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第九章 未来へ
第96話 ソラっっ!!!
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一行は真夜中の200年前を疾走して、降霊洞穴にたどり着いた。 全速力で走っていたスズネたちは、そのままの勢いで洞穴へと入っていく。
降霊洞穴の中は、夜ということもあり真っ暗だった。
スズネは中に入ると、手早く懐を探って小道具を取り出していった。 タバコのような細い棒だ。 それを手に持って空気をシャッと引っかくと、激しい閃光が一瞬散って、キラキラと光り輝く炎が手元に現れた。
スズネはそれを掲げながら、素早く洞穴の階段を駆け下りていく。
横の壁には、階段に沿って巫女たちが生活する小部屋が並んでいた。 修行中の巫女たちが寝ているのが見えていて、かすかに寝息が聞こえてくる。
一見穏やかだが、しかし暗い静けさと重い空気が辺りを包んでいるようにも感じてくる。
この時代は、災害続きで食料が少なかった。 加えてここにいる巫女たちは修行中で、誰もまともに降霊術を使えなかったらしい。
彼女らは重いプレッシャーの中で、毎日たくさん修行をしているんだろう。 見れば巫女たちはピクリとも動かず、死んだように眠っている。 疲れ切っていて、生気すら薄くなっているようにも感じられるのだ。
しかし、今はそんなこと関係ねえっ!
スズネはお構いなしにドタドタと足音を鳴らして、叫びながら階段を駆け下りていった。
「カナターっっ!!!!」
ドタドタ、バタバタっっ!! 続けて小春やイトたちも、足音を鳴らしながら階段を下りている。
ただならぬ気配を感じて、巫女たちが少しずつ起き出した。
うーん、ちょっと何? なんかうるさいんだけど……うわ、まぶしっ! そんな感じでのっそりと起き上がって、階段のほうを振り返っている。
今まで洞穴の中は静かで暗かったから、よけいに騒がしさが際立っているみたいだ。
スズネは名前を呼びながら小部屋を確認していき、一つの小部屋の前で立ち止まっていった。
「カナタっ!」
小部屋の中には、背中を丸めて転がった小さな男の子がいた。 他の巫女とは違って、修行中ではなくちゃんとした巫女服を着ている男の子だ。
この時代には、一人だけ修行中ではなく正式な巫女がいた。 それは、じつはカナタのことだったのだ。
カナタだけは修行を終えていたが、単に力が不足していて、まともに降霊術を使えなかったらしい。
目の前のカナタの巫女服はボロボロで、すり切れていた。 おそらくこの災害続きの中でも、激しい修行をしているんだろう。
寝息一つ立てずに身を縮めて眠っていたカナタだったが、自分を呼ぶ声に反応してピクっと体を動かした。 身を起こして眠い目をこすりながら、扉の方を振り返る。
「うーん、……あれ、スズネさんたち」
「ねえ、ソラがどこで死んだか、知らない? また、死ぬかもしれなくて」
また死ぬって……。 本人たちは真面目だが、意味わからない会話にも聞こえる。
スズネが扉を開けていきながら聞くと、カナタはきょとんとした顔で答えた。
「ソラさん? たしか、東の海岸だったと思うよ。 ……え、また死ぬ?」
気づけば、他の修行中の巫女たちも、起き出して近くに集まってきていた。 2人の会話を聞いて、何が何やらといった様子で首をかしげている。
「……何の話?」「ていうかソラって誰?」「とりあえず寝ていい?」そんな感じだ。
わけ分かんないだろうけど、説明する暇なんてねえっ! スズネは周りの戸惑いを無視して、再び階段を勢いよく上がり始めた。
ついでに後ろを振り返って、カナタへ場所の案内を頼んでいく。
「ちょっと、案内して!」
カナタは事情が分からないながらも部屋を出て、慌ててスズネの後を追っていった。 周りの視線を置き去りにして、慣れた足取りで階段を上がっていく。
イトや小春たちも再び階段を走って上がっていると、状況を見ていた巫女の一人が、大声を出して聞いてきた。
「ねえ、私たち、なんか手伝えることないの?」
そういって、階段を見上げて一行に聞いてくる。
状況は全く分からないだろうし、知り合いでもない。 なのに、巫女たちはなぜか協力的なようだ。 スズネたちが大変な状況にあると感じて、手伝いを申し出てくれているんだろうか。
ソラたちが隠れて生きていた時にも、ここの巫女たちは、ただでさえ少ない食料を分け与えてくれたりなどの話もあった。
自分たちが生きているのにも限界ギリギリだというのに、ここの巫女たちはなぜこんなに優しくいられるのだろう。
階段を上がっていたイトは振り返ると、大声で返事をした。
「ハルに聞いて! ごはん、作ってるみたいだから、それ手伝って!」
それを聞いた巫女たちは分かったと答えると、なぜだか楽しそうに動き始めた。
どうやら街の長のハルが中心となって、また何かが裏で進行しているらしい。 よく分からないがごはんを作っていて、巫女たちも一緒に協力してくれることになったみたいだ。
一行は階段を上りきると、降霊洞穴を出ていった。
洞穴の影を抜けて外に出ると、辺りは日の光で満ちていた。 青空が広がっていて、爽やかな空気が流れてくる。
向かうは、東の海岸だっ!!
