幽霊だらけの古代都市!発達した呪術国家で、破滅的な未来なんて蹴り飛ばせっ! 幽霊たちと一緒に、ワクワクしながら元気に走り回るっっ!!!

折紙いろは

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第七章 鬼退治とお泊りパーティー

第70話 歌子グループ、スズネグループ!

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 結局、3つの憶え屋に的を絞ることになった。 集まった人たちを3グループに編成して、手分けして探すことにしたのだ。
 グループ1は歌子がリーダーで、小春が先陣を切って進んでいくらしい。 行くわよみんな、おーっ!!!
 グループ2にはスズネやタンポポちゃんがいて、少し世間話でもやれそうだ。 ボソボソ……うんうん、そうだねえ。
 グループ3にはナツミやユメなどがいて、一触即発な感じである。 夢見酒ゆめみざけがどうのこうの……ハハハ、馬鹿じゃないのあんた!w

 計画を立てていたら、既に辺りは暗くなっていた。 もう夜半やはん警備隊が巡回していて、辺りをうろうろと歩き回っている。

 街のある場所で、歌子グループがいた。 陰に隠れて辺りをうかがっているみたいだ。
 もう暗くなっており、街の中はしんと静まり返っている。 虫の音や小動物の音だけが、小さくなっているのが聞こえる。

「……よし、じゃ、行こうっ」

 歌子は掛け声を小さく出して、後ろを振り返った。
 後ろには生身なまみ友達のツムギちゃんがいて、妹がいて、一番うしろには物静かすぎるクルミがいて……。 ……あれ? 誰か足りない。
 と思っていたら、誰かが目の前を通り過ぎていった。
 見ると小春だ、何事も無いかのように建物の影を出ていって、散歩をするように気軽な感じで歩いていく。 ふふーん♪♪……さて、今日はどこに行こうかしら。

「え? 小春っ!」

 ちょっと! なんで、一人で飛び出してんのっ!?
 びっくりして呼び止めるが、小春は気にしていないようだ。 歩きながら振り返ってきて、道端の猫でも見るようにこっちを見る。

「ん? あんたたち、何こそこそしてんの」
「えっ?w」

 憶え屋までは隠れて行くって、さっき言わなかったっけ。
 計画を立ててるとき、小春もさんざんどうやって隠れるかをワクワクして話してたのに。 楽しくなって浮かれちゃって、もうどうでもよくなったのかな。
 気づけば妹も、元気に飛び出していっていた。 陰からぴょーんと出ていくと、元気に手足を振って小春の横についていく。

「堂々としてればいいじゃない、ねえ? 妹ちゃん」
「おうよっ!」

 妹は手足を元気に振って、隣で一緒に歩いていく。 ちょっと、妹ーっ!! あんたまでおかしくなったなんて、やめてよっ!!

「えっ、ちょっと!w」
「そうだ、歌でも歌おうかしら。 らららー♪」
「らららー♪」

 もうめちゃくちゃだっ! 小春と妹は歌を歌いながら、楽しそうに歩いていく。 2人のにぎやかな歌声が、街中に響きだした。
 私とツムギちゃんは慌てて前に出ていって、さえぎるように手足をばたつかせた。

「小春っ! まずいって、見つかったら……」

 その時、遠くから別の人の視線を感じた。 はっと見ると、向こうのほうで人の動きがあるのに気づく。 夜半警備隊だっ!!ww ヤバいっ、こっち見てるっ!!!

「あっ! ヤバっ!」
「おい、お前らっ!」

 警備隊の人は、大声を出してこっちに呼びかけてきた。 来たーっっ!!ww 小春、逃げるよっ!!
 私は、思わず小春の腕を引っ掴んで走りだす。

「ちょっと、何よ! ……え、何? 逃げるの? ……逃げるわよっっ!!!!」

 小春の叫び声とともに、5人は全速力で走りだした。 ぎゃーっと叫びながら、夜の街を一目散いちもくさんに逃げていく。



 遠くで、叫び声が聞こえた。 スズネグループは、思わずふと足を止める。

「……え、何? 今の」

 スズネがそらを見上げて、顔をしかめる。 その横にはミツバや、歌子の弟がいるみたいだ。 陰にはこそっとタンポポちゃんがいて、一緒についてきている。
 ぱっと見、ちょっとした家族みたいなグループだ。 ミツバがお父さんで、スズネがお母さんで……いや、ありえないか、ははっ!!w

 今は潜入中のようで、一行は物陰に身をひそめているようだ。
 遠くの叫び声を聞いて、弟は眉をひそめていたが、この子も妹と同じで適当な性格なのか、気を取り直したように言った。

「ま、気のせいだろ!」
「……そうだな!w」

 スズネは笑って、そのノリに乗っかっていく。 そうだ、聞かなかったことにしよう! どう考えても、小春たちの声だったけど。

 一行は角を曲がり、次の物陰へと進んでいく。 弟は飛び出していき、真っ先に行こうとする。
 弟はさっきからこんな調子だ。 元気だなあ、どんどん先に行きたいみたいだ。 その後を追ってミツバが、お父さんみたいな感じでついていく。
 私が歩く後ろには、タンポポちゃんがいた。 いつものように静かに喋らず、黙って足を動かしてついてくる。

「そういえばタンポポちゃん、精神科の仕事、やることになったんだって?」

 小さく跳ねるような足取りで歩いていたタンポポちゃんは、顔を上げて頷いた。

「うん」
「へえ、すごいね。 ……ていうか、精神科って、本当にあったんだね」

 意外なように呟いていると、前を歩いていたミツバが会話に入ってくる。

「そりゃ、そうだろ。 街中でも、色んなところで、相談してくださいって書いてんだから」
「うん、そうなんだけどw」

 街中には、精神科のポスターが大量に張ってある。 まあ、あれだけ張ってれば当然かw
 今となっては、まぼろしの精神科とか言って面白がってたのが、懐かしく思えてくる。

 話をしながら、私は再び物陰に隠れていった。
 ぼんやりと辺りの様子をうかがっていると、タンポポちゃんが近くに来た。 私のそばに、身を寄せるようにしてしゃがんでくる。

「……スズネのおかげ……」

 ぼそっと、タンポポちゃんがつぶやくように言った。 辺りを眺めていたスズネは聞き取れず、振り返って聞き返す。

「……え?」
「スズネのおかげで、みんなと一緒になれた。 ……私のこと、言ってくれたんでしょ?」

 まあ、それは事実なんだけど。
 あの騒動の後、何かタンポポちゃんが出来る仕事がないか、色んなところに聞いて回ったのだ。 別に頼まれたわけじゃないけど、そっちの方がいいかもって……。
 タンポポちゃんも、それまでの生活に納得いってなかったみたいだし。 外に出られて、感謝されるのは普通なのかもしれない。
 ……でも、やきもきするのはなんでだろう? こんな話を聞いてると、なぜだか胸がモヤモヤしてくる。
 変な感覚を覚えつつ、再び陰を出て歩きだしながら、私は頷く。

「……まあ、うん」
「ありがとう」

 ぼそっとした言い方だったが、今度は聞き取れた。 歩きながら振り返ると、タンポポちゃんは私を見ていた。 真っ直ぐに見つめてきて、心からの言葉のようだ。

「あぁw ……うん……」

 私は妙に落ち着かなくなり、ちょっと笑ってごまかした。
 ……なんで、気分が悪くなるんだろう? タンポポちゃんが街に参加するようになったのは、私も嬉しいはずなのに……。
 複雑な感情を抱えながら、スズネは前を見て、黙って進んでいく。
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