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3.医療行為①
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俺に突然キスされた状態になり、ロードクルスは一瞬呆けた後で必死に押しのけようとしてきた。
まあ当然だろう。
俺だって嫌だ。こんな奴。
俺の好みは愛くるしい弟系男子なんだから。
念のため言うが、ショタじゃないぞ。
可愛いのが好きなだけだ。
「はぁ…っ」
クチュクチュと口内を犯しながら魔力を乗せた唾液を流し込み、飲めとばかりに深く口づけるとやがてコクリと飲み込んだ。
これで暫くは大丈夫だろう。
「はぁっ、はぁっ…」
キスから解放してやったところでギッと俺を睨み必死に息を整えにかかるロードクルス。
そして案の定、怒りも露わに怒鳴りつけてくる。
「貴様!何をする?!」
「何って治療だよ」
「治療?!」
「そうだ。実際楽になっただろう?さっき言っていた輸血以外の治療法はキスとかセックスになるわけ。それが嫌なら大人しく輸血されとけ」
淡々とそう言い放つ俺にやっと意図を察したのか、ロードクルスは目を見開いて固まっている。
まあある種ロードクルスからしたら究極の選択かもしれないな。
高貴な血を汚すか、好きでもなんでもない相手と性的に触れ合わなければならないかのどちらかなんだから。
そして俺は追い打ちをかけるように脅してやった。
「お前は大嫌いな俺とキスやセックスをするか、大人しくその血に俺の血を混ぜるか選択するしかないんだよ」
ここまで言われたら流石に大人しく輸血される方を選ぶだろう。
誰だって好きでもない奴と長々触れ合いたいなんて思わないだろうし。
そう思っていたのに、暫く打ちひしがれたように悩んでいたこいつは思いもよらないことを口にした。
「…………背に腹は代えられない。血を汚されるくらいなら、俺はキスされる方を選ぶ!」
「……はぁ?」
本気かコイツと思いつつ、聞き間違いであるよう願いながらジロジロとロードクルスの顔を見遣る。
「今、あり得ない言葉が聞こえた気がするんだが?」
「はッ!嫌そうだな?俺だって嫌だ!でもな、血が汚されたらお前の思う壺だろう?どうせ嫌な思いをするのなら、お前も嫌な思いをすればいい!」
どうやら俺への嫌がらせも兼ねていたらしい。
なんて奴だ!
「お前、ふざけるなよ?!」
「ふざけてはいない!大体俺の好みは大人の女性なんだぞ?!そんな俺に全く好みでないお前と触れ合えなんてよくもそんなことが言えたな?!」
「俺だって好みは年下の可愛い系の男だ!ふざけるな!つべこべ言わずに輸血されろ!」
「可愛い系の年下の男が好き?ハハッ!それは残念だったな。ざまあみろ!」
誰が輸血なんてされてやるかと言い放つロードクルス。
(本気で腹立つ!!)
当然だが俺達はフンッ!と顔を背け合う結果に。
そして俺はそのままその部屋から出ていく。
もうこんな奴、知るものかと。
向こうだって俺を嫌っているのだ。
今更仲良くする気なんてお互いにない。
呼び出された時にキスをしてやれば十分だろう。
そう思った。
***
「…………で?」
「…………」
ロードクルスがここへ来て一週間が経った。
その間呼び出されたのはこれで何度目だろう?
やれ、食事の際に生活魔法を使おうとして具合が悪くなっただの、剣で負けそうになったから咄嗟に魔法を使おうとしてぶっ倒れただの。
いい加減腹が立つほど呼び出されているんだが?
お陰で向こうの世界から帰還させるための魔法の研究がちっとも進まない。
なんで顔を合わせたくもないのに毎日毎日呼び出されないといけないんだ?
