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第四章 フォルクナー帝国編Ⅱ(只今恋愛&婚約期間堪能中)
86.ロマンチック案は母が詳しいと知った俺
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自分の誕生日が近づいてきたので、俺は早速父に連絡を取ろうとしたんだけど、今は忙しいからと言われ先に母に連絡をしてみることにした。
何故かというと少しレイクウッドの話を聞きたかったからだ。
「ルマンドちゃん?!まあ!嬉しいわ!メイビス王子に攫われるくらい愛されてるって本当?全然連絡がないから軟禁されて部屋から出られないのかと思ったわ」
「え…それは流石に話が飛躍しすぎでは?」
まるでメイビスが病んでるみたいに言わないで欲しい。
メイビスは可愛い嫉妬くらいしか見せたことはないし、軟禁なんてされたこともないから。
そもそも俺は転移魔法が使えるからそういうのは無理だと思う。
「だって、ルマンドちゃんがそっちに行ってもうすぐ四か月にもなるのよ?蜜月が終わったからやっと連絡をくれたのかと……」
いや、普通年頃の男子ってそんなものじゃないか?用事もないのにわざわざ親に連絡入れたりしないし。
変に穿った見方をしないでほしい。
「んんっ…。やめてください。ちゃんと普通に上手くやってますので」
「そう?誕生祭には私も行く予定だから、是非ご挨拶させてちょうだいね?」
「わかってます。それよりちょっと聞きたいことがあるんですが…」
これ以上話をズルズル引っ張って根掘り葉掘り聞かれたくはないからさっさと要件に入る。
「ちょっと今プロポーズの演出を考えていて、レイクウッドのクルーズ船でできるという話を聞いたんですが…」
「まあっ!プロポーズ?!ルマンドちゃんが?なんて素敵なの!まあどうしましょう…!いいわ。なんでも聞いてちょうだい!」
そう言って母はここのクルーズ船はどうで、こっちはああでと色々詳しく教えてくれた。
そして海が荒れた場合の他の案も考えておくべきだと言って、ついでに他のロマンチック案を考えてくれた。
「バラの絨毯でロマンチックにプロポーズとかも素敵よ。小さな教会を借り切って二人だけで愛を誓うの」
ふむふむ。
「塔の上で街を見下ろしながらも素敵ね。晴れ渡る空、吹き抜ける風、眼下に広がる街並み!爽やかにプロポーズするのも男らしいわ」
あ、これも良さそう。
レイクウッドが雨でフォルクナーが晴れだったら候補に入れようかな。
「そうだわ!確かそっちにはダンジョンがあるのよね?レイベルトにあるダンジョンの何階層かは知らないけれどとっても綺麗な鍾乳洞のエリアがあるらしいのよ。小さな湖もあってね、凄く幻想的な雰囲気だそうよ?そういうところならルマンドちゃんらしいプロポーズもできるかも…」
なんと!まさかのこっちの湖情報が!
「さ、早速調べてみる!あ、調べてみます!ありがとうございました!」
「頑張ってね!私も応援してるわ!」
これは俄然やる気が出てきた。
クルーズ船がダメになったらダンジョンに向かおう。
(でも何階層なんだろ…)
まだ行ったことのない階層だし、ちょっと長期で潜って下見がてら探ってこようかな?
そうと決まればさっさと動こう。
「ケイン!ちょっとダンジョンに一か月くらい潜ってきてもいいかな?」
通信を切った後、後ろを振り返ってケインにそう言ったら滅茶苦茶反対されてしまった。
自分が調べてくるからの一点張りだ。
もしかしてコーリックに帰る日を気にしてるんだろうか?
