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2.事情聴取と魔素摂取障害
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逆召喚されてきた男を一先ず別室へと連れて行き、色々と話を聞き出すことになった。
もう帰れないと知った男は愕然とした後に、自分の身の安全とそれなりの待遇を保証してもらえるのなら話してもいいといい、聴取へと応じた。
男の名はロードクルス=バド=スルーダといい、こことは違う異世界にあるスルーダ国の第一王子とのことだった。
年は18才。俺はあと数日で17才になるから一つ年上だ。
魔術学校を卒業し成人もした為、今回初めて召喚の儀に携わったのだそうだ。
「向こうでは異世界召喚は年に一度の一大イベントで、国をより良くする者が必ず召喚されることから嬉々として執り行われていた」
「……召喚された者達はその後どうなった?」
「もちろん丁重にもてなし、国のために貢献してもらえるのならしっかりと暮らしていくのに十分な保証はしていた」
「帰りたいと言う者もいただろう?」
「もちろんいた」
「そういった者達は?」
「帰る手段はないと言ったら、大抵『自分でその手段を探しに行く』と言って城から去っていったな。それもまた仕方のないことだ。彼らの自由意思は尊重していたぞ?」
「…………」
全く救いようのない話を聞かされて、俺達はただただ意気消沈するばかり。
何とかそんな彼らをこちらに呼び戻してやれたらいいのに。
「仕方がない。俺が一肌脱ぐか」
帰る手段を何としてでも作り出して見せる。
そう決意した俺に何故か男が期待の眼差しを向けてくる。
「帰してもらえるのか?!」
「知るか!それに帰還魔法を考えるのはお前のためじゃない。こっちから連れ去られた者達のためだ」
取り敢えずこうしてはいられない。
俺は早々にその場を離れて、研究室へと戻ることにした。
どうせこの後は男の健康観察だとか魔力値測定だとかそういったものが行われるだけだ。
俺が居なくても問題はないだろう。
そう思ったのに、二日後の今、俺は非常に困惑していた。
「ルルナス王子!どうかお助けください!」
ロードクルスという王子の世話役に抜擢された者が俺の元へと焦ったように駆け込んできたからだ。
曰く、本日の昼間、かの王子が突然腕の痺れを訴えたのだとか。
それで『毒を盛られた!』と大騒ぎになって、急いで医師に診せたところ、なんと毒ではなく【魔素摂取障害】と判断されたらしい。
魔素摂取障害とは言葉通り空気中の魔素を上手く取り入れられなくなるもので、それにより体内の魔力が著しく減少して全身に循環させる魔力が足りなくなり、思うように動けなくなる病気だ。
治療法としては、患者の魔力型、つまり融和性の高い魔法適正、第一魔法と第二魔法が一致している者が直接魔力を送り込むというのが最も適した方法だと言われている。
魔力を補給すると共に、それを媒介にして徐々に自力で魔力の摂取ができるようになっていくからだ。
魔力を送り込む方法は第一に輸血。
これが一番手っ取り早く、且つ完治するのも早いと言われている。
一定量を何度かに分けて体内に取り込ませることで身体がそれの影響を受けて魔素を取り込めるようになっていくというもの。
完治目安は半年ほど。
その方法以外だと後はキスなどの性的触れ合いなどの方法もある。
これは何かしらの理由(適応する血が確保できないなど)で輸血手段が取れない場合に少しずつ魔力を馴染ませて長期的に治していく方法だが、時間がかかるという理由からほとんど使われていない。
そもそも恋人同士でもない限り、できるだけ避けたい手法と言えるだろう。
ヤッたらヤッただけ早く治ると言われているが、それでも完治には一年以上かかるとも言われている。
今回の場合などは輸血で十分対処はできるはずなのに、何故彼はこんなに焦っているんだろう?
もしかして相手が異世界人だから適合する血がありませんとかだろうか?
そう考えて尋ねてみると、魔力型が適合する相手がそもそも稀有なのだと言われた。
「そんなに珍しい魔力型だったのか?」
「はい。第一魔法が光魔法で、第二魔法がまさかの闇魔法だったのです!」
それを聞き、俺は目を丸くして驚いた。
通常第一魔法が光なら第二魔法は水や地、火のことが多いのに、まさかの闇とは…。
「現在第一魔法が光で第二魔法が闇と国が把握している者はルルナス王子だけなのです!どうぞお助けください!」
確かにそんな珍しい魔力型だったなら俺が行くしかないだろう。
俺と同じ魔力型だった祖母はもう二年ほど前に亡くなってしまっているし、後は他国に数人いるくらいだったはず。
しょうがないなと思い、俺は二日ぶりにロードクルスの元へと足を向けた。
「具合はどうだ?」
その場に待機していた医師に尋ねると、まだ初期の段階だから大事には至らないと言ってもらえた。
「そうか。なら早いうちに輸血用に血を抜くか」
こうなったら一肌脱ぐしかないかと献血に協力しようと腕を捲る。
だがそれは当の本人に止められた。
「血を…抜く、だと?」
「ああ。お前の魔素摂取障害を治すために必要だからな」
「断る!」
「は?」
「状況的に、その血を俺へ入れる気だろう?そんな野蛮な行為、絶対にお断りだ!」
「そうは言っても、このままだと魔力が回らなくなって死ぬかもしれないんだぞ?」
「それでも絶対に嫌だ!俺の血は王家の血。何物にも侵されたくはない!」
「俺も王家の血なんだが?」
「世界が違うだろう?!ふざけるな、異世界人め!」
プッチーン…。
(何コイツ。ホント腹立つな)
