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正直最初プロローグって書こうとしたけどありきたりだからやめた第一話
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目の前に、絶望だけが広がっていた。
良い気になっていた、勇者と崇められ、良い剣、防具を渡され、勇者にのみ扱える魔法を扱うことが出来る様になった。
仲間だって信頼の置ける人達を集めた。
幼馴染の怪力無双、孤島で暮らす魔法使いの孫、土地を知り尽くし未踏の地であっても風の流れと匂いで先を行く生粋の冒険者さん。
僕の知る中で、彼等以上の面子は他にいない、魔物と戦い、勝つことに慣れ、貧窮に陥った村を立て直す事で多くの信頼を得た。
この世界を救うのは僕しかいない。
そんな風に昔見た夢物語を追い掛ける様にして憧憬を現実の物へ変えようと走った。
走って、走って、走り抜いた結果が今の状況だ。
僕を守る為に両腕を使い物にならない程ボロボロにして、それでもなお大斧を構えて敵を見据える幼馴染。
元から余り頑強な鎧は身につけていなかった魔法使いの彼女は既にマントを身に着けていた面影も無い位に肌の傷が目立っている。
誰からも頼りにされていた冒険者さんの彼は双剣を地面に刺して膝立ちの状態で息を荒くしている。
そして僕もまた、伝説と言われた聖剣を支えに笑う膝を奮い立たせて気丈に振舞っている。
ここで、終わるのか?
ふと、僕の背後で動く気配を感じた。
そうだ、彼も忘れてはいけない、異世界から必要とする人材を派遣してもらえる冒険者が利用するサービス、それを使用してついて来てもらった、本来であればこの世界と何の関係も無い商人の彼。
ボロボロの服に錆び付いた剣を持った彼を、幼馴染は未熟と罵り、魔法使いは分不相応な旅と忠告し、冒険者からは命の価値が分かっていないのかと説教されていた。
僕の仲間達からそんな事を言われてもなお、彼は力を貸してくれた。
彼がいなければ、大陸間を繋ぐ定期船を特例で出してもらうことも出来なかっただろう。
彼がいなければ、僕を除く仲間達の装備だって揃えられなかった。
確かに彼が戦闘で活躍する事は無かったが、毎晩彼から聞く異世界の話や、彼が作ってくれる美味な夕食は間違いなく僕をここまで走らせてくれた一つの要因だ。
だが、その走り続けた道も途絶えようとしている。
これが、魔王…!
勇者と対を成す世界の絶望。
腕の一振りで大地が隆起し、眼差し一つで視線の先に爆発を起こす、勇者のみが使える魔法でさえも魔王のみが使えるという魔法で相殺された。
そうだ、何を甘く考えていたのか、奴が魔王ならば、奴もまた勇者である僕と同じで背負っている存在なのだ。
魔物の未来を、世界の命運を。
「おい、勇者…」
いつからだろうか、幼馴染が僕を勇者と呼ぶようになったのは、いつからだろうか、僕が…彼を本名では無く戦士という役職で呼ぶようになってしまったのは…
「俺は、俺はまだ諦めねぇぞ」
その言葉に、彼へと視線を向ける。
傷だらけの横顔に笑顔を浮かべ、戦士は僕と目を合わせた。
「確かに凄い力だ、化物だ、勝てるとは思えねぇ」
その言葉に、現状を把握させられる。
戦闘が始まって経過した時間は精々が30秒、たったそれだけで魔王は僕等をここまで追い詰めたのだ。
「けどよ、折れてねぇ」
それでも彼は、希望を言葉にする。
「俺の身体は折れてねぇ」
強く、斧の持ち手を握り締めた。
「魔法使いの魔力の芯だって折れてねぇ」
魔法使いが両手を広げ、新たな魔法を詠唱する。
「冒険者の目線は折れずに魔王を捉えてる」
冒険者の彼もまた、大地から剣を抜き、姿勢低くいつでも駆け出せる体勢をとる。
「そして勇者、お前の持つ伝説の剣は、まだ折れちゃ―――」
―――パキン。
そう、小さく音がして、戦士の言葉は遮られた。
戦士が、魔法使いが、冒険者がこちらを見て瞳を大きく開いてその光景を目に収めていた。
地面にゆっくりと落ちていく僕達の希望。
魔王の額に突き刺すことで、魔王を封印することが出来るという伝説の剣。
伝説の剣の刀身が半分、何か鋭い物に切り裂かれたかの様な断面を見せた。
『希望の味は、美味い物だな』
絶望が、音として届いて来た。
『希望が絶望に染められるこの瞬間こそ、真に甘露であり、至極の一時を味合わせてくれる』