場所は変わって、東の海岸。
細い崖の上に、一人の女の子が立っていた。
目の前には海があり、高いところからの景色が広がっている。 いま女の子は海のほうを見つめて、じっと静かに立っていた。
女の子は不思議な模様の服装に身を包んでいて、まるで未来から来た人のようだ。
どうやら、これがソラみたいだ。
今までさんざん情報だけは聞いてきたが、見た目は特に情報と違いはないらしい。 性格は素直で明るいと聞いていたが、今は静かに立っているだけで、それをうかがうことは出来ない。
今からまさに海に飛び降りるところのようで、ソラは静かな表情で海を見つめていた。
近くには、他にも大人の男の人が数人立っていた。 たぶん村の偉い人たちで、これからソラが飛び降りるのを確認するためにいるんだろう。
少し、不思議な感じもする。
今はソラは一人で死のうとしているのか、生け贄で死のうとしているんだろうか、どっちなんだろう?
でも、意外とどうでもいいのかもしれない。
2つの状況が重なって見えるが、不思議とどうでもいいようにも思えてくる。
全ての時代や状態が混ざり合い、同時に整合性をたもって物事が進んでいるようにも感じられてくるのだ。
少しの間、海を眺めていたソラだったが、ゆっくりと足を進め始めた。 一歩ずつ崖の先端に近づいていき、遠くまで広がる海へと近づいていく。
風が流れるように吹いてきて、ソラの服を激しくなびかせた。 風は殴るように吹きつけているが、ソラは全く気にしようとしない。 静かな表情のまま歩き続けて、まっすぐに崖の先端へと向かっていく。
ソラはいま、何を考えているんだろう。
死にたがりだという話だったが、表情からはまるでその様子を読み取ることは出来ない。 ただ何も感じていないかのように、静かに自分の死へと向かっているだけに見える。
やがて先端に訪れると、ソラはわずかに腕を広げていった。 目の前には、もう空しか見えない。 落ちていくというのに、空にそのまま抱かれていくようだ。
同時にソラの服の裾が揺れていき、小さくちらちらと不思議な光のようなものが辺りに舞った。 透明な雲のような光のかけらが身を包むように現れ、ソラの姿がかすみ始める。
まるで空中に分解されるように、ソラの姿が細かく、曖昧になっていく。
「ソラあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
突然、辺り一面に、激しい女の子の声が鳴り響いた。
見ると、スズネが崖の所へと走ってきていた。 まるでレギュラーをかけたラグビー部員のように全力で汗を流して、息を切らして走ってくる。
来たぜ、ソラっっっっっ!!!!!!!! スズネ様のご到着だぜっっっ!!!!wwww フォォォアアアアッツッッ!!!!!!!www
……うわっ、でも危ないっっ!!!
気づけば、ソラの体はもう空中に投げ出されようかというところだった。 足元は先端に到達していて、もう下へと落ちるだけだ。
ほとんどバランスを崩しかけていたソラだが、突然の状況にびっくりしたらしい。 空中に落ちていきながらも、へ?と間抜けな声を出して振り返った。
やばいっっ!!!!
スズネはギリギリまで迫りながらも、もう引き止めるのは無理だと判断したのか、思いっきり突進してソラに体当たりを浴びせていった。
気づけば、2人が崖から落ちていた。 死にかけているというのに、「あ」とか適当なつぶやきを発するソラと、スズネは一緒になって落ちていく。
速度が一気に上がり、風が真下から吹いてきた。 スズネはぎゅうっとソラをかたく抱きしめながら、必死に目を開けた。
見ると、目の前には崖から張り出した巨大な岩が見えていた。 これがソラを殺した岩か。 ぜったい死なせるもんかっっ!!!!! スズネはタイミングよく、思いっきり足を出して岩を蹴り飛ばす。
ギリギリでぶつかるのを回避して、2人でそのまま落下していく。
落ちていきながら、スズネはソラの体を強く抱きしめた。
今まで話したかったのに、話せなかったソラ。 今まで触れたかったのに触れられなかった、ソラの体。 ……ソラっ……。 ソラっ……!!