あまりにも腹が立ったせいで、俺は思わず男の胸倉を掴み上げ、問答無用でその唇を塞いで舌をねじ込んでやっていた。
もう帰れないと知った男は愕然とした後に、自分の身の安全とそれなりの待遇を保証してもらえるのなら話してもいいといい、聴取へと応じた。
男の名はロードクルス=バド=スルーダといい、こことは違う異世界にあるスルーダ国の第一王子とのことだった。
年は18才。俺はあと数日で17才になるから一つ年上だ。
魔術学校を卒業し成人もした為、今回初めて召喚の儀に携わったのだそうだ。
「向こうでは異世界召喚は年に一度の一大イベントで、国をより良くする者が必ず召喚されることから嬉々として執り行われていた」
「……召喚された者達はその後どうなった?」
「もちろん丁重にもてなし、国のために貢献してもらえるのならしっかりと暮らしていくのに十分な保証はしていた」
「帰りたいと言う者もいただろう?」
「もちろんいた」
「そういった者達は?」
「帰る手段はないと言ったら、大抵『自分でその手段を探しに行く』と言って城から去っていったな。それもまた仕方のないことだ。彼らの自由意思は尊重していたぞ?」
「…………」
全く救いようのない話を聞かされて、俺達はただただ意気消沈するばかり。
何とかそんな彼らをこちらに呼び戻してやれたらいいのに。
「仕方がない。俺が一肌脱ぐか」
帰る手段を何としてでも作り出して見せる。
そう決意した俺に何故か男が期待の眼差しを向けてくる。
「帰してもらえるのか?!」
「知るか!それに帰還魔法を考えるのはお前のためじゃない。こっちから連れ去られた者達のためだ」
取り敢えずこうしてはいられない。
俺は早々にその場を離れて、研究室へと戻ることにした。
どうせこの後は男の健康観察だとか魔力値測定だとかそういったものが行われるだけだ。
俺が居なくても問題はないだろう。
そう思ったのに、二日後の今、俺は非常に困惑していた。
「ルルナス王子!どうかお助けください!」
ロードクルスという王子の世話役に抜擢された者が俺の元へと焦ったように駆け込んできたからだ。
曰く、本日の昼間、かの王子が突然腕の痺れを訴えたのだとか。
それで『毒を盛られた!』と大騒ぎになって、急いで医師に診せたところ、なんと毒ではなく【魔素摂取障害】と判断されたらしい。
魔素摂取障害とは言葉通り空気中の魔素を上手く取り入れられなくなるもので、それにより体内の魔力が著しく減少して全身に循環させる魔力が足りなくなり、思うように動けなくなる病気だ。
治療法としては、患者の魔力型、つまり融和性の高い魔法適正、第一魔法と第二魔法が一致している者が直接魔力を送り込むというのが最も適した方法だと言われている。
魔力を補給すると共に、それを媒介にして徐々に自力で魔力の摂取ができるようになっていくからだ。
魔力を送り込む方法は第一に輸血。
これが一番手っ取り早く、且つ完治するのも早いと言われている。
一定量を何度かに分けて体内に取り込ませることで身体がそれの影響を受けて魔素を取り込めるようになっていくというもの。
完治目安は半年ほど。
その方法以外だと後はキスなどの性的触れ合いなどの方法もある。
これは何かしらの理由(適応する血が確保できないなど)で輸血手段が取れない場合に少しずつ魔力を馴染ませて長期的に治していく方法だが、時間がかかるという理由からほとんど使われていない。
そもそも恋人同士でもない限り、できるだけ避けたい手法と言えるだろう。
ヤッたらヤッただけ早く治ると言われているが、それでも完治には一年以上かかるとも言われている。
今回の場合などは輸血で十分対処はできるはずなのに、何故彼はこんなに焦っているんだろう?
もしかして相手が異世界人だから適合する血がありませんとかだろうか?
そう考えて尋ねてみると、魔力型が適合する相手がそもそも稀有なのだと言われた。
「そんなに珍しい魔力型だったのか?」
「はい。第一魔法が光魔法で、第二魔法がまさかの闇魔法だったのです!」
それを聞き、俺は目を丸くして驚いた。
通常第一魔法が光なら第二魔法は水や地、火のことが多いのに、まさかの闇とは…。
「現在第一魔法が光で第二魔法が闇と国が把握している者はルルナス王子だけなのです!どうぞお助けください!」
確かにそんな珍しい魔力型だったなら俺が行くしかないだろう。
俺と同じ魔力型だった祖母はもう二年ほど前に亡くなってしまっているし、後は他国に数人いるくらいだったはず。
しょうがないなと思い、俺は二日ぶりにロードクルスの元へと足を向けた。
「具合はどうだ?」
その場に待機していた医師に尋ねると、まだ初期の段階だから大事には至らないと言ってもらえた。
「そうか。なら早いうちに輸血用に血を抜くか」
こうなったら一肌脱ぐしかないかと献血に協力しようと腕を捲る。
だがそれは当の本人に止められた。
「血を…抜く、だと?」
「ああ。お前の魔素摂取障害を治すために必要だからな」
「断る!」
「は?」
「状況的に、その血を俺へ入れる気だろう?そんな野蛮な行為、絶対にお断りだ!」
「そうは言っても、このままだと魔力が回らなくなって死ぬかもしれないんだぞ?」
「それでも絶対に嫌だ!俺の血は王家の血。何物にも侵されたくはない!」
「俺も王家の血なんだが?」
「世界が違うだろう?!ふざけるな、異世界人め!」
プッチーン…。
(何コイツ。ホント腹立つな)
あまりにも腹が立ったせいで、俺は思わず男の胸倉を掴み上げ、問答無用でその唇を塞いで舌をねじ込んでやっていた。
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