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第四章 パーティーを組もう
4-12 ダンジョン7~9階層攻略
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魔石とドロップアイテムで300Gほど稼げた。
まずまずの成果だな。
「とりあえず1杯やるか」
俺はフードコートに行き、ビールと串焼きを頼んだ。
串焼きの肉をちびちびとかじりながら、ビールを飲む。
なんか、最近こういうのが楽しくなってきた。
「おつかれさま」
背後からの声に振り返ると、ジョッキを持ったデルフィがいた。
「あ、うん、おつかれさま」
飲みさしのビールを掲げると、彼女はそこに自分のジョッキをコツンと当てながら、俺の向かいに回り込んで座った。
「あの、どこまでいけた?」
「5階層の規制解除までね。明日は朝から2回目のアタックをするつもり。この調子だと明日中に10階層まで行けるんじゃないかしら?」
「おおー、早いね!」
つまり俺が1日半かけて進んだところを、半日で踏破したってことだよな。
見たところ、多少疲れてはいるようだけど、無理してるってふうではない。
「森で弓が使えるならエルフに怖いものはないわね」
と自慢気に胸を張るデルフィ。
「ショウスケは?」
「俺? 俺は7階層の規制解除して、今から2回目のアタックだよ」
「ふーん? じゃあそっちも明日中に10階層までいけるんじゃない?」
「あ、うん。俺のほうは余裕だと思う」
明日は魔石やドロップアイテム集めつつ、9階層の規制解除を目指すつもりだったんだが、攻略速度を優先したほうがいいかもしれない。
じゃないと、デルフィに追い抜かれそうだ。
いや、まぁ追い抜かれたところで問題があるってわけじゃないんだけどさ。
「ねぇ、晩ごはんは食べた?」
「あー、串焼きちょこっとつまんだくらいだけど」
「じゃあ、ちょっと食べてよ」
そう言ってデルフィは、ビールと一緒に持ってきた木皿を俺の前にすっと出した。
そこには串焼きやソーセージなんかが、こんもりと盛られていた。
「あの、来たときから気になってたけど、めっちゃ多くない?」
もしかして、ここで俺と一緒に食べるため、多めに買ってきたとか?
だとしたらすっげー嬉しい。
「私としては半分くらいのつもりだったんだけど、いろいろおまけしてくれたのよ」
あ、さいですか。
美人はお得でやんすね。
「私ひとりじゃちょっと多いから、食べてくれると嬉しいんだけど」
「じゃあ、遠慮なく」
そこからは、ダンジョンの感想なんかを言い合いながら、結構楽しい時間を過ごすことができた。
夜は昨日と同じ宿へ。
デルフィも同じ宿だが、ちょっと割高になる女性冒険者専用フロアというところに部屋を取った。
**********
「じゃ、お先に」
翌日、朝食を一緒に摂ったあと、先に手続きを終えたデルフィは、さっさとダンジョン入口に向かった。
気合い入ってるねぇ。
「なんでぇ、今日も別行動かい」
受付は昨日と同じおっさんだった。
「ええ、まぁ」
「お前さんもだが、あの嬢ちゃんもすげー勢いで攻略してんなぁ」
「俺の場合は師匠からの課題といいますか、そんな感じで」
「へええ。どういう課題なんだい?」
「ソロで10階層制覇ですね」
「おお、そりゃすげぇや! ソロで10階層制覇なんて、ここ半年くらいなかったなぁ」
「へええ、そうなんですね」
「おう。まぁお前さんらは問題なさそうだが、無理はするなよ」
「はい」
この日のダンジョン探索も、特筆すべきことはなにもなかった。
順調に7→8階層を攻略していったん戻り、規制を解除して8→9階層を攻略。
同じ森林ゾーンのため、多少出現モンスターの強さが変わるくらいじゃあ、とくに苦労することもない。
出現モンスターが強くなればそのぶん獲得できる経験値も増えるようで、1階層につき1~2くらいレベルアップしている状況だ。
なので、階層が進んでも彼我の相対的な戦力差はさほど変わらず、結局のところ浅階層のころと戦闘における難易度は維持されてるって感じかな。
階層が深くなるにつれ森も深くなっていくので、単純に移動で苦労することは多くなったから、そこはちょっとだけしんどくなったかも。
普通なら森が深くなるぶん、死角からの不意打ちなんかが増えそうなもんだけど、俺には〈気配察知〉と〈魔力感知〉、それに〈気配隠匿〉があり、それも環境が過酷になれば、そのぶんスキルレベルが上がっていっているので、ホント戦闘面では苦労がない。
手に入る魔石の大きさもそこそこのものになっていて、7→8、8→9とのべ4階層を、スピード重視で攻略したにもかかわらず20kgを超えてた。
いったんドロップアイテムも含めて換金したところ、なんと400G近く稼げたよ。
まだ昼前なので、半日で400Gとなると、もう少し深く潜れば1日1,000G……。
「ふふ、日当10万円も夢じゃないな」