スズネは目をかたく閉じて、落ちれば落ちるほど強く抱きしめていく。
そのまま落ちていって……。
どさっと、衝撃が吸収された。
「……っつー……!」
気づくと、私たちは生きていた。 ……あれ、生きてんの? なんで?
見ると周りには網の目のようなものがあり、私たちはそれにからめとられていた。 状況を確認する間もなく、いきなり近くから高い笑い声が聞こえてくる。
「なんか、増えたんだけどっw!」
そういって、楽しそうに状況を笑うような声が耳に入ってくる。
聞き覚えがあると思ったら、見ると近くにはナツミがいた。 はははと大声で笑いながら、手を叩いて頭を振り乱して爆笑している。
辺りを見ると、他にも見知った人たちがいるようだった。 この200年前出身の、ヒノキや千代の姿もある。
そうか、この時はヒノキたちが、落ちてくるソラを助けたんだった。 今の今まで夢中で動いてて、すっかり忘れていた。
聞いていた通り、崖の下に救出セットを設置していたらしい。 崖の上から落ちてくる2人を、網を使って受け止めたようだ。
周りにはごつごつした岩がたくさんあり、網の下にはすぐそこに海が見えていた。 かなりきわどいところに、救出セットを設置していたみたいだ。
近くには、髪ボサボサのマツリの姿もあった。 救出セットを急いで片づけようとしていたみたいだが、気が抜けたようにその場に立ち尽くしている。
これだけ派手にやると、もう助けようとしたのは隠しようがないんだろう。
そんなところへ、ふと上の方から声が聞こえた。 崖の上の方から、小さな声が聞こえてくる。
「おーい。 ……大丈夫かー」
見上げると、崖の上の方から呼びかけてきている人がいた。 ソラが飛び降りた時に近くに立っていた、村の偉い人たちのようだ。 落ちた2人を心配して、呼びかけて呼びかけてきているらしい。
ナツミは上を見上げると、笑って楽しそうに口調を真似した。
「大丈夫かーw ……大丈夫なわけ、ねえだろっ!」
かと思うといきなり豹変して、地面に向かって激しく悪態をつく。
生け贄の決定を下したのは、村の大人たちだ。 その人たちに心配されるのは、まったく筋違いなのだ。
「スズネっ! あんた、大丈夫?」
気づけば崖の下には、小春たちも向かってきていた。 岩がゴロゴロになっているところを、なんとか足場を探して下りてきているのが見える。
カナタやイトたちも崖を下りて来ていて、みんなで落ちた2人を心配しているようだ。
救出セットの網はまだ片づけておらず、上にはまだ2人が乗っていた。 スズネはソラの体を抱きしめたまま、頭を預けるようにして覆いかぶさっていた。
スズネは力が抜けて、疲れた顔をしていた。 やっとソラに会えて、飛び降りたのを助けられて……。 色んな状況がぐちゃぐちゃになって、もう何を考えていいのやら分からないといった表情だ。
一方でソラは、網の上で仰向けで寝ころんだまま、辺りを見回して状況を楽しむようにして笑っている。 こちらはなんだか楽しそうで、いい意味で力が抜けている感じだ。
そんなソラを見て、何を思ったのか、スズネは顔を持ち上げていきなり大声でキレ始めた。
「ねえ、わたしソラのことが、全然分からないよっ!」
「……え?」
いきなり目の前で怒鳴るように言われて、ソラはきょとんとしている。 スズネはどうやら、衝動的に今まで思っていたことをぶつけたくなったらしい。
ソラは聞いた話では、死にたがりだということだった。 死に抵抗がなくて、自分から生け贄になると進み出た……。 それって結局、どういうことなんだろう?
