ最近ずっとメイビスが居る執務室の扉をノックすると、中から誰何の声がしたので俺だと告げる。
するとメイビス自らドアを開けてくれて嬉しそうに微笑まれた。

「ルマンド。どうしたんだ?」
「うん。ちょっとお誘いに」
「お誘い?」
「仕事が一段落してからでいいんだけど、一緒にダンジョンデートに行かないか?」

あ、しまった。さっきまでレターニアとデートって言ってたせいで、ついダンジョンデートって言ってしまった。
この場合「一緒にダンジョンに行かないか?」で良かったのに。
なのに言われた方のメイビスは何故か物凄く嬉しそうにしていた。

(あれ?こっちの方が言われて嬉しいものなのかな?)

そんなことを思っている隙にメイビスに腰を抱かれ、髪をサラッと撫でられる。

「ルマンド…今すぐ行くか?」
「え?大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。そうだな…心配なら一時間で急ぎのものだけ片づけるから、それまでに準備をしておいてくれ」
「わかった。じゃあ準備しておく」

意外にもすんなりOKがもらえて良かった。
今からだと行ける階層は限られるけど、念のため携帯食やポーションも多めに用意しておこうかな。
そんなことを思いつつ俺は急いでダンジョンに行く準備を整えて、ケインにも声を掛けておいた。
一時間後に行くからと言ったらメイビスにも護衛が一人着くからと言われたので、デートとは言っても四人パーティーでの行動に終始しそうだ。

「今回は声を掛けて頂けて良かったです」
「だって黙って行ったらお前怒るし…」
「当然です。誰の護衛でここまで来てるとお思いですか?」
「……俺だな。ゴメン」
「やっとわかって頂けて嬉しいです」

この間行先を告げずに出掛けたことについてはケインからも散々叱られたのだ。

「ルマンド様はいつも自由ですから、そんな姿を眩しく感じつつも心配しているのです」
「うん」
「危険な場所という定義がずれているようなので敢えて言いますが、冒険者として活動する際は必ず同行させてください」
「わかった」

どうやら城内の近衛としての業務以外でも守ってくれる気満々らしい。

「ケインは本当に責任感は強いし、近衛としても優秀で強くて頼れるのにどうして彼女がいないのかな…」
「……ルマンド様?怒りますよ?貴方のせいですよと言わせたいんですか?」
「うっ…ゴメン。でも俺別にケインに好かれるようなことした覚えはないんだけど…」
「私は初めて貴方と手合わせをした時からずっと貴方に惹かれていました。ただコーリックでは同性婚は認められていませんし、立場的なものも考えて我慢していたんです。最初は。それなのにあれこれ魅了してくるから期待ばかり膨らんでどうしようもなくなったんですよ」
「えぇ~…」

俺ルルみたいに魅了魔法なんて使えないんだけど…。
一体何が悪かったのか全く分からない。

「今も貴方を思う気持ちはありますが、メイビス王子ならきっと貴方を幸せにしてくれると信じることにしました。ですからここで余所見したりしないでくださいよ?」
「余所見って何?!俺、メイビス以外見てないけど?」
「……レターニア王女と親しくなさっているでしょう?噂になっていますよ?」

まさかのレターニアとの噂発生……。

「タニアは友達として色々アドバイスしてくれてるだけなのに」
「例えそうだとしても未婚の男女が仲良く話しているだけで勘違いする者は出てくるものです」
「うっ…気を付けるよ」
「そうなさってください」

そして話はこれで終わりだとケインが切り上げたので俺も気持ちを切り替える。

(俺とメイビスって恋人同士には見えないのかな……)

少しだけそんなことを考えながらこの後のデートへと思いを馳せたのだった。




しおりを挟む
感想 115

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。

はぴねこ
BL
 高校生の頃、片想いの親友に告白した。  彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。  もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。  彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。  そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。  同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。  あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。  そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。 「俺もそろそろ恋愛したい」  親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。  不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。

目が覚めたら宿敵の伴侶になっていた

木村木下
BL
日本の大学に通う俺はある日突然異世界で目覚め、思い出した。 自分が本来、この世界で生きていた妖精、フォランだということを。 しかし目覚めたフォランはなぜか自分の肉体ではなく、シルヴァ・サリオンという青年の体に入っていた。その上、シルヴァはフォランの宿敵である大英雄ユエ・オーレルの『望まれない伴侶』だった。 ユエ×フォラン (ムーンライトノベルズ/全年齢版をカクヨムでも投稿しています)

婚約破棄されたから能力隠すのやめまーすw

ミクリ21
BL
婚約破棄されたエドワードは、実は秘密をもっていた。それを知らない転生ヒロインは見事に王太子をゲットした。しかし、のちにこれが王太子とヒロインのざまぁに繋がる。 軽く説明 ★シンシア…乙女ゲームに転生したヒロイン。自分が主人公だと思っている。 ★エドワード…転生者だけど乙女ゲームの世界だとは知らない。本当の主人公です。

寄るな。触るな。近付くな。

きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。 頭を打って? 病気で生死を彷徨って? いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。 見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。 シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。 しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。 ーーーーーーーーーーー 初めての投稿です。 結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。 ※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!

ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。 その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。 しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。 何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。 聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)

【完結】健康な身体に成り代わったので異世界を満喫します。

白(しろ)
BL
神様曰く、これはお節介らしい。 僕の身体は運が悪くとても脆く出来ていた。心臓の部分が。だからそろそろダメかもな、なんて思っていたある日の夢で僕は健康な身体を手に入れていた。 けれどそれは僕の身体じゃなくて、まるで天使のように綺麗な顔をした人の身体だった。 どうせ夢だ、すぐに覚めると思っていたのに夢は覚めない。それどころか感じる全てがリアルで、もしかしてこれは現実なのかもしれないと有り得ない考えに及んだとき、頭に鈴の音が響いた。 「お節介を焼くことにした。なに心配することはない。ただ、成り代わるだけさ。お前が欲しくて堪らなかった身体に」 神様らしき人の差配で、僕は僕じゃない人物として生きることになった。 これは健康な身体を手に入れた僕が、好きなように生きていくお話。 本編は三人称です。 R−18に該当するページには※を付けます。 毎日20時更新 登場人物 ラファエル・ローデン 金髪青眼の美青年。無邪気であどけなくもあるが無鉄砲で好奇心旺盛。 ある日人が変わったように活発になったことで親しい人たちを戸惑わせた。今では受け入れられている。 首筋で脈を取るのがクセ。 アルフレッド 茶髪に赤目の迫力ある男前苦労人。ラファエルの友人であり相棒。 剣の腕が立ち騎士団への入団を強く望まれていたが縛り付けられるのを嫌う性格な為断った。 神様 ガラが悪い大男。  

処理中です...