とはいえ俺みたいにソロで活動する者は少ないので、4人以上のパーティーで10階層辺りを探索するなら、ソロで薬草採取やったほうが儲かるかもね。
まずまずの成果だな。
「とりあえず1杯やるか」
俺はフードコートに行き、ビールと串焼きを頼んだ。
串焼きの肉をちびちびとかじりながら、ビールを飲む。
なんか、最近こういうのが楽しくなってきた。
「おつかれさま」
背後からの声に振り返ると、ジョッキを持ったデルフィがいた。
「あ、うん、おつかれさま」
飲みさしのビールを掲げると、彼女はそこに自分のジョッキをコツンと当てながら、俺の向かいに回り込んで座った。
「あの、どこまでいけた?」
「5階層の規制解除までね。明日は朝から2回目のアタックをするつもり。この調子だと明日中に10階層まで行けるんじゃないかしら?」
「おおー、早いね!」
つまり俺が1日半かけて進んだところを、半日で踏破したってことだよな。
見たところ、多少疲れてはいるようだけど、無理してるってふうではない。
「森で弓が使えるならエルフに怖いものはないわね」
と自慢気に胸を張るデルフィ。
「ショウスケは?」
「俺? 俺は7階層の規制解除して、今から2回目のアタックだよ」
「ふーん? じゃあそっちも明日中に10階層までいけるんじゃない?」
「あ、うん。俺のほうは余裕だと思う」
明日は魔石やドロップアイテム集めつつ、9階層の規制解除を目指すつもりだったんだが、攻略速度を優先したほうがいいかもしれない。
じゃないと、デルフィに追い抜かれそうだ。
いや、まぁ追い抜かれたところで問題があるってわけじゃないんだけどさ。
「ねぇ、晩ごはんは食べた?」
「あー、串焼きちょこっとつまんだくらいだけど」
「じゃあ、ちょっと食べてよ」
そう言ってデルフィは、ビールと一緒に持ってきた木皿を俺の前にすっと出した。
そこには串焼きやソーセージなんかが、こんもりと盛られていた。
「あの、来たときから気になってたけど、めっちゃ多くない?」
もしかして、ここで俺と一緒に食べるため、多めに買ってきたとか?
だとしたらすっげー嬉しい。
「私としては半分くらいのつもりだったんだけど、いろいろおまけしてくれたのよ」
あ、さいですか。
美人はお得でやんすね。
「私ひとりじゃちょっと多いから、食べてくれると嬉しいんだけど」
「じゃあ、遠慮なく」
そこからは、ダンジョンの感想なんかを言い合いながら、結構楽しい時間を過ごすことができた。
夜は昨日と同じ宿へ。
デルフィも同じ宿だが、ちょっと割高になる女性冒険者専用フロアというところに部屋を取った。
**********
「じゃ、お先に」
翌日、朝食を一緒に摂ったあと、先に手続きを終えたデルフィは、さっさとダンジョン入口に向かった。
気合い入ってるねぇ。
「なんでぇ、今日も別行動かい」
受付は昨日と同じおっさんだった。
「ええ、まぁ」
「お前さんもだが、あの嬢ちゃんもすげー勢いで攻略してんなぁ」
「俺の場合は師匠からの課題といいますか、そんな感じで」
「へええ。どういう課題なんだい?」
「ソロで10階層制覇ですね」
「おお、そりゃすげぇや! ソロで10階層制覇なんて、ここ半年くらいなかったなぁ」
「へええ、そうなんですね」
「おう。まぁお前さんらは問題なさそうだが、無理はするなよ」
「はい」
この日のダンジョン探索も、特筆すべきことはなにもなかった。
順調に7→8階層を攻略していったん戻り、規制を解除して8→9階層を攻略。
同じ森林ゾーンのため、多少出現モンスターの強さが変わるくらいじゃあ、とくに苦労することもない。
出現モンスターが強くなればそのぶん獲得できる経験値も増えるようで、1階層につき1~2くらいレベルアップしている状況だ。
なので、階層が進んでも彼我の相対的な戦力差はさほど変わらず、結局のところ浅階層のころと戦闘における難易度は維持されてるって感じかな。
階層が深くなるにつれ森も深くなっていくので、単純に移動で苦労することは多くなったから、そこはちょっとだけしんどくなったかも。
普通なら森が深くなるぶん、死角からの不意打ちなんかが増えそうなもんだけど、俺には〈気配察知〉と〈魔力感知〉、それに〈気配隠匿〉があり、それも環境が過酷になれば、そのぶんスキルレベルが上がっていっているので、ホント戦闘面では苦労がない。
手に入る魔石の大きさもそこそこのものになっていて、7→8、8→9とのべ4階層を、スピード重視で攻略したにもかかわらず20kgを超えてた。
いったんドロップアイテムも含めて換金したところ、なんと400G近く稼げたよ。
まだ昼前なので、半日で400Gとなると、もう少し深く潜れば1日1,000G……。
「ふふ、日当10万円も夢じゃないな」
とはいえ俺みたいにソロで活動する者は少ないので、4人以上のパーティーで10階層辺りを探索するなら、ソロで薬草採取やったほうが儲かるかもね。
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