とりあえずスズネは、全く理解できないようだった。
問いかけるような口調なのに、理解するつもりはないと言わんばかりに、激しい口調で唾を思いっきり顔面に吹きつけながら続ける。
「なんで、自分で死ぬなんて、言えるの?! 私だったら、絶対無理っっっ!!!!!」
下には海が見えていて、波が岩に打ちつけている。 陸に戻ってからやればいいのに、スズネはいま言わないと満足できないみたいだ。
しかしソラは話がよく分からないようで、なんでもないことのように適当に答える。
「うーん……でも、もう、満足したべ?」
「満足、してないよっっ!!!! もっとたくさん、楽しいことあるじゃん! ソラは、全然満足してないっっっ!!!!!!」
意味不明に断言しながら、スズネは顔をくしゃくしゃにして叫んでいる。 もはや勢いがありすぎて目までつぶっていて、目の前のソラが見えているかも分からない。
自分のことでもないのに一生懸命に言ってくるスズネを見て、ソラはなんだかおかしくなったようだった。 ぽかんと口を開けて黙っていたのに、突然豪快に笑い始める。
あははと大きく、乾いたような、軽やかな笑い声が辺りに響き渡った。 ソラは楽しそうに、スズネの頭をぐいと力強く引っ張り、抱きかかえるようにして笑っていく。
「そうだな! その通りだっ!」
そういってスズネを抱きしめていくソラは、どこか不思議な柔らかさで満ちているようだった。
空気を穏やかに吸い込み、吹きつける風をそのままにして、人の手を受け入れて……。 そこにいるはずなのに、まるで自然に溶け込んでいるかのようだ。
おおらかで、色んなものを受け入れて、ただありのままに全てを肯定する。 もしかしたらソラの性格は、そういうものなのかもしれない。
生け贄を歓迎して受け入れたのも、満足だと言って自分で死ぬのも、ただその性格のためなのかもしれない。
しかし、ソラは生きていた。
今まで情報だけで姿が見えなかったが、いざ目の前に現れると生き生きと動いている。 軽やかに元気に笑い、スズネを衝動的に抱きしめて、言葉に反応して笑いかけている。
間違いなく血がドクドクと流れていて、温かく脈動している命だ。
生きたがりのスズネも、死にたがりのソラも、2人は同じように生きていたのだ。
2人は網から起き上がると、他の人たちが見守る中で地面に降りたっていった。
気づけば、その場には街の長のハルの姿もあった。 目的を終えたスズネはゆっくりと歩きだし、他の人たちに近づいて声をかける。
「ハル、あとは頼んだよ。 ……小春たちも、ありがとう。 ……ちょっと私、行くところあるから。 先に戻って、一緒にごはん作ってて」
またごはんを作るという話が出たが、みんなでまたお泊りパーティーでもやるんだろうか。 ソラを助けて赤飯でも炊くということだろうか。 よーっし、炊こうぜっっ!!! 今夜はお祝《いわ》いだっっ!!www
スズネはそう言い残して、一人でスタスタと歩き始めた。 一人でその場に背を向けて、崖をふたたび上ろうと歩いていく。
……ん? スズネの様子が、少し変だ。
まったく他の人を見もしないで、崖の方へと一直線に向かっているが、動きがカチコチに固くてぎこちない感じだ。
それに今サラッと言ったが、一人で行く所があるとはどういうことだろう。
小春は気づかないようだ。 気持ちよさそうに伸びをして、はー!と息を吐いている。 あぁ、良かったわっ! 無事にソラのことも片づいたし、すっきりしたっ!
「さー!! 一件落着っ! ……あれ?」
しかし気づくと、周りの人はみんな黙ってスズネの後姿を見つめていた。
スズネは崖にかじりついて、一人で上り始めたところのようだ。 不安定な足場に、足をガクガクさせながら、「うわっとっ!!」とか独り言を言いながら上っている。
少しだけ、妙なふるまいのように感じられる……。 もしかしたら、スズネは何か隠し事でもしているんだろうか。
今までスズネは、心の中での動揺を隠すために、ことあるごとに自然なふるまいを装ってきたようだった。 しかし実際には、スズネは装うのが下手くそだったのかもしれない。
今も崖を上りながら、「あーこりゃ、明日は筋肉痛だなー。 ははっ!!ww」とかブツブツ言いながら、派手に演技をしている感じが見え見えである。
「え? どうしたの?」
それでも小春は気づかないようだ。 きょとんとした顔を浮かべて、隣のミツバに聞いている。
しかし聞かれても、何と答えればいいのか分からない。 この状況でもしスズネが隠し事をしていても、別にみんなにはどうでもいいからだ。
スズネはこの時代の人だし、自分でやりたいことが何かあるんだろう。 他の人に、知られたくないことなんだろうか。
ミツバは、首をひねるようにして答えた。
「いや……なんか。 うーん」
「なんなのよ! ほら、早く行くわよっ」
そういって小春は、一人でズンズンと崖を上り始めていく。
他の人たちは少しだけスズネの後姿を見つめていたが、やがて小春の後に続いて、崖を上り始めた。
降霊洞穴の中は、夜ということもあり真っ暗だった。
スズネは中に入ると、手早く懐を探って小道具を取り出していった。 タバコのような細い棒だ。 それを手に持って空気をシャッと引っかくと、激しい閃光が一瞬散って、キラキラと光り輝く炎が手元に現れた。
スズネはそれを掲げながら、素早く洞穴の階段を駆け下りていく。
横の壁には、階段に沿って巫女たちが生活する小部屋が並んでいた。 修行中の巫女たちが寝ているのが見えていて、かすかに寝息が聞こえてくる。
一見穏やかだが、しかし暗い静けさと重い空気が辺りを包んでいるようにも感じてくる。
この時代は、災害続きで食料が少なかった。 加えてここにいる巫女たちは修行中で、誰もまともに降霊術を使えなかったらしい。
彼女らは重いプレッシャーの中で、毎日たくさん修行をしているんだろう。 見れば巫女たちはピクリとも動かず、死んだように眠っている。 疲れ切っていて、生気すら薄くなっているようにも感じられるのだ。
しかし、今はそんなこと関係ねえっ!
