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第三章 商会を束ねる者
第五十一話 小鬼
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「はぁっ…はぁっ…」
腕が、重い…戦い始めてから何分経ったのか分からない、下水道は広くて、逃げる小鬼を追い駆けたりして何とか跡を付ける事は出来ているけれど、ギル兄がいなかったら絶対にやられていた。
「アル、アリスから光魔法のイメージは教わっているだろ、人体構造もイメージで伝達されているハズだ。それでなんとか持ち直せるか?」
ギル兄に言われるまで、魔法の存在を忘れていた位に僕は剣を振り続けていた。
いや、僕の感覚で振り続けたというレベルだ。
現にギル兄は疲れすら見せていない。
「や、やってみる―――ふぅ―――」
集中して、自分の掌と、腕の根元、そして腱の部分に魔力を持って行く。そして、光魔法と水魔法、正確にはその二つからなる魔法なのだけれど、二つを同時に発動すると考えるのでは無く。最初からこの魔法はこの使い方なんだと思い込み、剣技における一つの型の様に覚え込んでいる。
癒すというよりも、水魔法をずっとそこに使用し続ける感覚。膨大な量を使わなくていい、ただそこに負荷を掛けない様にするだけでいい。
「…うん、ちょっとだけど、マシになってきたかな」
「まぁ、俺の回復魔法も今度教えてやるよ、影魔法だし光と水の混合よりは使いやすいぞ」
「…分かった」
そっか…そういえばギル兄は光魔法が使えないのに僕との修行の時に回復をしてくれていたし、何かやり方があるんだろうな。
…自分の持てる物をフルに活かしてるんだ…じゃないと、多分そこまで思い付く事は出来ない。
「おっと、また一匹来たか…よっと」
そして、ツ―ハンデッドソードが使えない様な狭い通路では魔法で対処する。凄くシンプルに見える影から棘を突き出す魔法だけど、何故かアレを使う時はツ―ハンデッドソードの持ち方を変えて、それに合わせて形を変えるギル兄の影のツ―ハンデッドソードに当たる部分から棘が出現している。
戦いの中で工夫しているんだ。
見習って、僕も出来る事を増やさないと。
暗い下水道の中で、小鬼は四方八方から押し寄せて来ては一定間隔で逃げていく。
波状攻撃…っていうんだっけ、なんだかまるで、高い知性を持っているヤツが操っているみたいだ。
「俺は火を付けてくるから少し休んでろ」
「う…うん…」
小鬼であっても元は生きていた存在、放っておけば歩く死骸として復活してしまうのだという。特に、こういった下水道の様に流れる物があって、人の居住空間が近い場所は残留している魔力が多くて危険だって言ってた。
壁に背を預けて一息吐いていると、何かが僕の方に向かってくる音が聞こえた。
素早く剣を構えたけれど、そこには何も居ない様に見えた。
だけど、僕の背に何かの衝撃が走った。慌てて振り返ると、小鬼の外見をしているけれど色の黒い小鬼がそこにいた。
「―――けほっ、確か、暗・小鬼?陰からの奇襲を得意とするって…そうか、マントが防いでくれたんだ」
防具を新調して良かった。それが実感できた。
ギル兄が火を付けると言ったのは先程の一体を相手にした言葉では無く。ここまでの数匹の事だろう。だから戻って来るまでに倒すのがベストだ。
僕の背が134cmで、少し小さい位の暗・小鬼は110cm程だろうか。両手にくたびれたダガ―を持っているし、他の小鬼よりも明らかに腕と足が長い…リーチに注意しないと。
だけど、僕もギル兄の戦いの傍らで、夢中で剣を振りながら何も学んでいなかった訳じゃない。僕は背が低いから、それに合わせてリーチも短い、そのリーチを伸ばす方法を―――ずっと考えてた。
「――――ふぅ、水」
足元に水を生み出して、それを捻じり捻じり、剣へと巻き付けていく。固定させるのでは無く。常に流れ刀身を中心に渦を巻く様に・・。
「よし、―――次に、雷」
そして、微弱な電気しか生み出せないまでも、水を介してどんどん充電していく。僕の手元に生み出すんじゃなくて、剣に纏わせながら充電する。
「出来た…けど―――これ、凄い集中する必要が―――」
ここからは、喋れない。
だけど、相手は暗・小鬼、喋る必要も―――無い。
暗・小鬼が右足を前に、左足を後ろに広くスタンスを取った。視ただけで分かる。右足に重心を寄せれば僕の方に近付くけれど、左足に乗せれば遠のく。僕から攻めてくる事を前提とした構えだ。
現に、この魔法を維持する為には集中力が必要だから必然的に攻める必要がある。
それが分かっているのだから、攻めるだけだ。必要なのは、相手の…暗・小鬼の想像力を、思考を上回る事。
―――相手が格上だからどうした。戦おう。その為に僕は剣を握っているんだから。
――――――――
今日多分、馬鹿みたいに更新するので申し訳ございません。