その音に、僕等は視線を向ける。
『さぁ、その希望のキャンパスを染めさせてくれ』
銀の頭髪にスラリとした輪郭、細くナイフの様な4つの目は僕等と同じ目の位置に当てがわれている。
地獄の炎がうねりを上げたところを形にしたかの様な禍々しい鎧は胸の部分に大きな眼が付いていて僕等を見逃さないと言って来ているかの様だった。
魔王。
絶対的な絶望にして絶対的な強者、その顔は甘いマスクでありながら死の象徴、銀の頭髪に青白い肌、姿形は人の様でありながらその行いは人を蹂躙する魔物を従えし王の所業。
煉獄の鎧に包まれた右の魔手を地面に向ける魔王、僕等は動くことも忘れて、その手に集まり始めた強大なエネルギーに目を剥いた。
掌の中心に向けて周囲の大地から砂利や砂が集められて形を成していく。
魔王の居城が佇むこの魔国では大地が瘴気に犯されて浅黒く変色している。その浅黒い土砂が集められ、ドス黒い剣を象った。
『どうした戦士よ、貴様の顔は何故、絶望で染まっているのだ?』
魔王ばかり見ていた僕はその言葉に戦士をみた。
戦士は構えている、斧を握りしめ、魔王に対して確かに構えている。
しかし、一目瞭然だった。
先程までの戦士はその手に持った大斧で倒さんとする勢いを見せていた、今の戦士は、大斧という武器に、そして迫る絶望から逃れる為生に縋り付く臆病な姿を晒していた。
『どうした魔法使いよ、その手は何だ?』
魔法使いは両手を前に出し、掌を魔王に向けてこそ要るがそこに魔力の集中は無い、その姿こそ戦う者に見えるが、角度を変えて見てみれば絶対的強者に両の手を晒して赦しを請う姿にも見えた。
「う、うあぁあぁあぁああぁ!!」
『嗚呼、冒険者よ、向かってくる気概は買おう』
走り出した冒険者さんが魔王を前に跳び上がり、双剣を振りかぶって上段からの振り下ろしで魔王への攻撃を試みた。
『しかし』
攻撃は通った、魔王の鎧を斬りつけた双剣、そう、斬りつけたはずなのに、傷の一つも出来ていなかった。
『悲しいかな、経験を積んで強くなったとは言っても所詮は木偶、お前らは真っ先に魔国は魔王城に乗り込んで来たが…気付かなかったのか?』
冒険者の側頭部にそっと触れたかと思えば、既に彼は気絶してしまっていた。
『お前らお人好しのこと、どうせこの魔国で起こっている問題を目にしたら解決しようと虐げられている魔物を助けるだろうと思っていたが…そこからこの魔王の秘密を知り得る事まで危惧していたが、存外いらぬ物だったか』
魔国には砂漠のピラミッド深部で入手した空飛ぶ絨毯を使用して空を超えて来た。
魔国の事は冒険者も知らなかった、それ程までに未知のエリアで、人が暮らす環境とは全てが異なっているからだ。
魔国で最も巨大で国のどこからでも見える魔王城、僕等は旅を終わらせる為にも真っ先に魔王城へと走った。
そして、魔王城の正面で、魔王本人に出迎えられた。
その時の言葉は確か、『我が居城を汚したくは無いのでな』。
だから、何も知らない、虐げられている魔物の事も、この魔王に秘密があるのだとしたら、僕等は何も知らずに来た。
『この魔王城を守護する様に東西南北にそびえる四幻の塔、これらの最上階に宿る炎を消さねば、我が身に着けし煉獄の鎧は絶対的な防御を誇り、砕くことは出来ん』
そ…そんな。
『だが、ここにある事実はこの守りを砕けぬ悲しさよりも、勇者であるお前が虐げられし民を捨て置いて我の前に姿を現したことこそが重要よ』
人の国で起きていた問題なら、いくつか解決した。
時には政治や国家間の争いもあって僕達じゃどうすることも出来ない物だったけれど、魔物に襲われている村や町を救ってきたのは紛れもない事実だ。
『気づいておらぬ様だから言わせてもらうが、我が国の虐げられし民を救わねば、奴らは追放され人族の国へ流れるぞ…そしてそれが、お前が人族の国で屠ってきた多くの魔物の正体だ、お前は人族の勇者という立場故に見ることを避けていたのだろうな、真に助けを求める魔物達の声を』
言われて見て自分の記憶を辿ってみれば、近くに魔物が確認されたというだけで被害が無いにも関わらず倒してしまった魔物も何体かいた。
中には、こちらに攻撃すらしてこない魔物すらいた。
変わった魔物だね、なんて仲間内で言い合って命を絶った。
困っていただけかもしれないのに、僕等は目を向けようともしなかった…!