向こうもバツが悪そうに黙るし。
まあ今の場合本当にバツが悪いのは悪いと思う。
だってほんの三時間前に呼び出されてキスによる処置をしてやったばかりだからな。
「ったく、本当にいい加減にしろよ?!」
そう言いながら胸倉を掴み上げ、そのまま唇を塞いで魔力の籠った唾液を送り込んでやる。
「んっんぅっ…」
回を重ねるごとに段々慣れてきたのか、今ではこれくらいは素直に受け入れてくるが、こっちの気持ちも少しは考えてほしい。
そう思って、キスを終えた後に俺はもう一度輸血の手段を選べと言ってやることに。
「お前な。毎日毎日ぶっ倒れるくらいならさっさと輸血に切り替えろ!その方が大嫌いな俺とキスしなくて済むんだぞ?わかってるか?」
「嫌だ」
「はぁ?!」
「俺は自分の血を誇りに思っている。だからその手段だけは絶対に選ばない!」
キッと真っ直ぐにそう言ってくる姿はご立派だが、ベッドの上でそんなことを言っても全くカッコよくもなんともないからな?
「大体、お前への嫌がらせだと言っただろう?これ以上嫌がらせをされたくなければさっさと俺を元の世界に帰す魔法を考えろ!」
「お前…どこのどいつが邪魔してると思ってるんだ?!お前だ、お前!!ふざけるなよ?!」
ギャアギャアと言い合う俺達を最早慣れっこだとばかりに周囲がため息交じりに見守っている。
でも本当にこれ以上こいつに時間を取られたくはないし、俺はそこでいいことを考え付いた。
「ロードクルス」
「なんだ?」
「いいか、よく聞け」
「?」
「俺はいい加減我慢の限界だ」
「だから?」
「だから…今度呼び出されたら俺はキスじゃなくフェラをお前に要求する!」
「なっ…?!」
「お前への治療は、要するに魔力の乗った体液なら何でもいいんだ。つまり必ずしもキスである必要はない。ふっ。嫌だろう?嫌だよな?」
「…………」
「わかったら輸血を受け入れろ。それかぶっ倒れないよう、できる限り大人しくしておけ!わかったな!」
その言葉に顔色を変え言葉をなくすロードクルス。
よしよし。これで暫くは大人しくしているだろう。
そして本当にそれから五日ほど、全く呼び出されることなく日々が過ぎていった。
どうやら本当に大人しくしているらしい。
そりゃそうだ。
ノーマルな年上女性好きの男が自分より年下の男になんて死んでもフェラをしたくなんてないだろう。
魔法の研究も順調にできているし、いいこと尽くしだ。
そんな風に気分よく過ごしていたら、まさかまさかで医者から呼び出しを受けた。
まあ当然だろう。
俺だって嫌だ。こんな奴。
俺の好みは愛くるしい弟系男子なんだから。
念のため言うが、ショタじゃないぞ。
可愛いのが好きなだけだ。
「はぁ…っ」
クチュクチュと口内を犯しながら魔力を乗せた唾液を流し込み、飲めとばかりに深く口づけるとやがてコクリと飲み込んだ。
これで暫くは大丈夫だろう。
「はぁっ、はぁっ…」
キスから解放してやったところでギッと俺を睨み必死に息を整えにかかるロードクルス。
そして案の定、怒りも露わに怒鳴りつけてくる。
「貴様!何をする?!」
「何って治療だよ」
「治療?!」
「そうだ。実際楽になっただろう?さっき言っていた輸血以外の治療法はキスとかセックスになるわけ。それが嫌なら大人しく輸血されとけ」
淡々とそう言い放つ俺にやっと意図を察したのか、ロードクルスは目を見開いて固まっている。
まあある種ロードクルスからしたら究極の選択かもしれないな。
高貴な血を汚すか、好きでもなんでもない相手と性的に触れ合わなければならないかのどちらかなんだから。
そして俺は追い打ちをかけるように脅してやった。
「お前は大嫌いな俺とキスやセックスをするか、大人しくその血に俺の血を混ぜるか選択するしかないんだよ」
ここまで言われたら流石に大人しく輸血される方を選ぶだろう。
誰だって好きでもない奴と長々触れ合いたいなんて思わないだろうし。
そう思っていたのに、暫く打ちひしがれたように悩んでいたこいつは思いもよらないことを口にした。
「…………背に腹は代えられない。血を汚されるくらいなら、俺はキスされる方を選ぶ!」
「……はぁ?」
本気かコイツと思いつつ、聞き間違いであるよう願いながらジロジロとロードクルスの顔を見遣る。
「今、あり得ない言葉が聞こえた気がするんだが?」
「はッ!嫌そうだな?俺だって嫌だ!でもな、血が汚されたらお前の思う壺だろう?どうせ嫌な思いをするのなら、お前も嫌な思いをすればいい!」
どうやら俺への嫌がらせも兼ねていたらしい。
なんて奴だ!