めちゃくちゃ正直に告白するとアル君とギル兄のBLが書きたいです(ド正直)三万文字くらいで。
腕が、重い…戦い始めてから何分経ったのか分からない、下水道は広くて、逃げる小鬼を追い駆けたりして何とか跡を付ける事は出来ているけれど、ギル兄がいなかったら絶対にやられていた。
「アル、アリスから光魔法のイメージは教わっているだろ、人体構造もイメージで伝達されているハズだ。それでなんとか持ち直せるか?」
ギル兄に言われるまで、魔法の存在を忘れていた位に僕は剣を振り続けていた。
いや、僕の感覚で振り続けたというレベルだ。
現にギル兄は疲れすら見せていない。
「や、やってみる―――ふぅ―――」
集中して、自分の掌と、腕の根元、そして腱の部分に魔力を持って行く。そして、光魔法と水魔法、正確にはその二つからなる魔法なのだけれど、二つを同時に発動すると考えるのでは無く。最初からこの魔法はこの使い方なんだと思い込み、剣技における一つの型の様に覚え込んでいる。
癒すというよりも、水魔法をずっとそこに使用し続ける感覚。膨大な量を使わなくていい、ただそこに負荷を掛けない様にするだけでいい。
「…うん、ちょっとだけど、マシになってきたかな」
「まぁ、俺の回復魔法も今度教えてやるよ、影魔法だし光と水の混合よりは使いやすいぞ」
「…分かった」
そっか…そういえばギル兄は光魔法が使えないのに僕との修行の時に回復をしてくれていたし、何かやり方があるんだろうな。
…自分の持てる物をフルに活かしてるんだ…じゃないと、多分そこまで思い付く事は出来ない。
「おっと、また一匹来たか…よっと」
そして、ツ―ハンデッドソードが使えない様な狭い通路では魔法で対処する。凄くシンプルに見える影から棘を突き出す魔法だけど、何故かアレを使う時はツ―ハンデッドソードの持ち方を変えて、それに合わせて形を変えるギル兄の影のツ―ハンデッドソードに当たる部分から棘が出現している。
戦いの中で工夫しているんだ。
見習って、僕も出来る事を増やさないと。
暗い下水道の中で、小鬼は四方八方から押し寄せて来ては一定間隔で逃げていく。
波状攻撃…っていうんだっけ、なんだかまるで、高い知性を持っているヤツが操っているみたいだ。
「俺は火を付けてくるから少し休んでろ」
「う…うん…」
小鬼であっても元は生きていた存在、放っておけば歩く死骸として復活してしまうのだという。特に、こういった下水道の様に流れる物があって、人の居住空間が近い場所は残留している魔力が多くて危険だって言ってた。
壁に背を預けて一息吐いていると、何かが僕の方に向かってくる音が聞こえた。
素早く剣を構えたけれど、そこには何も居ない様に見えた。
だけど、僕の背に何かの衝撃が走った。慌てて振り返ると、小鬼の外見をしているけれど色の黒い小鬼がそこにいた。
「―――けほっ、確か、暗・小鬼?陰からの奇襲を得意とするって…そうか、マントが防いでくれたんだ」
防具を新調して良かった。それが実感できた。
ギル兄が火を付けると言ったのは先程の一体を相手にした言葉では無く。ここまでの数匹の事だろう。だから戻って来るまでに倒すのがベストだ。
僕の背が134cmで、少し小さい位の暗・小鬼は110cm程だろうか。両手にくたびれたダガ―を持っているし、他の小鬼よりも明らかに腕と足が長い…リーチに注意しないと。
だけど、僕もギル兄の戦いの傍らで、夢中で剣を振りながら何も学んでいなかった訳じゃない。僕は背が低いから、それに合わせてリーチも短い、そのリーチを伸ばす方法を―――ずっと考えてた。
「――――ふぅ、水」
足元に水を生み出して、それを捻じり捻じり、剣へと巻き付けていく。固定させるのでは無く。常に流れ刀身を中心に渦を巻く様に・・。
「よし、―――次に、雷」
そして、微弱な電気しか生み出せないまでも、水を介してどんどん充電していく。僕の手元に生み出すんじゃなくて、剣に纏わせながら充電する。
「出来た…けど―――これ、凄い集中する必要が―――」
ここからは、喋れない。
だけど、相手は暗・小鬼、喋る必要も―――無い。
暗・小鬼が右足を前に、左足を後ろに広くスタンスを取った。視ただけで分かる。右足に重心を寄せれば僕の方に近付くけれど、左足に乗せれば遠のく。僕から攻めてくる事を前提とした構えだ。
現に、この魔法を維持する為には集中力が必要だから必然的に攻める必要がある。
それが分かっているのだから、攻めるだけだ。必要なのは、相手の…暗・小鬼の想像力を、思考を上回る事。
―――相手が格上だからどうした。戦おう。その為に僕は剣を握っているんだから。
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今日多分、馬鹿みたいに更新するので申し訳ございません。
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