『理解したか勇者、それがお前だ、周りにもてはやされ、自分の目に映る世界だけを救おうとまだ見ぬ土地から目を背け、魔国という土地もよく知らぬのにただ我を倒そうと愚直にここまで来た結果、仲間の命を危険に晒す』
…反論は、
『それがお前だ』
出来なかった。
「いいんじゃないか?」
僕の背後から、声がした。
ボロボロの服に錆びた剣を持って、頼りない姿をしている彼、商人がそこにはいた。
「前提として、その負の連鎖ってのは中心にお前が統治しているって現状があるんだろ?だったら全てを正す為に根元から治そうとした勇者の考えに間違いはない」
その彼の言葉は僕には眩しすぎた。
現実はそんな問題すら理解していなかった未熟な存在だというのに、そんな風に言ってもらえる資格なんて僕には無いのに。
「第一、魔王も言っていることが情けなさすぎるぜ?魔物の王だか何だか知らないけどお前、自国の民が虐げられているって認識しておいて、何もしなかったんだろ?」
『我は魔王、君臨し悪虐を敷く者、民を救うは別な役職があろうぞ』
「じゃあそれ他人じゃね?民って言ってるのに統治もせずにただ自分を崇めさせてるってわけだろ?」
『問題は無い、民に崇められる事で恐怖の下、我に逆らう者が居らぬ様に統治しているのだ』
「問題しか無いだろ馬鹿、勇者が旅を始めた理由は確か魔国の人族領域への侵略だろ?もしもその先で世界侵略に成功したとして、全世界を恐怖の下で統治出来ると思ってたのか?」
『出来るとも、故に我の前で勇者が絶望の色を浮かべ始めている、いかな希望をも打ち砕く力が、我にはある!!』
「無いね」
商人は、僕を指差した。
「こいつが本当に全人類の希望だと思っているなら、教えてやるよ、現実ってやつを」
商人の彼は指先で空に四角を描くと、聞いたことも無い言葉で歌を紡いだ。
先程描かれた四角が淡い光を放ち、そこには何処かの家族が語らう場が映し出された。
見たことがある…彼等は、僕が助けた村の人だ。
頬に傷を持つやんちゃそうな少年が、椅子に座る父の膝の上で幸せそうな笑顔を浮かべていた。
『なんだ…その魔法は?』
「なんてことは無い、遠くの景色を映すだけの魔法さ」
聞いたことも無い魔法だけれど、彼は異世界から来た男、この位の事は彼の住む世界では当然なのかもしれない。
「ねぇねぇお父さん?勇者様はもう魔王っていうの倒したかなぁ?」
映し出された映像の中で少年が父を見上げて質問をした。
その質問に、胸が抉られる思いを感じる。
期待、されてるんだな…と、これから裏切ることになってしまうかもしれないその期待を、重たく感じる。
「どうだろうねぇ、倒してくれているといいけれどねぇ」
「えー!?勇者様なら倒せるよー!」
幼さと残酷さに責められる思いの僕は、耳を塞ごうかと考えた。
「聞いておけ勇者、これは、お前が残した物だ」
けれども商人の彼に止められて、目を背けずに見ることを決める。そう言われては、そうする他無かった。
「勇者様も絶対じゃないからねぇ、強くとも、倒せるかとなれば話は別さ」
『ふん、中々に聡明な男じゃないか』
魔王が賞賛を送る、奴は見たこともないこの魔法に少なからず興味を抱いている様だった。
「倒せなくっても平気だよ!」
映像の中、少年が笑顔のままで明るく言った。
「勇気があれば誰でも勇者だって、勇者様言ってたもん、倒せなくっても僕がいる!僕だけじゃないさ、勇者様に助けてもらったみーんな、勇気を持ってれば勇者なんだ!」
その言葉を、僕は確かに彼に送った。
「聞いたか魔王、聞いたか勇者、生まれようとしてるじゃねぇか、新しい希望がよ」
―――新しい、希望。
僕だけが、全人類の希望に成り得るわけじゃ無い!
