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【本編】
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竜王はその寿命が近づくとある日突然狂うと言う特性があった。
そしてその竜王を倒した者が次代の王となる。
そうしてほぼ500~1000年に一度、代替わりが行われてきたのだが────。
(こんなもの、見たくない!)
自分が愛し慈しんできた国が憎まれ、親しくしていた国が目の前で火の海と化していく。
止めなければならないのに、護らなくてはならないのに、俺の意思では身体を動かすことができない。
「ヒャハハハハ!転生先が竜王なんて本当最高だな!」
意味不明な言葉を紡ぎ、他国に戦争を仕掛け、その力をただただ凶悪なまでに行使するのは、俺に取り憑いた悪魔。
(誰か俺を殺してくれ…)
自分で自分を止められないのなら、誰かに殺されたい。
もしかして歴代の狂った竜王達は皆、こんな風に身体を乗っ取られていたんだろうか?
もしそうだったとしたら、自分が殺した竜王もまた、被害者だったのかもしれない。
「ランドルフ!」
親友の声が聞こえる。
ずっと俺の側で俺の理想を聞き、支えてくれてきた側近の一人だ。
そんな親友が泣きながら俺へと剣を向ける。
「何故シャーリーを殺した?!」
「シャーリー?」
悪魔が心当たりはないとでも言いたげに小首を傾げる。
だが少ししてからニタリと嗤い、思い出したかのように残酷な言葉を口にした。
「ああ、もしかしてあのスレンダー美人か?好みだったから夜伽に誘ってやったのに、その場で泣きながら断ってきたからぶっ殺してやったんだ。あれ、お前の女だったのか?そうかそうか。悪かったな?ハハハッ!」
その言葉に親友の怒りが爆発する。
彼は儚げで弱弱しい自らのツガイを溺愛していた。
少しでも長生きしてほしいから子は諦めたと言いながらも幸せそうに笑って、それはもう大事に大事に愛していたのに……。
「殺してやる────!」
憎悪に塗れた眼差しで俺を睨みつけ、剣を手に突っ込んでくる親友。
気持ちはわかる。
俺だって同じ立場だったなら同じ行動に出ただろう。
このまま殺されてやりたい。
なのにその願いは叶わなかった。
目の前で散っていく親友の命に、俺は何もしてやれなかった。
「ハハハハハッ!!」
自分の手が血に塗れるのを見ながら悪魔が嗤う。
心でどれだけ泣き叫ぼうと、悪魔に乗っ取られた俺は無慈悲に笑うのだ。
それが何よりも気が狂いそうなほど苦しかった。
それからどれだけ経っただろう?
やっと俺を殺してくれる男がやってきた。
黒い鎧を身に纏った竜人だ。
(ああ、やっとこの苦しみから解放される…)
彼を前にして、何故だか不思議とそう確信することができた。
きっと彼なら俺の望みを叶えてくれる。
込み上げてくるのはそんな安堵の気持ち。
「竜王陛下。貴方の治世は素晴らしかった」
狂ってしまった貴方を残念に思う────そう言いながら男は涙を流しながら俺の命を刈り取った。
ゆっくりと身体から力が抜けていく。
そして『こんなところで…』と嘆く悪魔の悔しそうな声も聞こえたが、それよりも何よりも心を打ったのは俺を殺した相手のむせび泣く声だった。
(そんなに悲しまなくてもいいのに…)
俺は俺を殺してくれて感謝している。
それを伝えられないのだけが心残りだった。
(ありがとう────)
そう思いながら俺はゆっくりと意識を手放した。
そしてその竜王を倒した者が次代の王となる。
そうしてほぼ500~1000年に一度、代替わりが行われてきたのだが────。
(こんなもの、見たくない!)
自分が愛し慈しんできた国が憎まれ、親しくしていた国が目の前で火の海と化していく。
止めなければならないのに、護らなくてはならないのに、俺の意思では身体を動かすことができない。
「ヒャハハハハ!転生先が竜王なんて本当最高だな!」
意味不明な言葉を紡ぎ、他国に戦争を仕掛け、その力をただただ凶悪なまでに行使するのは、俺に取り憑いた悪魔。
(誰か俺を殺してくれ…)
自分で自分を止められないのなら、誰かに殺されたい。
もしかして歴代の狂った竜王達は皆、こんな風に身体を乗っ取られていたんだろうか?
もしそうだったとしたら、自分が殺した竜王もまた、被害者だったのかもしれない。
「ランドルフ!」
親友の声が聞こえる。
ずっと俺の側で俺の理想を聞き、支えてくれてきた側近の一人だ。
そんな親友が泣きながら俺へと剣を向ける。
「何故シャーリーを殺した?!」
「シャーリー?」
悪魔が心当たりはないとでも言いたげに小首を傾げる。
だが少ししてからニタリと嗤い、思い出したかのように残酷な言葉を口にした。
「ああ、もしかしてあのスレンダー美人か?好みだったから夜伽に誘ってやったのに、その場で泣きながら断ってきたからぶっ殺してやったんだ。あれ、お前の女だったのか?そうかそうか。悪かったな?ハハハッ!」
その言葉に親友の怒りが爆発する。
彼は儚げで弱弱しい自らのツガイを溺愛していた。
少しでも長生きしてほしいから子は諦めたと言いながらも幸せそうに笑って、それはもう大事に大事に愛していたのに……。
「殺してやる────!」
憎悪に塗れた眼差しで俺を睨みつけ、剣を手に突っ込んでくる親友。
気持ちはわかる。
俺だって同じ立場だったなら同じ行動に出ただろう。
このまま殺されてやりたい。
なのにその願いは叶わなかった。
目の前で散っていく親友の命に、俺は何もしてやれなかった。
「ハハハハハッ!!」
自分の手が血に塗れるのを見ながら悪魔が嗤う。
心でどれだけ泣き叫ぼうと、悪魔に乗っ取られた俺は無慈悲に笑うのだ。
それが何よりも気が狂いそうなほど苦しかった。
それからどれだけ経っただろう?
やっと俺を殺してくれる男がやってきた。
黒い鎧を身に纏った竜人だ。
(ああ、やっとこの苦しみから解放される…)
彼を前にして、何故だか不思議とそう確信することができた。
きっと彼なら俺の望みを叶えてくれる。
込み上げてくるのはそんな安堵の気持ち。
「竜王陛下。貴方の治世は素晴らしかった」
狂ってしまった貴方を残念に思う────そう言いながら男は涙を流しながら俺の命を刈り取った。
ゆっくりと身体から力が抜けていく。
そして『こんなところで…』と嘆く悪魔の悔しそうな声も聞こえたが、それよりも何よりも心を打ったのは俺を殺した相手のむせび泣く声だった。
(そんなに悲しまなくてもいいのに…)
俺は俺を殺してくれて感謝している。
それを伝えられないのだけが心残りだった。
(ありがとう────)
そう思いながら俺はゆっくりと意識を手放した。
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