「じゃあ、コーリックで誕生日後の予定を確認した後ならいいだろ?」
「ダメです」
「だってプロポーズの場所は下見しておかないと」
「危険です。何階層まで行くおつもりですか?」
「え?湖のある鍾乳洞エリアがあるところ」
「せめて何階層にあるのかギルドで聞いてくるので、お待ちください」
ああ、確かにそれもそうか。
潜るならそれからの方がいい。
「じゃあどこにあるのか調べるのはケインに任せるよ」
「承りました」
実はもうすぐ注文を出していた指輪も手元に届く予定だからわくわくしてるんだよな。
早く渡したい気持ちとしっかり計画的に企画をしないとという気持ちがせめぎ合う。
(メイビスに会いたいな…)
何となく居ても立っても居られなくなって、俺はメイビスの執務室の方へと歩き出した。
******
(ん?何か騒がしい?)
いつもは静かな執務室付近がなんだかちょっと騒がしい。
何かあったんだろうか?
そう思っていると、執務室の前で三人のご令嬢達が睨みを利かせ合っている姿が目に留まった。
それと共に近衛がメイビスを守っていて、メイビスはメイビスで三人を取り成そうとしている。
いつだったかメイビスに聞いた状況そのものだ。
メイビスは確かこんなのが何度も続いて嫌になったから武者修行と偽ってセレン国に来たって言ってたっけ。
これは流石にちょっと気持ちが分かる気がする。
「落ち着いて…淑女がみだりに感情を荒ぶらせるようなものではない」
「でもメイビス様!クララ様ったら酷いんですのよ!」
「まあ失礼な!そのようなものをメイビス様に差し入れてくる方がどうかしているのですわ!」
「お仕事を頑張っておられるメイビス様に対しお二方とも失礼この上ないですわ…。メイビス様、こちら我が家自慢の料理長力作のタルトですの。甘さも控えめとなっておりますし、是非ご休憩の時にでも…キャッ!いきなり何をするんですの?!」
「横から割って入らないでちょうだい!メイビス様への差し入れは私がするわ!」
「どうせ大したものでもないくせに…!うちの料理長の作ったものの方がずっと美味しいわ」
(うわぁ……)
キャットファイトなんて初めて見た。
これ、助けた方がいいのかな?
仕方がないと息を吐き、俺は王子の仮面をかぶってそちらへと思い切って近づいていった。
何故かというと少しレイクウッドの話を聞きたかったからだ。
「ルマンドちゃん?!まあ!嬉しいわ!メイビス王子に攫われるくらい愛されてるって本当?全然連絡がないから軟禁されて部屋から出られないのかと思ったわ」
「え…それは流石に話が飛躍しすぎでは?」
まるでメイビスが病んでるみたいに言わないで欲しい。
メイビスは可愛い嫉妬くらいしか見せたことはないし、軟禁なんてされたこともないから。
そもそも俺は転移魔法が使えるからそういうのは無理だと思う。
「だって、ルマンドちゃんがそっちに行ってもうすぐ四か月にもなるのよ?蜜月が終わったからやっと連絡をくれたのかと……」
いや、普通年頃の男子ってそんなものじゃないか?用事もないのにわざわざ親に連絡入れたりしないし。
変に穿った見方をしないでほしい。
「んんっ…。やめてください。ちゃんと普通に上手くやってますので」
「そう?誕生祭には私も行く予定だから、是非ご挨拶させてちょうだいね?」
「わかってます。それよりちょっと聞きたいことがあるんですが…」
これ以上話をズルズル引っ張って根掘り葉掘り聞かれたくはないからさっさと要件に入る。
「ちょっと今プロポーズの演出を考えていて、レイクウッドのクルーズ船でできるという話を聞いたんですが…」
「まあっ!プロポーズ?!ルマンドちゃんが?なんて素敵なの!まあどうしましょう…!いいわ。なんでも聞いてちょうだい!」
そう言って母はここのクルーズ船はどうで、こっちはああでと色々詳しく教えてくれた。
そして海が荒れた場合の他の案も考えておくべきだと言って、ついでに他のロマンチック案を考えてくれた。
「バラの絨毯でロマンチックにプロポーズとかも素敵よ。小さな教会を借り切って二人だけで愛を誓うの」
ふむふむ。
「塔の上で街を見下ろしながらも素敵ね。晴れ渡る空、吹き抜ける風、眼下に広がる街並み!爽やかにプロポーズするのも男らしいわ」
あ、これも良さそう。
レイクウッドが雨でフォルクナーが晴れだったら候補に入れようかな。
「そうだわ!確かそっちにはダンジョンがあるのよね?レイベルトにあるダンジョンの何階層かは知らないけれどとっても綺麗な鍾乳洞のエリアがあるらしいのよ。小さな湖もあってね、凄く幻想的な雰囲気だそうよ?そういうところならルマンドちゃんらしいプロポーズもできるかも…」
なんと!まさかのこっちの湖情報が!