僕がここでやられようとも、僕以外の希望が魔王を倒しに来る、魔王が倒されるまで何度でも、希望の蕾は花開く!
「勇者、過去を振り返るな、自分の言った言葉も、自分が取った行動も、全部その先の未来を作るものだ、大事な過去ならその手に持って未来を拓く剣にしろ、お前の行動は意味がある、お前のこれまでが今になる」
一気に、気が楽になった。
僕がやられることは、次の希望に託すということ、僕が勝つということは、絶望を照らす希望の強さを証明するということ。
なら、僕は勝ちたい、次の希望に僕の冒険を任せるのではなく、僕自身がそれを証明したいんだ!
考え過ぎていた、僕が全人類の命運を握っているんだと、僕がやられてしまえば後は無いんだと、そんな身勝手な勘違いをしていた!
勇気を持っていれば誰もが勇者だって僕が言った言葉、それに、勇気を貰った。
僕は、真の勇者に成りたい。
魔王を倒す為の勇気を、仲間を助けるだけの勇気を、この場所で勇者に足るに相応しい勇気を!!
「やっと帰ってきたな、勇者様」
商人の彼に笑みを返し、こちらをただ見つめる仲間に告げる。
「幼馴染、魔法使い、冒険者さん、勝ちましょう、魔王に!」
その言葉に、魔法使いが弱気な表情を拭い去り、強気な彼女らしい表情を取り戻す。
聞こえていたのか、魔王の背後で蹲る冒険者さんも、こちらに白い歯を見せてくれた。
「無理だ…無理だぁ!伝説の剣は折れちまったんだぞ!?もう俺たちに魔王を倒す手段なんて!」
慌てふためく戦士、普段の彼からは想像もつかないけれど、一番希望に溢れていた彼だからこそ一度絶望の水に浸かってしまった今、そこから這い出す事も難しいのだろう。
「あぁ、折れた、だけど、だからどうした?」
真っ二つの刀身を輝かせる伝説の剣を掲げて、戦士に向き直る。
「この剣は、短くなってしまっただけ、折れようとも、その伝説はここにある」
そうだ、無くなったわけでは無い。
短くなってしまおうとも、これは伝説の剣。
刀身があるのならその伝説の力は失われていないはず。
「魔王は知らない、折れない物があるってことを」
『謎掛けか?知らぬな、この様な時にするものでも無い』
「謎掛けじゃないさ、答えは今、お前の眼の前にある」
商人の彼が指を動かして、一つ、映像が増えた。
僕の背後から聞こえてくるその声、幼い少女の、そうか、港町で助けたあの子だ。
『我の前?何かな?その剣を折れていないと言い張るのであれば、私に届かなくては意味が無い物であることを理解せよ』
「伝説の剣のことでも無いさ」
また一つ、勇者様なら魔王を倒すと言う声が聞こえてくる。
僕は、全人類の希望じゃなくてもいい。
ただ、僕を希望と捉えてくれる人々に応えられる存在であればそれでいい。
この勇気も、この場限りの物で良い。
この魔王に打ち勝つだけの勇気を、この場に勇者として立つに相応しい勇気を。
映像が増えていく、そこに映っているのはどれも見たことがある人ばかりだ。
「おい勇者、絶対に負けられない環境、作ってやろうか?」
商人の彼の言葉に、僕は苦笑しながら応える。
「絶対に負けないじゃないんだね」
「負けられないってことは、負けないだろうよ、勇者なら」
「違いないや」
気が付けば、まるで僕の背後を守る壁の様に、多くの映像が映し出されていた。
笑いながら僕の活躍を語る者、泣きながら僕の無事を祈る者、活発に僕の真似ごとで遊ぶ者、平和を取り戻し僕への感謝を捧げる者、色々な人が僕を想ってくれている。
なるほど、これは負けられないや。
「教えてあげるよ魔王、折れない物を」
『…』
一歩を踏み出す、身体から力が湧いて来る。
一歩を踏み出す、背後から聞こえる声が遠くなる。
一歩を踏み出す、戦いの場所が近付いて来る。
「僕等の心は折れない、幼馴染も、魔法使いも、冒険者さんも、そして勇者も!!」
伝説の剣を強く握り、未だ光ることを止めぬ刀身を突きつけて魔王に告げる。
「さぁ始めよう、希望で絶望を照らす戦いを!」
良い気になっていた、勇者と崇められ、良い剣、防具を渡され、勇者にのみ扱える魔法を扱うことが出来る様になった。
