【完結】第二王子の失恋〜傷心旅行先で出会ったのはイケメン王子でした〜

オレンジペコ

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第四章 フォルクナー帝国編Ⅱ(只今恋愛&婚約期間堪能中)

83.幸せの足音② Side.メイビス

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日増しにルマンドに嵌っていく自分が止められない。
あれから普通を装ってはいるものの、ルマンドが愛しくてついついその一挙手一投足を観察してしまう。
美味しそうに食事を摂る姿も、嬉しそうに剣を振るう姿も、楽しそうにこちらへと向けてくる笑顔も、そして何よりも普段は見れない切なげな眼差しで俺を見てくるベッドでの姿も……全部全部好きだ。
もう抜きあいだなんて中途半端なことはせずに本番まで持ち込みたい。
でもコーリック的にはそれは駄目らしいので加減が難しい。
一体どこまでがOKでどこからがNGなのか……。

そう思っている時に突然ドサッと何かが目の前に降ってきた。

「……これは?」
「全てメイビス様への縁談です」
「……いや、俺はルマンドと結婚するから」
「ではお断りのお返事を」
「頼む」

知っていて置いたのかとちょっと睨みたくなったが、それ以降何故か頻繁にこんなものが寄越されてくるようになった。
ルマンドとの仲が良好だから然程気にしないが、ここにルマンドが居なければまた城から飛び出すところだ。
それくらい鬱陶しい。

それよりも頼んでいたルマンドへの贈り物がやっと手元へと届けられた。
ルマンドから貰ったものと似た形のイヤーカフで、お揃い感が出るように金属部は金で、そこにブルーサファイアとブルーダイヤをグラデーションであしらってみた。
後はこれをどのタイミングで渡すかだ。
確か誕生日は三月頃だったと思うからまた日をケインにでも確認しておこうと思う。

そう思っていたのに────。



珍しく侍従がルマンドからの手紙を携えてきたのでウキウキしながら開いたら夜に部屋を訪れてもいいかと書かれてあって驚いた。
これが手元に届くということはケインの許可が出ているということで、何か重要な相談事なのだろうと言う事だけはわかった。
それならそれでルマンドとの気楽な会話は昼の内に楽しんでおこうと思い、昼食へと誘った。
そしてそこで物凄く重要なことを口にされて、俺は戸惑うことになる。

「ちょっと噂話の件で相談したかっただけだから、それは夜に。あ、そうそう。それと、忘れてたけどコーリックに一度連絡を取らないといけないんだった。もしかしたら一度帰るかもしれないからそれも伝えておこうかな」
「え?」

あまりにも急にコーリックへ帰ると口にしたので物凄く驚いたのだ。
もしかして何かあったのだろうかと続く言葉を待ったのだが……。

「もうすぐ19才になるから、念のため向こうで行事がないか確認しておかないと…」

(もうすぐ19……?まさか誕生日?!いつ?!)

「……ルマンド。誕生日って3月とかじゃないのか?」
「俺?10月生まれ。もしかして勘違いしてた?」
「ああ」
「そっか。ゴメン」
「もう少し早く言って欲しかった…」

本当に危なかった。今聞けてなかったらあれを渡すタイミングを外すところだった。
これは一刻も早く準備に取り掛からないと……。

「本当にゴメン。そう言えばメイビスは誕生祭当日が誕生日なのか?」
「いや。誕生日自体は誕生祭の10日くらい前かな」
「…!そっか。じゃあその日は一緒にお祝いしよう」

俺の誕生日なんてどうだっていいのに……。
でもそうか。ルマンドはプロポーズを考えてくれているんだったな。
職人に確認を取ったらやっぱりミスリルの指輪だったからまず間違いないだろう。
内緒にしてるつもりなんだろうけど、バレバレで可愛い。

そしてその日の夜に聞いた話もまた可愛らしいものだった。
レターニアとの噂をなくしたいと……。
俺としても面白くはない噂話だったが、ルマンドが俺だけを見てくれているのはもうわかっているから全く焦りはない。
こちらの気持ちも考えて「メイビスも嫌だろう?」と気遣ってくれる姿は最高だった。

「ルマンド…キスしてもいいか?」
「聞かなくてもいつも勝手にするくせに」
「そんなことはないだろう?ちゃんと空気は読んでるつもりだし」

嫌がってないのをちゃんとわかった上でやってるから。

「んっ…」

最近随分キスにも慣れて、気持ち良くなってくると腰が抜けるのかそっと手を回して抱きついてくるようになった。
もうその仕草が可愛すぎてたまらない。
キスの合間合間に俺を見つめてくる眼差しは切なげで、金の瞳がトロリと蕩けてまるで甘い蜂蜜のようだ。

(ああ…早く食べてしまいたい……)

我慢もそろそろ限界だ。
気持ちばかりが高ぶって、よくもってるなと自分で自分に感心してしまう。

「ルマンド…婚約したら抱いてもいいか?」
「え?」
「早くお前を愛したくて仕方がないんだ」
「えっ…。あ……そっか。俺がそっちなんだよな。体格的に。えっと……よ、予習しておく…な?」

ちゃんと予約を取っておこうと言ったのに、そんな返しは反則だ。
予習なんて必要ない。どうせレターニアから借りる官能小説とかだろう?
余計な知識なんていらない。そんなもの読まなくても俺が全部全部教えてあげるから…。

だから無害を装って、照れるルマンドに笑顔で囁いた。

──────「予習はいらないから、一緒に覚えていこう?」と。



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