スズネはお構いなしにドタドタと足音を鳴らして、叫びながら階段を駆け下りていった。
「カナターっっ!!!!」
ドタドタ、バタバタっっ!! 続けて小春やイトたちも、足音を鳴らしながら階段を下りている。
ただならぬ気配を感じて、巫女たちが少しずつ起き出した。
うーん、ちょっと何? なんかうるさいんだけど……うわ、まぶしっ! そんな感じでのっそりと起き上がって、階段のほうを振り返っている。
今まで洞穴の中は静かで暗かったから、よけいに騒がしさが際立っているみたいだ。
スズネは名前を呼びながら小部屋を確認していき、一つの小部屋の前で立ち止まっていった。
「カナタっ!」
小部屋の中には、背中を丸めて転がった小さな男の子がいた。 他の巫女とは違って、修行中ではなくちゃんとした巫女服を着ている男の子だ。
この時代には、一人だけ修行中ではなく正式な巫女がいた。 それは、じつはカナタのことだったのだ。
カナタだけは修行を終えていたが、単に力が不足していて、まともに降霊術を使えなかったらしい。
目の前のカナタの巫女服はボロボロで、すり切れていた。 おそらくこの災害続きの中でも、激しい修行をしているんだろう。
寝息一つ立てずに身を縮めて眠っていたカナタだったが、自分を呼ぶ声に反応してピクっと体を動かした。 身を起こして眠い目をこすりながら、扉の方を振り返る。
「うーん、……あれ、スズネさんたち」
「ねえ、ソラがどこで死んだか、知らない? また、死ぬかもしれなくて」
また死ぬって……。 本人たちは真面目だが、意味わからない会話にも聞こえる。
スズネが扉を開けていきながら聞くと、カナタはきょとんとした顔で答えた。
「ソラさん? たしか、東の海岸だったと思うよ。 ……え、また死ぬ?」
気づけば、他の修行中の巫女たちも、起き出して近くに集まってきていた。 2人の会話を聞いて、何が何やらといった様子で首をかしげている。
「……何の話?」「ていうかソラって誰?」「とりあえず寝ていい?」そんな感じだ。
わけ分かんないだろうけど、説明する暇なんてねえっ! スズネは周りの戸惑いを無視して、再び階段を勢いよく上がり始めた。
ついでに後ろを振り返って、カナタへ場所の案内を頼んでいく。
「ちょっと、案内して!」
カナタは事情が分からないながらも部屋を出て、慌ててスズネの後を追っていった。 周りの視線を置き去りにして、慣れた足取りで階段を上がっていく。
イトや小春たちも再び階段を走って上がっていると、状況を見ていた巫女の一人が、大声を出して聞いてきた。
「ねえ、私たち、なんか手伝えることないの?」
そういって、階段を見上げて一行に聞いてくる。
状況は全く分からないだろうし、知り合いでもない。 なのに、巫女たちはなぜか協力的なようだ。 スズネたちが大変な状況にあると感じて、手伝いを申し出てくれているんだろうか。
ソラたちが隠れて生きていた時にも、ここの巫女たちは、ただでさえ少ない食料を分け与えてくれたりなどの話もあった。
自分たちが生きているのにも限界ギリギリだというのに、ここの巫女たちはなぜこんなに優しくいられるのだろう。
階段を上がっていたイトは振り返ると、大声で返事をした。
「ハルに聞いて! ごはん、作ってるみたいだから、それ手伝って!」
それを聞いた巫女たちは分かったと答えると、なぜだか楽しそうに動き始めた。
どうやら街の長のハルが中心となって、また何かが裏で進行しているらしい。 よく分からないがごはんを作っていて、巫女たちも一緒に協力してくれることになったみたいだ。
一行は階段を上りきると、降霊洞穴を出ていった。
洞穴の影を抜けて外に出ると、辺りは日の光で満ちていた。 青空が広がっていて、爽やかな空気が流れてくる。
向かうは、東の海岸だっ!!