仲間だって信頼の置ける人達を集めた。
幼馴染の怪力無双、孤島で暮らす魔法使いの孫、土地を知り尽くし未踏の地であっても風の流れと匂いで先を行く生粋の冒険者さん。
僕の知る中で、彼等以上の面子は他にいない、魔物と戦い、勝つことに慣れ、貧窮に陥った村を立て直す事で多くの信頼を得た。
この世界を救うのは僕しかいない。
そんな風に昔見た夢物語を追い掛ける様にして憧憬を現実の物へ変えようと走った。
走って、走って、走り抜いた結果が今の状況だ。
僕を守る為に両腕を使い物にならない程ボロボロにして、それでもなお大斧を構えて敵を見据える幼馴染。
元から余り頑強な鎧は身につけていなかった魔法使いの彼女は既にマントを身に着けていた面影も無い位に肌の傷が目立っている。
誰からも頼りにされていた冒険者さんの彼は双剣を地面に刺して膝立ちの状態で息を荒くしている。
そして僕もまた、伝説と言われた聖剣を支えに笑う膝を奮い立たせて気丈に振舞っている。
ここで、終わるのか?
ふと、僕の背後で動く気配を感じた。
そうだ、彼も忘れてはいけない、異世界から必要とする人材を派遣してもらえる冒険者が利用するサービス、それを使用してついて来てもらった、本来であればこの世界と何の関係も無い商人の彼。
ボロボロの服に錆び付いた剣を持った彼を、幼馴染は未熟と罵り、魔法使いは分不相応な旅と忠告し、冒険者からは命の価値が分かっていないのかと説教されていた。
僕の仲間達からそんな事を言われてもなお、彼は力を貸してくれた。
彼がいなければ、大陸間を繋ぐ定期船を特例で出してもらうことも出来なかっただろう。
彼がいなければ、僕を除く仲間達の装備だって揃えられなかった。
確かに彼が戦闘で活躍する事は無かったが、毎晩彼から聞く異世界の話や、彼が作ってくれる美味な夕食は間違いなく僕をここまで走らせてくれた一つの要因だ。
だが、その走り続けた道も途絶えようとしている。
これが、魔王…!
勇者と対を成す世界の絶望。
腕の一振りで大地が隆起し、眼差し一つで視線の先に爆発を起こす、勇者のみが使える魔法でさえも魔王のみが使えるという魔法で相殺された。
そうだ、何を甘く考えていたのか、奴が魔王ならば、奴もまた勇者である僕と同じで背負っている存在なのだ。
魔物の未来を、世界の命運を。
「おい、勇者…」
いつからだろうか、幼馴染が僕を勇者と呼ぶようになったのは、いつからだろうか、僕が…彼を本名では無く戦士という役職で呼ぶようになってしまったのは…
「俺は、俺はまだ諦めねぇぞ」
その言葉に、彼へと視線を向ける。
傷だらけの横顔に笑顔を浮かべ、戦士は僕と目を合わせた。
「確かに凄い力だ、化物だ、勝てるとは思えねぇ」
その言葉に、現状を把握させられる。
戦闘が始まって経過した時間は精々が30秒、たったそれだけで魔王は僕等をここまで追い詰めたのだ。
「けどよ、折れてねぇ」
それでも彼は、希望を言葉にする。
「俺の身体は折れてねぇ」
強く、斧の持ち手を握り締めた。
「魔法使いの魔力の芯だって折れてねぇ」
魔法使いが両手を広げ、新たな魔法を詠唱する。
「冒険者の目線は折れずに魔王を捉えてる」
冒険者の彼もまた、大地から剣を抜き、姿勢低くいつでも駆け出せる体勢をとる。
「そして勇者、お前の持つ伝説の剣は、まだ折れちゃ―――」
―――パキン。
そう、小さく音がして、戦士の言葉は遮られた。
戦士が、魔法使いが、冒険者がこちらを見て瞳を大きく開いてその光景を目に収めていた。
地面にゆっくりと落ちていく僕達の希望。
魔王の額に突き刺すことで、魔王を封印することが出来るという伝説の剣。
伝説の剣の刀身が半分、何か鋭い物に切り裂かれたかの様な断面を見せた。
『希望の味は、美味い物だな』
絶望が、音として届いて来た。
『希望が絶望に染められるこの瞬間こそ、真に甘露であり、至極の一時を味合わせてくれる』
その音に、僕等は視線を向ける。
『さぁ、その希望のキャンパスを染めさせてくれ』
銀の頭髪にスラリとした輪郭、細くナイフの様な4つの目は僕等と同じ目の位置に当てがわれている。
