かみさまの落とし子 ~女神様は喪女撲滅活動をはじめました~

高梨

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序章

テンプレのはじまり?

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 はじめまして。
 初心者です。
 よくわからないままはじめてしまいました。

 ご指摘などあればお教えいただけると有り難いです。

 よろしくお願いします。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・



  ……神さまは無情だった。

 いや、情はあった。
 ありすぎるほどあった。

 ただそれが、そのときの私には無情に感じた。


 はじめて見る神さまはあまりに美しすぎて、当然ながら非人間的だったし。

 きれいすぎるとアンドロイドみたい。
 もしくはCGのキャラクターみたい。

 だからどれだけ目の前の神さまが、やけに人間的な愚痴を交えながら話をしていても、私はどこかぼんやりとそう思っていた。

 美人は得だって思っていたけど、あんまりきれいだと冷たいって言うより、ちょっとこわい。

 話を耳にしながら頷きもしない私に、神さまはため息をついた。
 当然、そんな仕草ももったいないくらい美しかった。


「橋爪 美香」

 名前を呼ばれても、現実感がない。

 すっごいきれいなCGキャラクターに呼びかけられて、あっさり現実だと思えるほど、二次元に生きてない。

 ましてや、それがリアル神さま。


「美香、それはもういいです」

 美しい神さまは、どことなくデキル女の匂いがした。

 クールな仕事のできる美人。
 私には引き合いに出せるのが、会社の先輩くらいしかいないが。
 
 先輩はきれいなのにちょっと抜けていて、そこがかわいいひとである。
 どうも学生時代は部活に打ち込み、女らしさを考えない生活を送っていたらしく、女らしいいやらしさを感じさせない男前な性格をしている。

 しかし、だからこそ心は乙女。清らかなかわいらしいひとである。
 そんな先輩に落ちない男はバカである。
 つまり、先輩は即売れた。

 取引先の男性社員とお付き合い後結婚。
 先輩がかわいらしくお付き合いをしているひとがいると告げた瞬間、会社中に激震が走った。ここ、誇張ではない。

 男どもは嘆き、既婚者は祝福し、女たちも大わらわ。
 後輩など露骨に喜んでいた。これで社内の先輩狙いの男もイケる、と。

 私はただ喜んだ。でも、ちょっと相手の男を呪いたくなった。

 だって、天然記念物並みに貴重な心は乙女の美人を手にいれて、私たちから奪っていくのだ。
 会社での私の潤い。話しているだけでほほえましい先輩を。
 ちょっと相手を呪いたくもなる。

 ただ、先輩は稀な乙女心を持つ美人というだけでなく、仕事もできる有能な女。
 寿退社などせず、今でもバリバリ働いている。


「いい加減、わたくしの話に集中なさい」

 神さまの忠告に、やっと私は意識を戻した。
 今は目の前の美人に集中しなければ……。


「よろしい。
 では橋爪美香。あなたには新たに生きなおしてもらいます」


 ――?


「いわゆる、転生ですわね」


 ファっ!?


「わたくしの加護している他の世界で生まれ変わるのです」


 て、テンプレきたー⁉


「てんぷれ、ですわね。
 つまりあなたは新たに生まれ直し、喪女からの脱却をするのです」


 テンプレじゃなかった……!
 今までの生き方に対する猛烈な一撃‼

 私は涙目で、テンプレという甘言で私を殺しかけた神さまを見つめた。


「殺しかけたって、あなた、もう死んでいるでしょう」

 精神的! 精神的にです!


「おかしいわね。ちゃんとてんぷれでしょう。
 わたくしはひとの思念のエネルギーを受けているので、世界のことは案外知っているのです。
 まあ、わたくしは異国のものですから、日本人のあなたの常識を知らないこともあります。齟齬が起きない程度には日本の文化を取り入れたつもりでしたが、間違っていたのなら申し訳なく思います」

 いえ、真面目に謝られるとこちらの立つ瀬が……。


「そう? では本題です。先ほども言ったように、あなたには喪女を脱却してもらいます。
 近年、この喪女という概念と存在があまりにも急に増え、わたくしの加護を脅かしているのです」


 喪女が脅かす加護ってなんだろう。
 きょとんとしてしまった私に、神さまは言った。


「わたくしは女神ヘラ。
 分かりやすく言えば、結婚を司る女神です」




~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

 次回、

 ヘラ様は女子限定

 です。
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