ライギョマン

松ノ木下

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 - 遡ること数分前NOBモニター室 -

「所長。ライギョマンスーツが、ここまで強力とは、嬉しい誤算ですね?」

「誤算やありまへんでー!わいの実力ですがなーワハハっ」

「しかし、このまま彼らを生かしてここから帰す訳にはいきません。」

「おっと、せやったせやった。余裕ぶっこいてるところへ、真打ち登場ですな~」

「グレイト・ワン。どれ程の実力か見定めさせてもらいます。」

「お任せ下さい!それでは行きまっせー!ポチっとな!」 

「いやー、参った参った…ロメオの最高傑作の9番をこう易々とへし折ってくれるとは…フロッグマンに変身してなかったら、体中の骨がバキバキにされるとこだった…」

「綾野くん!ここは一旦退こう!」

「田森さん!ちょっと深く踏み込みすぎました!もう逃げる体力も残っていません!」

「何をバカなことを!今行く!」

 ガシッ

「ダメです!田森さんまで殺られます!ここは堪えて下さい!」

「上田くん……」

「まだです!まだライギョマンが!飯見さんが残っています!」

「ライギョマンは最初の攻撃で殺られてしまっているじゃないか!」

「いいえ!あの人は、飯見さんはまだ死んでいません!必ず立ち上がってくれます!飯見さんを信じて下さい!」

「くそっ、僕にはどうすることも出来ないのか………。」

 俺は悪い夢を見ているんじゃないか?
 朝が来て、目を覚ませば、ごく普通の一日が始まり、また児玉とバカなやり取りをして、夜はキャバクラに行っておねーちゃんの尻を触り、終電を逃して、タクって、かーちゃんに怒られ……
 いやいや?またか?またいつものように現実から逃げるのか?
 堤亮太よ!
 児玉にはいつも偉そうなことばかり言っていたのに、当の本人は、自分に言い訳して、屁理屈こねて、辛いことから目を反らし、グータラグータラ生きてきた。
 お前は、児玉の死を目の当たりにして、生まれ変わろうと思ったんじゃなかったのか?
 それがどうだ?目の前にピンチの仲間がいるのに、ただ呆然と立ち尽くすだけ、それでも元ライギョマンか?
 ん??
 忘れかけていた。
 そういえば、俺も昔は一端のライギョマンだった。
 ライギョマンは、決して仲間を見捨てない。
 児玉よ!見ていろ!
 これが本当の堤亮太の生きざまだ! 

「田森さん。俺にその竿を貸してもらえませんか?」

「堤さん、わかってると思いますが、あなたの腕とこの竿では、万が一にもヤツには歯がたちませんよ!」

「わかっています。自分の実力は!俺に出来るのはこれだけだ!」

 まずは、ライギョマンから救出だ!

「いけっ!」

 よし!一投目で上手く掛かった!外れるなよ?

「うりゃ!」

 ドスン。

「上手くいった!」

「堤さん!凄いじゃないすか!」

「上田くん。まだだ、後フロッグマンを!」 

フロッグマン待ってろ!今助ける!

「うりゃ!フロッグマン!掴まれ!」

「堤さん!僕の体重では、あなたがもたない!」

「いいから早く!」

「すまん、堤さん。」

 グイ……

 うっ、動かない…
 あと、五メートル近づいてバットで抜きあげないと…しかし、五メートル近づいては…四の五の考えてる暇はない!

 タタタッ。

「う、うりゃーーーー!」

 ドスン。 

 やったぞ!予想通り上手く、救出できた。
 でも…こりゃ少し深く踏み込み過ぎたかな?(笑)児玉!約束守れなかった。もう少しで、お前の元へ行く。

「つっ、堤さーーーん!」

「上田くん。みんなの事頼んだ!」

 バキバキバキバキ
 グシャグシャグシャグシャ

「つ、堤さんまで…う、ううう…駆逐してやる。一匹残らず駆逐してやる!うわぁぁぁぁー!」

 ガシッ。


 堤さんの元へと駆け寄ろうとした僕は誰かに止められた。
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