地獄の炎がうねりを上げたところを形にしたかの様な禍々しい鎧は胸の部分に大きな眼が付いていて僕等を見逃さないと言って来ているかの様だった。
魔王。
絶対的な絶望にして絶対的な強者、その顔は甘いマスクでありながら死の象徴、銀の頭髪に青白い肌、姿形は人の様でありながらその行いは人を蹂躙する魔物を従えし王の所業。
煉獄の鎧に包まれた右の魔手を地面に向ける魔王、僕等は動くことも忘れて、その手に集まり始めた強大なエネルギーに目を剥いた。
掌の中心に向けて周囲の大地から砂利や砂が集められて形を成していく。
魔王の居城が佇むこの魔国では大地が瘴気に犯されて浅黒く変色している。その浅黒い土砂が集められ、ドス黒い剣を象った。
『どうした戦士よ、貴様の顔は何故、絶望で染まっているのだ?』
魔王ばかり見ていた僕はその言葉に戦士をみた。
戦士は構えている、斧を握りしめ、魔王に対して確かに構えている。
しかし、一目瞭然だった。
先程までの戦士はその手に持った大斧で倒さんとする勢いを見せていた、今の戦士は、大斧という武器に、そして迫る絶望から逃れる為生に縋り付く臆病な姿を晒していた。
『どうした魔法使いよ、その手は何だ?』
魔法使いは両手を前に出し、掌を魔王に向けてこそ要るがそこに魔力の集中は無い、その姿こそ戦う者に見えるが、角度を変えて見てみれば絶対的強者に両の手を晒して赦しを請う姿にも見えた。
「う、うあぁあぁあぁああぁ!!」
『嗚呼、冒険者よ、向かってくる気概は買おう』
走り出した冒険者さんが魔王を前に跳び上がり、双剣を振りかぶって上段からの振り下ろしで魔王への攻撃を試みた。
『しかし』
攻撃は通った、魔王の鎧を斬りつけた双剣、そう、斬りつけたはずなのに、傷の一つも出来ていなかった。
『悲しいかな、経験を積んで強くなったとは言っても所詮は木偶、お前らは真っ先に魔国は魔王城に乗り込んで来たが…気付かなかったのか?』
冒険者の側頭部にそっと触れたかと思えば、既に彼は気絶してしまっていた。
『お前らお人好しのこと、どうせこの魔国で起こっている問題を目にしたら解決しようと虐げられている魔物を助けるだろうと思っていたが…そこからこの魔王の秘密を知り得る事まで危惧していたが、存外いらぬ物だったか』
魔国には砂漠のピラミッド深部で入手した空飛ぶ絨毯を使用して空を超えて来た。
魔国の事は冒険者も知らなかった、それ程までに未知のエリアで、人が暮らす環境とは全てが異なっているからだ。
魔国で最も巨大で国のどこからでも見える魔王城、僕等は旅を終わらせる為にも真っ先に魔王城へと走った。
そして、魔王城の正面で、魔王本人に出迎えられた。
その時の言葉は確か、『我が居城を汚したくは無いのでな』。
だから、何も知らない、虐げられている魔物の事も、この魔王に秘密があるのだとしたら、僕等は何も知らずに来た。
『この魔王城を守護する様に東西南北にそびえる四幻の塔、これらの最上階に宿る炎を消さねば、我が身に着けし煉獄の鎧は絶対的な防御を誇り、砕くことは出来ん』
そ…そんな。
『だが、ここにある事実はこの守りを砕けぬ悲しさよりも、勇者であるお前が虐げられし民を捨て置いて我の前に姿を現したことこそが重要よ』
人の国で起きていた問題なら、いくつか解決した。
時には政治や国家間の争いもあって僕達じゃどうすることも出来ない物だったけれど、魔物に襲われている村や町を救ってきたのは紛れもない事実だ。
『気づいておらぬ様だから言わせてもらうが、我が国の虐げられし民を救わねば、奴らは追放され人族の国へ流れるぞ…そしてそれが、お前が人族の国で屠ってきた多くの魔物の正体だ、お前は人族の勇者という立場故に見ることを避けていたのだろうな、真に助けを求める魔物達の声を』
言われて見て自分の記憶を辿ってみれば、近くに魔物が確認されたというだけで被害が無いにも関わらず倒してしまった魔物も何体かいた。
中には、こちらに攻撃すらしてこない魔物すらいた。
変わった魔物だね、なんて仲間内で言い合って命を絶った。
困っていただけかもしれないのに、僕等は目を向けようともしなかった…!