場所は変わって、東の海岸。
細い崖の上に、一人の女の子が立っていた。
目の前には海があり、高いところからの景色が広がっている。 いま女の子は海のほうを見つめて、じっと静かに立っていた。
女の子は不思議な模様の服装に身を包んでいて、まるで未来から来た人のようだ。
どうやら、これがソラみたいだ。
今までさんざん情報だけは聞いてきたが、見た目は特に情報と違いはないらしい。 性格は素直で明るいと聞いていたが、今は静かに立っているだけで、それをうかがうことは出来ない。
今からまさに海に飛び降りるところのようで、ソラは静かな表情で海を見つめていた。
近くには、他にも大人の男の人が数人立っていた。 たぶん村の偉い人たちで、これからソラが飛び降りるのを確認するためにいるんだろう。
少し、不思議な感じもする。
今はソラは一人で死のうとしているのか、生け贄で死のうとしているんだろうか、どっちなんだろう?
でも、意外とどうでもいいのかもしれない。
2つの状況が重なって見えるが、不思議とどうでもいいようにも思えてくる。
全ての時代や状態が混ざり合い、同時に整合性をたもって物事が進んでいるようにも感じられてくるのだ。
少しの間、海を眺めていたソラだったが、ゆっくりと足を進め始めた。 一歩ずつ崖の先端に近づいていき、遠くまで広がる海へと近づいていく。
風が流れるように吹いてきて、ソラの服を激しくなびかせた。 風は殴るように吹きつけているが、ソラは全く気にしようとしない。 静かな表情のまま歩き続けて、まっすぐに崖の先端へと向かっていく。
ソラはいま、何を考えているんだろう。
死にたがりだという話だったが、表情からはまるでその様子を読み取ることは出来ない。 ただ何も感じていないかのように、静かに自分の死へと向かっているだけに見える。
やがて先端に訪れると、ソラはわずかに腕を広げていった。 目の前には、もう空しか見えない。 落ちていくというのに、空にそのまま抱かれていくようだ。
同時にソラの服の裾が揺れていき、小さくちらちらと不思議な光のようなものが辺りに舞った。 透明な雲のような光のかけらが身を包むように現れ、ソラの姿がかすみ始める。
まるで空中に分解されるように、ソラの姿が細かく、曖昧になっていく。
「ソラあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
突然、辺り一面に、激しい女の子の声が鳴り響いた。
見ると、スズネが崖の所へと走ってきていた。 まるでレギュラーをかけたラグビー部員のように全力で汗を流して、息を切らして走ってくる。
来たぜ、ソラっっっっっ!!!!!!!! スズネ様のご到着だぜっっっ!!!!wwww フォォォアアアアッツッッ!!!!!!!www
……うわっ、でも危ないっっ!!!
気づけば、ソラの体はもう空中に投げ出されようかというところだった。 足元は先端に到達していて、もう下へと落ちるだけだ。
ほとんどバランスを崩しかけていたソラだが、突然の状況にびっくりしたらしい。 空中に落ちていきながらも、へ?と間抜けな声を出して振り返った。
やばいっっ!!!!
スズネはギリギリまで迫りながらも、もう引き止めるのは無理だと判断したのか、思いっきり突進してソラに体当たりを浴びせていった。
気づけば、2人が崖から落ちていた。 死にかけているというのに、「あ」とか適当なつぶやきを発するソラと、スズネは一緒になって落ちていく。
速度が一気に上がり、風が真下から吹いてきた。 スズネはぎゅうっとソラをかたく抱きしめながら、必死に目を開けた。
見ると、目の前には崖から張り出した巨大な岩が見えていた。 これがソラを殺した岩か。 ぜったい死なせるもんかっっ!!!!! スズネはタイミングよく、思いっきり足を出して岩を蹴り飛ばす。
ギリギリでぶつかるのを回避して、2人でそのまま落下していく。
落ちていきながら、スズネはソラの体を強く抱きしめた。
今まで話したかったのに、話せなかったソラ。 今まで触れたかったのに触れられなかった、ソラの体。 ……ソラっ……。 ソラっ……!!
