【完結】竜王は生まれ変わって恋をする

オレンジペコ

文字の大きさ
63 / 84
【本編】

59.※来客

しおりを挟む
パーティーの翌日、昼前に俺宛に手紙が届いた。
送り主はイザベラ嬢だ。
王都にいる間に是非一緒にお茶でも飲みながらワインの好みについて語りましょうと書かれてあった。
確かにそれをカルロ様に伝えてもらえると有難いと思って、返事を出すことに。
でも事情を知らないディオンは何故イザベラ嬢が俺に手紙なんて送ってくるのかと訝し気にしていた。

「ラスター。イザベラ嬢はなんと?」
「昨日カルロ様に話していたワインの件で。完成したらイザベラ嬢の実家の商会で売り出したいらしくて、協力することになったんだ」
「……同席しても?」
「別にいいと思うけど?」

もしかして浮気でもすると思われたのかな?
ツガイ以外に惹かれるなんてあり得ないのに。

(可愛い嫉妬だな)

思わずクスリと笑ってしまう。

「ディオン」

仕方がないからクイッと袖を引いて、そっと唇を重ねた。
それを受けてちょっと虚を突かれた顔になったけど、そのまま腕の中へと閉じ込められて、何度も優しく口づけられる。

「ラスター。絶対に余所見しないで」
「大丈夫。俺は前世からずっとディオンだけだから」

ディオンにそう言ったら、ホッと安心したように微笑んだ。


***


【Side.ディオン】

女狐達がラスターを狙ってる。

俺はイザベラ嬢の真意を知りたくてお茶会へと参加したんだが、あろうことか女性を四人も連れてきた。

「彼女達の意見も一緒に聞きたくて連れてきましたの。構いませんか?」
「ええ、勿論。どうぞ」

ラスターは二人きりじゃないから俺の嫉妬は大丈夫だろうと思ったみたいだけど、そういう問題じゃない!

「パーティーではラスター様に好意的でない女性ばかり目に付かれたかもしれませんけれど、彼女達みたいにラスター様と話したくても話せなかった女性達もいますのよ?是非是非交流を深めてくださいませ」

にこやかにイザベラ嬢は言うが、余計なことをするなと言いたくてしょうがない。
ラスターのツガイは俺なのに、何が悲しくて女性達を近づけないといけないのか。
ラスターが靡かないとわかっていても、その微笑みが彼女達に向けられるのが気に入らない。

「ディオン様もラスター様が社交を広げるのは喜ばしいと思われますわよね?」
「……社交は俺が引き受けるから無理はしなくても」
「まあ!そんな狭量なことを言っているとラスター様に呆れられますわよ?男性は懐が深い方が魅力的ですもの」

ウフフと笑うイザベラ嬢が憎い!
こんな言われ方をしたら許さざるを得ないじゃないか。

とは言え最初はイザベラ嬢もラスター狙いかと疑ったものの、どうやらそうとも言い難くて困惑してしまう。
どちらかというとラスターに興味を持ちそうな相手を吟味しているような…そんな印象を受けたからだ。
卆なく話し、ラスターとも親交を深めたい様子は窺えるものの、その意図が全く読めない。
ラスターに頬を染める女性を見ると目がギラつくのは俺も一緒だが、彼女は何を見ているんだろう?

「ラスター様。本日は大変有意義な時間が過ごせましたわ。その…良ければ今度またお話しさせていただいても?」

ポッと頬を染めラスターに見惚れているのは二つ年下の男爵令嬢だ。

「ベリンダ嬢。ラスターは俺の恋人なので二人きりになるのだけはご遠慮くださいね?」

釘だけはガッツリ刺して笑顔で二度と来るなと圧をかける。
そんな俺にイザベラ嬢が『余裕のない男性は嫌われますわよ』と笑い飛ばした。

「ラスター様。本日はとても楽しかったですわ。次はまた別のご令嬢達を連れて参りますし、沢山の意見を取りまとめてカルロ様へご報告いたしましょうね?」
「そうですね。その方がいいかもしれません。今日はありがとうございました」

にこやかに彼女達を送り出すラスター。
そしてその後はお説教タイムだ。

「ディオン?彼女達は意見交換のために来たんだし、あんな風に言っちゃダメだよ?」
「でもラスター。どう見てもあの男爵令嬢はラスターに見惚れてた」
「好意的であったのは否定しないけど、今日会ったばかりなのにそれは穿ち過ぎだと思う」
「ラスターは自分がどれだけ魅力的なのかわかってない!竜王陛下の時だってモテてたし…っ」

彼女達がいる間、いっぱいいっぱい嫉妬した。
それを少しでもわかってもらいたくて必死に言い募る。
そんな俺にこれ以上言わないでとばかりに唇へと指を添えてきて、ゆっくりとその指で唇をなぞられる。