『理解したか勇者、それがお前だ、周りにもてはやされ、自分の目に映る世界だけを救おうとまだ見ぬ土地から目を背け、魔国という土地もよく知らぬのにただ我を倒そうと愚直にここまで来た結果、仲間の命を危険に晒す』
…反論は、
『それがお前だ』
出来なかった。
「いいんじゃないか?」
僕の背後から、声がした。
ボロボロの服に錆びた剣を持って、頼りない姿をしている彼、商人がそこにはいた。
「前提として、その負の連鎖ってのは中心にお前が統治しているって現状があるんだろ?だったら全てを正す為に根元から治そうとした勇者の考えに間違いはない」
その彼の言葉は僕には眩しすぎた。
現実はそんな問題すら理解していなかった未熟な存在だというのに、そんな風に言ってもらえる資格なんて僕には無いのに。
「第一、魔王も言っていることが情けなさすぎるぜ?魔物の王だか何だか知らないけどお前、自国の民が虐げられているって認識しておいて、何もしなかったんだろ?」
『我は魔王、君臨し悪虐を敷く者、民を救うは別な役職があろうぞ』
「じゃあそれ他人じゃね?民って言ってるのに統治もせずにただ自分を崇めさせてるってわけだろ?」
『問題は無い、民に崇められる事で恐怖の下、我に逆らう者が居らぬ様に統治しているのだ』
「問題しか無いだろ馬鹿、勇者が旅を始めた理由は確か魔国の人族領域への侵略だろ?もしもその先で世界侵略に成功したとして、全世界を恐怖の下で統治出来ると思ってたのか?」
『出来るとも、故に我の前で勇者が絶望の色を浮かべ始めている、いかな希望をも打ち砕く力が、我にはある!!』
「無いね」
商人は、僕を指差した。
「こいつが本当に全人類の希望だと思っているなら、教えてやるよ、現実ってやつを」
商人の彼は指先で空に四角を描くと、聞いたことも無い言葉で歌を紡いだ。
先程描かれた四角が淡い光を放ち、そこには何処かの家族が語らう場が映し出された。
見たことがある…彼等は、僕が助けた村の人だ。
頬に傷を持つやんちゃそうな少年が、椅子に座る父の膝の上で幸せそうな笑顔を浮かべていた。
『なんだ…その魔法は?』
「なんてことは無い、遠くの景色を映すだけの魔法さ」
聞いたことも無い魔法だけれど、彼は異世界から来た男、この位の事は彼の住む世界では当然なのかもしれない。
「ねぇねぇお父さん?勇者様はもう魔王っていうの倒したかなぁ?」
映し出された映像の中で少年が父を見上げて質問をした。
その質問に、胸が抉られる思いを感じる。
期待、されてるんだな…と、これから裏切ることになってしまうかもしれないその期待を、重たく感じる。
「どうだろうねぇ、倒してくれているといいけれどねぇ」
「えー!?勇者様なら倒せるよー!」
幼さと残酷さに責められる思いの僕は、耳を塞ごうかと考えた。
「聞いておけ勇者、これは、お前が残した物だ」
けれども商人の彼に止められて、目を背けずに見ることを決める。そう言われては、そうする他無かった。
「勇者様も絶対じゃないからねぇ、強くとも、倒せるかとなれば話は別さ」
『ふん、中々に聡明な男じゃないか』
魔王が賞賛を送る、奴は見たこともないこの魔法に少なからず興味を抱いている様だった。
「倒せなくっても平気だよ!」
映像の中、少年が笑顔のままで明るく言った。
「勇気があれば誰でも勇者だって、勇者様言ってたもん、倒せなくっても僕がいる!僕だけじゃないさ、勇者様に助けてもらったみーんな、勇気を持ってれば勇者なんだ!」
その言葉を、僕は確かに彼に送った。
「聞いたか魔王、聞いたか勇者、生まれようとしてるじゃねぇか、新しい希望がよ」
―――新しい、希望。
僕だけが、全人類の希望に成り得るわけじゃ無い!