「お前、ふざけるなよ?!」
「ふざけてはいない!大体俺の好みは大人の女性なんだぞ?!そんな俺に全く好みでないお前と触れ合えなんてよくもそんなことが言えたな?!」
「俺だって好みは年下の可愛い系の男だ!ふざけるな!つべこべ言わずに輸血されろ!」
「可愛い系の年下の男が好き?ハハッ!それは残念だったな。ざまあみろ!」
誰が輸血なんてされてやるかと言い放つロードクルス。
(本気で腹立つ!!)
当然だが俺達はフンッ!と顔を背け合う結果に。
そして俺はそのままその部屋から出ていく。
もうこんな奴、知るものかと。
向こうだって俺を嫌っているのだ。
今更仲良くする気なんてお互いにない。
呼び出された時にキスをしてやれば十分だろう。
そう思った。
***
「…………で?」
「…………」
ロードクルスがここへ来て一週間が経った。
その間呼び出されたのはこれで何度目だろう?
やれ、食事の際に生活魔法を使おうとして具合が悪くなっただの、剣で負けそうになったから咄嗟に魔法を使おうとしてぶっ倒れただの。
いい加減腹が立つほど呼び出されているんだが?
お陰で向こうの世界から帰還させるための魔法の研究がちっとも進まない。
なんで顔を合わせたくもないのに毎日毎日呼び出されないといけないんだ?
向こうもバツが悪そうに黙るし。
まあ今の場合本当にバツが悪いのは悪いと思う。
だってほんの三時間前に呼び出されてキスによる処置をしてやったばかりだからな。
「ったく、本当にいい加減にしろよ?!」
そう言いながら胸倉を掴み上げ、そのまま唇を塞いで魔力の籠った唾液を送り込んでやる。
「んっんぅっ…」
回を重ねるごとに段々慣れてきたのか、今ではこれくらいは素直に受け入れてくるが、こっちの気持ちも少しは考えてほしい。
そう思って、キスを終えた後に俺はもう一度輸血の手段を選べと言ってやることに。
「お前な。毎日毎日ぶっ倒れるくらいならさっさと輸血に切り替えろ!その方が大嫌いな俺とキスしなくて済むんだぞ?わかってるか?」
「嫌だ」
「はぁ?!」
「俺は自分の血を誇りに思っている。だからその手段だけは絶対に選ばない!」
キッと真っ直ぐにそう言ってくる姿はご立派だが、ベッドの上でそんなことを言っても全くカッコよくもなんともないからな?
「大体、お前への嫌がらせだと言っただろう?これ以上嫌がらせをされたくなければさっさと俺を元の世界に帰す魔法を考えろ!」
「お前…どこのどいつが邪魔してると思ってるんだ?!お前だ、お前!!ふざけるなよ?!」
ギャアギャアと言い合う俺達を最早慣れっこだとばかりに周囲がため息交じりに見守っている。
でも本当にこれ以上こいつに時間を取られたくはないし、俺はそこでいいことを考え付いた。
「ロードクルス」
「なんだ?」
「いいか、よく聞け」
「?」
「俺はいい加減我慢の限界だ」
「だから?」
「だから…今度呼び出されたら俺はキスじゃなくフェラをお前に要求する!」
「なっ…?!」
「お前への治療は、要するに魔力の乗った体液なら何でもいいんだ。つまり必ずしもキスである必要はない。ふっ。嫌だろう?嫌だよな?」
「…………」
「わかったら輸血を受け入れろ。それかぶっ倒れないよう、できる限り大人しくしておけ!わかったな!」
その言葉に顔色を変え言葉をなくすロードクルス。
よしよし。これで暫くは大人しくしているだろう。
そして本当にそれから五日ほど、全く呼び出されることなく日々が過ぎていった。
どうやら本当に大人しくしているらしい。
そりゃそうだ。
ノーマルな年上女性好きの男が自分より年下の男になんて死んでもフェラをしたくなんてないだろう。
魔法の研究も順調にできているし、いいこと尽くしだ。
そんな風に気分よく過ごしていたら、まさかまさかで医者から呼び出しを受けた。
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