【完結】竜王は生まれ変わって恋をする

オレンジペコ

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【本編】

58.※屋敷にて

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イザベラ嬢が去り、暫くしてディオンが馬車へと戻ってきた。
無事に皇太子殿下に伝えることができたらしい。

「引き留められなかった?」
「ラスターが襲われて心配だから先に帰ると正直に伝えたから特に引き留められなかった」

なんだか折角の誕生パーティーなのに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

「ラスター。本当に無事で良かった」

チュッ、チュッと膝に乗せられながら何度もキスが降ってくる。

「王都には数日滞在するけど、早く領地に帰ろう?」

どうやらディオン的には早く帰りたいらしい。
それは別にいいのだけど……。




「ん…ふ……っ」

屋敷に戻り部屋に入るや否やすぐに激しい口づけが降ってきて、早く抱きたいと言われ、言われるがまま扉に手をつくとそのまま後ろを慣らされて『力抜いて?』と甘く囁かれながらバックで貫かれた。

「あっあぁっ!」

服を着たまま立ったままするなんて初めてだ。
いつもはじっくりじっくり時間をかける前戯の後で繋がるけど、今日はとっても性急に繋がったからなんだか勝手が違って興奮する。

「ラスター…」

興奮した時にちょっとだけ掠れる俺が好きなディオンの声。
熱を帯びたその声はすごく気持ち良さそうで、でも我慢しているようにも聞こえて愛おしさが増してしまう。

「んっ、あっ、ディオン…っ」
「ラスター、ラスター!」

徐々に激しく腰を動かして、キスもどんどん激しさが増していく。
抱き締められているから服を着ていても密着度が凄い。
愛されてるって実感できて、なんだか凄く幸福感に包まれてしまった。

「あ…イイッ!気持ちいいっ!ディオン!」
「ん…ラスター、今日も可愛い。もっと感じて?」

嬉しそうに笑い、俺を追い上げるべく抱き締めるのをやめて今度は腰を掴んで激しく打ちつけ始める。

「ひゃうぅっ!アッアッアッ!激しっ、激しいぃっ!」

でも微妙にイイところを外してくるからイくにイけなくて腰をくねらせ涙目で訴えてしまう。

「ディオンッ、ディオンッ、お願いっ、ちゃんとイカせてっ」
「~~~~っ、ラスターッ!」

『折角長く気持ちよくさせようとしてるのに煽らないで』と言われ宥めるようにキスを落とされるけど、つい甘えるように見つめ返してしまった。

「ディオン。焦らされるよりイキっぱなしの方がいい。お願い」

そう言った途端一旦引き抜かれ、グルッと向き合う形に体位を変えられて、強く抱きしめられながら再度奥深くまで突き上げられた。

「あ…ひうぅ…っ」

目の前にチカチカと星が散って、ビクビクと身を震わせる。

「ラスター。覚悟してくれ。簡単に終われそうにないから」

ディオンの目がギラリと光っている気がするけど気のせいだろうか?
別に煽ったつもりもないのに。
でも────。

「ディオンと一緒にいっぱいイキたい」

イけないよりはいっぱいイキたい。それが本心だ。

「~~~~孕ませたい!」

たまらないと言いながらディオンがそう叫ぶけど、男同士だし絶対に無理だと思う。
でもそれくらい想ってくれているということなんだろうな。嬉しい。

「やっ、アッアッ!ディ、ディオンッ!深いぃっ!」
「ラスター。煽った責任はちゃんと取ってもらうから」

そして嬉々としてディオンは俺を貪り始めた。


***


【Side.イザベラ】

パーティー会場で竜王様のツガイを探したけどこれと言って収穫はなかった。
絶対にいると思ったのに。
そう思っていたらディオン様が皇太子殿下の方へ向かう姿が目に留まった。
どうやら竜王様を連れてこのまま帰る様子。
さっき小耳に挟んだところによると、リリアン侯爵令嬢が竜王様を殺そうと企んだらしいし、そのせいかもしれない。
ちょっとだけディオン様を見直した。
これでまだここに留まるようなら思い切り軽蔑していたところだ。

とは言えこのまま領地に帰られてしまうと竜王様との縁が切れてしまいかねない。
そう思ったからお兄様とカルロ様のところに行ってワインの件で竜王様と一緒に協力したいと申し出た。
意見は多くもらえる方がいいはず。
カルロ様も広く売り出せば利益に繋がるだろうし、お兄様としても商会から売り出すことができれば儲かるから文句はないはずだ。

私は笑顔でその話を纏め、弾む足取りで辺境伯家の馬車の方へと向かった。
ディオン様は何やら皇太子殿下と話し込んでいたからまだ時間はあるはず。

(どうせリリアン侯爵令嬢の処罰について相談しているんでしょうけど…良くて謹慎処分じゃないかしら?)

皇太子殿下の招待がないのにパーティーに参加して、元平民を呼び出して殺そうとした。
私からしたら竜王様を殺そうとしたのなら極刑一択だけど、この世界の平民の立場は非常に弱いからきっとそうなるんじゃないかと思う。
たとえ辺境伯家に養子として迎えられたとしても直系でないならよいのではと考える貴族はいるし、多分ヴィクターの今の主人であるフィオナ公爵令嬢が口添えしたらそれくらいの罰で収まってしまうはず。

(困ったものだわ)

そう思いながら辿り着いた辺境伯家の馬車の扉をノックし、中へと話しかけた。

「はい?」
「ラスター様?私、イザベラ=フィックスですわ」
「イザベラ嬢?」

不思議そうな声。
でも扉は開かない。

「その…このままお話ししても?」

警戒されている?

(まあ、あんなことがあったのだし、仕方がないのかしら?竜王様は思慮深いお方ですものね)

「…………まあいいですわ。実は私、お兄様に頼まれまして」
「兄…というとイエガー様でしょうか?」
「ええ。バローナ領のワインの件でご協力いただけるのだとか?ですからラスター様には私と手紙のやり取りをしていただきたいのですわ」
「カルロ様やイエガー様とではなく?」
「はい。カルロ様は女性向けに口当たりの良いワインをと言っていたでしょう?お兄様はそこに目をつけられて私が協力することになったのですわ。無事に完成した暁には我がフィックス家の商会を通して大々的に売り出す予定ですの。ラスター様の意見と私の意見をまとめてカルロ様にお伝えしたいと思っているのですが如何でしょう?」

この方法なら確実に手紙のやり取りができるし、竜王様との縁が切れることはない。
我ながら名案だわ。

「構いませんよ?」
「ありがとうございます。ではまたお手紙をお送りいたしますわね」
「はい。よろしくお願いします」

竜王様からも快い返事が貰えたし、早速お兄様達にもお知らせしに行かなくちゃ。

後は色々口実を作って顔を合わせて、仲良くなったところで前世の話を振ってみましょう。
狂っていた時期の記憶は多分ないだろうから、きっとまた仲良くしてもらえるはずよ。
仲良くなれたら竜王様に近づく人達の中からツガイを見つけやすくなるだろうし、始末もしやすくなるわ。

「帰ったら早速ナイフを買いに行かなくちゃ!」

ルンルンと弾む足取りで、私は機嫌よくパーティー会場で待つお兄様の元へと戻ったのだった。



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