僕がここでやられようとも、僕以外の希望が魔王を倒しに来る、魔王が倒されるまで何度でも、希望の蕾は花開く!
「勇者、過去を振り返るな、自分の言った言葉も、自分が取った行動も、全部その先の未来を作るものだ、大事な過去ならその手に持って未来を拓く剣にしろ、お前の行動は意味がある、お前のこれまでが今になる」
一気に、気が楽になった。
僕がやられることは、次の希望に託すということ、僕が勝つということは、絶望を照らす希望の強さを証明するということ。
なら、僕は勝ちたい、次の希望に僕の冒険を任せるのではなく、僕自身がそれを証明したいんだ!
考え過ぎていた、僕が全人類の命運を握っているんだと、僕がやられてしまえば後は無いんだと、そんな身勝手な勘違いをしていた!
勇気を持っていれば誰もが勇者だって僕が言った言葉、それに、勇気を貰った。
僕は、真の勇者に成りたい。
魔王を倒す為の勇気を、仲間を助けるだけの勇気を、この場所で勇者に足るに相応しい勇気を!!
「やっと帰ってきたな、勇者様」
商人の彼に笑みを返し、こちらをただ見つめる仲間に告げる。
「幼馴染、魔法使い、冒険者さん、勝ちましょう、魔王に!」
その言葉に、魔法使いが弱気な表情を拭い去り、強気な彼女らしい表情を取り戻す。
聞こえていたのか、魔王の背後で蹲る冒険者さんも、こちらに白い歯を見せてくれた。
「無理だ…無理だぁ!伝説の剣は折れちまったんだぞ!?もう俺たちに魔王を倒す手段なんて!」
慌てふためく戦士、普段の彼からは想像もつかないけれど、一番希望に溢れていた彼だからこそ一度絶望の水に浸かってしまった今、そこから這い出す事も難しいのだろう。
「あぁ、折れた、だけど、だからどうした?」
真っ二つの刀身を輝かせる伝説の剣を掲げて、戦士に向き直る。
「この剣は、短くなってしまっただけ、折れようとも、その伝説はここにある」
そうだ、無くなったわけでは無い。
短くなってしまおうとも、これは伝説の剣。
刀身があるのならその伝説の力は失われていないはず。
「魔王は知らない、折れない物があるってことを」
『謎掛けか?知らぬな、この様な時にするものでも無い』
「謎掛けじゃないさ、答えは今、お前の眼の前にある」
商人の彼が指を動かして、一つ、映像が増えた。
僕の背後から聞こえてくるその声、幼い少女の、そうか、港町で助けたあの子だ。
『我の前?何かな?その剣を折れていないと言い張るのであれば、私に届かなくては意味が無い物であることを理解せよ』
「伝説の剣のことでも無いさ」
また一つ、勇者様なら魔王を倒すと言う声が聞こえてくる。
僕は、全人類の希望じゃなくてもいい。
ただ、僕を希望と捉えてくれる人々に応えられる存在であればそれでいい。
この勇気も、この場限りの物で良い。
この魔王に打ち勝つだけの勇気を、この場に勇者として立つに相応しい勇気を。
映像が増えていく、そこに映っているのはどれも見たことがある人ばかりだ。
「おい勇者、絶対に負けられない環境、作ってやろうか?」
商人の彼の言葉に、僕は苦笑しながら応える。
「絶対に負けないじゃないんだね」
「負けられないってことは、負けないだろうよ、勇者なら」
「違いないや」
気が付けば、まるで僕の背後を守る壁の様に、多くの映像が映し出されていた。
笑いながら僕の活躍を語る者、泣きながら僕の無事を祈る者、活発に僕の真似ごとで遊ぶ者、平和を取り戻し僕への感謝を捧げる者、色々な人が僕を想ってくれている。
なるほど、これは負けられないや。
「教えてあげるよ魔王、折れない物を」
『…』
一歩を踏み出す、身体から力が湧いて来る。
一歩を踏み出す、背後から聞こえる声が遠くなる。
一歩を踏み出す、戦いの場所が近付いて来る。
「僕等の心は折れない、幼馴染も、魔法使いも、冒険者さんも、そして勇者も!!」
伝説の剣を強く握り、未だ光ることを止めぬ刀身を突きつけて魔王に告げる。
「さぁ始めよう、希望で絶望を照らす戦いを!」
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