スズネは目をかたく閉じて、落ちれば落ちるほど強く抱きしめていく。
そのまま落ちていって……。
どさっと、衝撃が吸収された。
「……っつー……!」
気づくと、私たちは生きていた。 ……あれ、生きてんの? なんで?
見ると周りには網の目のようなものがあり、私たちはそれにからめとられていた。 状況を確認する間もなく、いきなり近くから高い笑い声が聞こえてくる。
「なんか、増えたんだけどっw!」
そういって、楽しそうに状況を笑うような声が耳に入ってくる。
聞き覚えがあると思ったら、見ると近くにはナツミがいた。 はははと大声で笑いながら、手を叩いて頭を振り乱して爆笑している。
辺りを見ると、他にも見知った人たちがいるようだった。 この200年前出身の、ヒノキや千代の姿もある。
そうか、この時はヒノキたちが、落ちてくるソラを助けたんだった。 今の今まで夢中で動いてて、すっかり忘れていた。
聞いていた通り、崖の下に救出セットを設置していたらしい。 崖の上から落ちてくる2人を、網を使って受け止めたようだ。
周りにはごつごつした岩がたくさんあり、網の下にはすぐそこに海が見えていた。 かなりきわどいところに、救出セットを設置していたみたいだ。
近くには、髪ボサボサのマツリの姿もあった。 救出セットを急いで片づけようとしていたみたいだが、気が抜けたようにその場に立ち尽くしている。
これだけ派手にやると、もう助けようとしたのは隠しようがないんだろう。
そんなところへ、ふと上の方から声が聞こえた。 崖の上の方から、小さな声が聞こえてくる。
「おーい。 ……大丈夫かー」
見上げると、崖の上の方から呼びかけてきている人がいた。 ソラが飛び降りた時に近くに立っていた、村の偉い人たちのようだ。 落ちた2人を心配して、呼びかけて呼びかけてきているらしい。
ナツミは上を見上げると、笑って楽しそうに口調を真似した。
「大丈夫かーw ……大丈夫なわけ、ねえだろっ!」
かと思うといきなり豹変して、地面に向かって激しく悪態をつく。
生け贄の決定を下したのは、村の大人たちだ。 その人たちに心配されるのは、まったく筋違いなのだ。
「スズネっ! あんた、大丈夫?」
気づけば崖の下には、小春たちも向かってきていた。 岩がゴロゴロになっているところを、なんとか足場を探して下りてきているのが見える。
カナタやイトたちも崖を下りて来ていて、みんなで落ちた2人を心配しているようだ。
救出セットの網はまだ片づけておらず、上にはまだ2人が乗っていた。 スズネはソラの体を抱きしめたまま、頭を預けるようにして覆いかぶさっていた。
スズネは力が抜けて、疲れた顔をしていた。 やっとソラに会えて、飛び降りたのを助けられて……。 色んな状況がぐちゃぐちゃになって、もう何を考えていいのやら分からないといった表情だ。
一方でソラは、網の上で仰向けで寝ころんだまま、辺りを見回して状況を楽しむようにして笑っている。 こちらはなんだか楽しそうで、いい意味で力が抜けている感じだ。
そんなソラを見て、何を思ったのか、スズネは顔を持ち上げていきなり大声でキレ始めた。
「ねえ、わたしソラのことが、全然分からないよっ!」
「……え?」
いきなり目の前で怒鳴るように言われて、ソラはきょとんとしている。 スズネはどうやら、衝動的に今まで思っていたことをぶつけたくなったらしい。
ソラは聞いた話では、死にたがりだということだった。 死に抵抗がなくて、自分から生け贄になると進み出た……。 それって結局、どういうことなんだろう?
