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第一章 異世界で女子力について悩む
ステータスオープン
しおりを挟むフローラの能力がかさばった……
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
その日、フローラは花畑にいた。
屋敷にこもりきりで退屈していた彼女は、村人に頼んで外に連れ出してもらっていたのだ。
抜けるような晴天の下、ハーブの小花が揺れるいいにおいのする丘で、少女は久しぶりに声を上げて笑った。
「わあー、きれいだねハネちゃん」
「俺はハイネ! そんな名前で呼ぶなっ」
頑なに自身の名を譲らない神鳥は、くちばしで幼女をつつく。
体長からいって、彼がつつくのはフローラの足だ。そう危険はない。
しかしフローラ、尊いヘラ様の落とし子。
彼女が傷付くことは、村人が許さない。
が、ここにそれを止めるものはいない。
ハイネがフローラを傷つけるはずがないと、みな思っていたからだ。
それに、いつも大人に見守られているフローラを、少しだけでも自由にしてあげようと気を利かせていた。
丘を囲むように大人たちは配置され、すぐそばには誰もいなかった。
だが、現実は違う。
ハイネは言うことを聞かない相手には、鉄拳制裁派であった。
「いてっ、いててっ」
くちばしで小刻みに攻撃され、美少女らしからぬ声を上げるフローラだったが、丘の下の大人たちには聞こえない。
傍からはだいぶフィルターがかかり、つつく真似をする神鳥と、それを楽しむ幼女の図に見えていたのだ。
散々つつかれたあと、逃げ疲れたフローラは花の上に座り込んで呼吸を整えながら、呟いた。
「おっかしいなあ……」
「なにがだよ」
きらめくピンク髪を乱したまま、肩で息をする幼女に気をおさめたハイネは、とてとてと彼女に近寄った。
「いや……ヘラ様のご加護がね……」
へーへー言いながら必死でしゃべるフローラに、ハイネは小首を傾げた。
鳥っぽいってのかわいい仕草だったが、見慣れた彼女は頓着しない。
「私、最後に防御力もらったのに……めっちゃ攻撃入るんですけど」
「ああ。あれくらい、攻撃の範疇に入らないんだろ。日常で肩叩かれても気付かないとか、おかしいし」
「そうかなぁ……やたら痛いんだけど」
つつかれた足を確認しながら嘆く彼女の足には、ハイネのくちばしの痕が赤くついている。
「ヘラ様のご加護が働かないわけないだろ」
「そうだよね」
ふたりは話し合い、日常のスキンシップの範疇なら加護も無効なのだろう、という結論に至った。
「に、しても。自分が持ってる能力がわかってないと、使いどころに迷うよね」
呼吸も整い、つつかれた赤みも消えてきたフローラは、体育座りでため息をついた。
「えっ」
思わずといったふうに声を上げ、びくっとしたハイネは、そおっと座るフローラを覗き込んだ。
恐る恐る、といった様子でこちらを見るハイネに、フローラは眉間に眉を寄せた。
「……なに」
幼女の怪訝そうな顔に、ハイネ深く、深く息を吐いてから告げた。
「おまえ、自分の能力見えるだろ。鑑定あるぞ」
「えっ!? ハネちゃんステータスとか見えてるの? ていうかステータスあるの!? 教えてよぉそれを!」
ひとしきりハイネを責め立てたあと、興奮を隠しきれないフローラは、うきうきと自分のステータスを調べようとする。
「ここはお約束の、ステータスオープン! だよね」
半ば冗談で言ったそれは、見事に的中した。
どこまでもお約束を忘れない女神・ヘラ様のおかげである。
【 フローリーチェ・セス 通称 フローラ
(セス村 村長の長女) 4歳
職業
村人
女神の落とし子
>
たいりょく 32
まりょく 583
しんぎりょく 378
こうげきりょく 8
ぼうぎょりょく 12
せいしんりょく 82
かしこさ 53
きよう 1000.
うん 1000.
魔法 まだ登録されていません。
スキル
おんみつ ∞
ちょうさ ∞
じんもん ∞
わじゅつ ∞
しんぎ ∞
かんぱ ∞
ちょうばつ ∞
そうごりかい ∞
家事> ∞
調理> ∞
料理> ∞(※)
鑑定> 1(※)
アイテムボックス ∞(※)
反射 ∞
ぜったいぼうぎょ ∞(※)
はんいぼうぎょ ∞(※)
していぼうぎょ ∞(※)
絵画 72
礼法 50
農業 42
数術 66
商業 37
高速思考 100.
並列思考 100.
魔法待機 100.
並列魔法 100.
ユニーク
こうかんどそうさ(だんせいげんてい)
はんい ふつう
きょうど ふつう
してい ー
こううんちそうさ
はんい ふつう
きょうど ふつう
してい ー
加護
女神ヘラの加護 (大)
守護鳥 孔雀の加護 (大)
緑の精霊の加護 (最大)
土の精霊の加護 (最大)
水の精霊の加護 (中)
風の精霊の加護 (中)
火の精霊の加護 (中)
雷の精霊の加護 (中)
光の精霊の加護 (大)
闇の精霊の加護 (大)
時空の精霊の加護 (最大)
称号
いせかいのもじょ
はじまりのむすめ
魔法の心得
魔道の心得
魔導師の心得
賢者の心得
スキルの使い手
スキルの達人
芸術家の才能
職人の才能
豪運
引き当てる者
伝説の使用人
伝説の調理人
伝説の料理人
アイテムボックスを極めし者
防御の達人
礼法の達人
農法の伝道者
数術の使い手
数術の達人
伝説の思考者
伝説の魔術師
伝説の賢者
ヘラのいとし子
孔雀のいとし子
緑の手
緑の聖者
肥沃の大地
土の聖者
水の支配者
風の支配者
火の支配者
雷の支配者
聖光の灯火
聖闇の憩い
ブラックホール
ホワイトホール
時空の聖者
すべての精霊のいとし子
のうきんきらー
村の支配者
注意
文字化けで表示される場合、
あなたの鑑定レベルが足りないか、
あなたのアクセスが許可せれていません。
ひらがなで見える箇所は
まだ世界に馴染んでいないものです。
ご使用の際、留意してお使いください。
ヘルプ(※) 】
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
次回、
能力判明
です。
0
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