「ん…っ」
「ディオン。嫉妬し過ぎだ」

穏やかに自分が好きなのは俺だけだと目で語ってくれる姿にキュッと心を掴まれて、俺は誘われるようにラスターの手を取り、チロリとその指先を舐めた。

「ラスター…」
「ちょっ?!ディオン…っ」

そのままラスターの反応を見ながらその指を口へと含み、舌を這わせてゆっくりと舐め上げる。

「んっ…や…っ」

最初は人差し指だけだったけど、足りないとばかりに中指も一緒に舐めて、吸ったり舌を絡めたりエロティックに弄んだ。

「ディオ…ンぅ…」
「何?」
「こんなの…っ、知らない…から…っ」

真っ赤になるラスターが可愛い。
自分から俺の唇を塞いできたくせに、こんな可愛い反応を返されるともっと虐めたくなる。

「じゃあ部屋でもっと色々教えてあげる」

そう言って問答無用で抱き上げて、笑顔で部屋へと連れ去った。




「ん…あっ!」

ベッドの上でゆっくりじっくり快楽を引き出し、愛しい人をより敏感に感じるよう育てていく。
指先まで愛し尽くしたい。
愛撫の合間に手を取り指を絡め、その指をチロリと舐めて一本一本優しく舌先でくすぐるように舐めて、もう片方の手で刺激を与えるように乳首をギュッと摘まんで弾いて可愛がると途端に可愛い声がその口からこぼれ落ちた。

「あぅっ…!ひっ、んぅうっ!」
「ラスター。愛してる」
「ディオンッ…」

毎日毎日何度抱いても可愛くて、沢山可愛がりたくなってしまう愛しいツガイ。
一体どこまで愛せば気が済むのか自分でもわからないけど、前世の分も愛が溢れているんだからしょうがない。
きっとこの愛が枯れることなんて一生ないんだろう。

誰にも奪わせない。
独り占めして閉じ込めたい。
でもそれをしてしまうときっとラスターらしさが半減してしまうだろうし、嫌われてしまうかもしれない。
それは嫌だ。
だからそこまでする気はないけど、ただただ俺だけを見つめてほしい。
そう願いながらゆっくりと身体を繋げた。

「アッ…あぁ…ん」

恍惚とした表情で甘い吐息を吐き出すツガイの姿に俺の心が満たされる。
こんな風にラスターを抱けるのは自分だけ。
これだけは今日会った女達にはできないことだ。

「ラスター。今日も俺に溺れて夢中になって」

さて、今日はどんな新しいことを教えてあげようか?
色々教えるって言ってしまったし、ちゃんと教えてあげないと。
そんなことを考えながら、俺はそっと愛しいツガイへと唇を重ねた。



しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

【本編完結済】神子は二度、姿を現す

江多之折(エタノール)
BL
1/7外伝含め完結 ファンタジー世界で成人し、就職しに王城を訪れたところ異世界に転移した少年が転移先の世界で神子となり、壮絶な日々の末、自ら命を絶った前世を思い出した主人公。 死んでも戻りたかった元の世界には戻ることなく異世界で生まれ変わっていた事に絶望したが 神子が亡くなった後に取り残された王子の苦しみを知り、向き合う事を決めた。 戻れなかった事を恨み、死んだことを後悔し、傷付いた王子を助けたいと願う少年の葛藤。 王子様×元神子が転生した侍従の過去の苦しみに向き合い、悩みながら乗り越えるための物語。 ※小説家になろうに掲載していた作品を改修して投稿しています。 描写はキスまでの全年齢BL

【完結】薄幸文官志望は嘘をつく

七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。 忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。 学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。 しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー… 認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。 全17話 2/28 番外編を更新しました

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

貴族軍人と聖夜の再会~ただ君の幸せだけを~

倉くらの
BL
「こんな姿であの人に会えるわけがない…」 大陸を2つに分けた戦争は終結した。 終戦間際に重症を負った軍人のルーカスは心から慕う上官のスノービル少佐と離れ離れになり、帝都の片隅で路上生活を送ることになる。 一方、少佐は屋敷の者の策略によってルーカスが死んだと知らされて…。 互いを思う2人が戦勝パレードが開催された聖夜祭の日に再会を果たす。 純愛のお話です。 主人公は顔の右半分に火傷を負っていて、右手が無いという状態です。 全3話完結。

将軍の宝玉

なか
BL
国内外に怖れられる将軍が、いよいよ結婚するらしい。 強面の不器用将軍と箱入り息子の結婚生活のはじまり。 一部修正再アップになります

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです ※Rシーンを追加した加筆修正版をムーンライトノベルズに掲載しています。

【8話完結】ざまぁされて廃嫡されたバカ王子とは俺のことです。

キノア9g
BL
王位継承権を剥奪され、婚約者にも婚約破棄された元王子カイル。 ショックで前世の記憶を思い出した彼は、平民として新たな人生を歩む決意をする。 心配して訪ねてきた旧友レオナードと深い絆が育まれ、カイルは自分の心に素直になる。 過去を乗り越え、共に歩む未来が描かれる物語。 全8話。

処理中です...