とりあえずスズネは、全く理解できないようだった。
問いかけるような口調なのに、理解するつもりはないと言わんばかりに、激しい口調で唾を思いっきり顔面に吹きつけながら続ける。
「なんで、自分で死ぬなんて、言えるの?! 私だったら、絶対無理っっっ!!!!!」
下には海が見えていて、波が岩に打ちつけている。 陸に戻ってからやればいいのに、スズネはいま言わないと満足できないみたいだ。
しかしソラは話がよく分からないようで、なんでもないことのように適当に答える。
「うーん……でも、もう、満足したべ?」
「満足、してないよっっ!!!! もっとたくさん、楽しいことあるじゃん! ソラは、全然満足してないっっっ!!!!!!」
意味不明に断言しながら、スズネは顔をくしゃくしゃにして叫んでいる。 もはや勢いがありすぎて目までつぶっていて、目の前のソラが見えているかも分からない。
自分のことでもないのに一生懸命に言ってくるスズネを見て、ソラはなんだかおかしくなったようだった。 ぽかんと口を開けて黙っていたのに、突然豪快に笑い始める。
あははと大きく、乾いたような、軽やかな笑い声が辺りに響き渡った。 ソラは楽しそうに、スズネの頭をぐいと力強く引っ張り、抱きかかえるようにして笑っていく。
「そうだな! その通りだっ!」
そういってスズネを抱きしめていくソラは、どこか不思議な柔らかさで満ちているようだった。
空気を穏やかに吸い込み、吹きつける風をそのままにして、人の手を受け入れて……。 そこにいるはずなのに、まるで自然に溶け込んでいるかのようだ。
おおらかで、色んなものを受け入れて、ただありのままに全てを肯定する。 もしかしたらソラの性格は、そういうものなのかもしれない。
生け贄を歓迎して受け入れたのも、満足だと言って自分で死ぬのも、ただその性格のためなのかもしれない。
しかし、ソラは生きていた。
今まで情報だけで姿が見えなかったが、いざ目の前に現れると生き生きと動いている。 軽やかに元気に笑い、スズネを衝動的に抱きしめて、言葉に反応して笑いかけている。
間違いなく血がドクドクと流れていて、温かく脈動している命だ。
生きたがりのスズネも、死にたがりのソラも、2人は同じように生きていたのだ。
2人は網から起き上がると、他の人たちが見守る中で地面に降りたっていった。
気づけば、その場には街の長のハルの姿もあった。 目的を終えたスズネはゆっくりと歩きだし、他の人たちに近づいて声をかける。
「ハル、あとは頼んだよ。 ……小春たちも、ありがとう。 ……ちょっと私、行くところあるから。 先に戻って、一緒にごはん作ってて」
またごはんを作るという話が出たが、みんなでまたお泊りパーティーでもやるんだろうか。 ソラを助けて赤飯でも炊くということだろうか。 よーっし、炊こうぜっっ!!! 今夜はお祝《いわ》いだっっ!!www
スズネはそう言い残して、一人でスタスタと歩き始めた。 一人でその場に背を向けて、崖をふたたび上ろうと歩いていく。
……ん? スズネの様子が、少し変だ。
まったく他の人を見もしないで、崖の方へと一直線に向かっているが、動きがカチコチに固くてぎこちない感じだ。
それに今サラッと言ったが、一人で行く所があるとはどういうことだろう。
小春は気づかないようだ。 気持ちよさそうに伸びをして、はー!と息を吐いている。 あぁ、良かったわっ! 無事にソラのことも片づいたし、すっきりしたっ!
「さー!! 一件落着っ! ……あれ?」
しかし気づくと、周りの人はみんな黙ってスズネの後姿を見つめていた。
スズネは崖にかじりついて、一人で上り始めたところのようだ。 不安定な足場に、足をガクガクさせながら、「うわっとっ!!」とか独り言を言いながら上っている。
少しだけ、妙なふるまいのように感じられる……。 もしかしたら、スズネは何か隠し事でもしているんだろうか。
今までスズネは、心の中での動揺を隠すために、ことあるごとに自然なふるまいを装ってきたようだった。 しかし実際には、スズネは装うのが下手くそだったのかもしれない。
今も崖を上りながら、「あーこりゃ、明日は筋肉痛だなー。 ははっ!!ww」とかブツブツ言いながら、派手に演技をしている感じが見え見えである。
「え? どうしたの?」
それでも小春は気づかないようだ。 きょとんとした顔を浮かべて、隣のミツバに聞いている。
しかし聞かれても、何と答えればいいのか分からない。 この状況でもしスズネが隠し事をしていても、別にみんなにはどうでもいいからだ。
スズネはこの時代の人だし、自分でやりたいことが何かあるんだろう。 他の人に、知られたくないことなんだろうか。
ミツバは、首をひねるようにして答えた。
「いや……なんか。 うーん」
「なんなのよ! ほら、早く行くわよっ」
そういって小春は、一人でズンズンと崖を上り始めていく。
他の人たちは少しだけスズネの後姿を見つめていたが、やがて小春の後に続いて、崖を上り始めた。
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