「さ、早速調べてみる!あ、調べてみます!ありがとうございました!」
「頑張ってね!私も応援してるわ!」
これは俄然やる気が出てきた。
クルーズ船がダメになったらダンジョンに向かおう。
(でも何階層なんだろ…)
まだ行ったことのない階層だし、ちょっと長期で潜って下見がてら探ってこようかな?
そうと決まればさっさと動こう。
「ケイン!ちょっとダンジョンに一か月くらい潜ってきてもいいかな?」
通信を切った後、後ろを振り返ってケインにそう言ったら滅茶苦茶反対されてしまった。
自分が調べてくるからの一点張りだ。
もしかしてコーリックに帰る日を気にしてるんだろうか?
「じゃあ、コーリックで誕生日後の予定を確認した後ならいいだろ?」
「ダメです」
「だってプロポーズの場所は下見しておかないと」
「危険です。何階層まで行くおつもりですか?」
「え?湖のある鍾乳洞エリアがあるところ」
「せめて何階層にあるのかギルドで聞いてくるので、お待ちください」
ああ、確かにそれもそうか。
潜るならそれからの方がいい。
「じゃあどこにあるのか調べるのはケインに任せるよ」
「承りました」
実はもうすぐ注文を出していた指輪も手元に届く予定だからわくわくしてるんだよな。
早く渡したい気持ちとしっかり計画的に企画をしないとという気持ちがせめぎ合う。
(メイビスに会いたいな…)
何となく居ても立っても居られなくなって、俺はメイビスの執務室の方へと歩き出した。
******
(ん?何か騒がしい?)
いつもは静かな執務室付近がなんだかちょっと騒がしい。
何かあったんだろうか?
そう思っていると、執務室の前で三人のご令嬢達が睨みを利かせ合っている姿が目に留まった。
それと共に近衛がメイビスを守っていて、メイビスはメイビスで三人を取り成そうとしている。
いつだったかメイビスに聞いた状況そのものだ。
メイビスは確かこんなのが何度も続いて嫌になったから武者修行と偽ってセレン国に来たって言ってたっけ。
これは流石にちょっと気持ちが分かる気がする。
「落ち着いて…淑女がみだりに感情を荒ぶらせるようなものではない」
「でもメイビス様!クララ様ったら酷いんですのよ!」
「まあ失礼な!そのようなものをメイビス様に差し入れてくる方がどうかしているのですわ!」
「お仕事を頑張っておられるメイビス様に対しお二方とも失礼この上ないですわ…。メイビス様、こちら我が家自慢の料理長力作のタルトですの。甘さも控えめとなっておりますし、是非ご休憩の時にでも…キャッ!いきなり何をするんですの?!」
「横から割って入らないでちょうだい!メイビス様への差し入れは私がするわ!」
「どうせ大したものでもないくせに…!うちの料理長の作ったものの方がずっと美味しいわ」
(うわぁ……)
キャットファイトなんて初めて見た。
これ、助けた方がいいのかな?
仕方がないと息を吐き、俺は王子の仮面をかぶってそちらへと思い切って近づいていった。
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