上を見上げると…

斗羽

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出会った時のこと…

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 俺には大事な大事な妹がいる。でもその妹は本当の妹ではない。
「本当の妹じゃないってどういうこと?」
と疑問に思う人もいるだろう。あれは確か俺が小学6年生のときだった…



青い空、鶏の鳴き声、周りを見渡せば、山、山、山、
(一人っ子だし、父さんいないし、なんでこの家に産まれたんだろ…)
「こらぁ!斗羽!もう8時よ!はーちーじ!」
と母さんが叫びながら俺を起こす。
「朝から頭に響くなぁもぉ~分かったよ。起きるってば!」
いつも朝はこんな感じだ、今日は土曜日だったから、いつものように7時におきて、学校に行かなくてもいい。でも、今日は母さんの声がいつもより小さい。
「ん?ギャァーーーーーーー。」
つい俺はでかい声を出してしまった。だって母さんの横に幽霊がいるから!!
「うるさいわね。もぉ。あぁこの子?紹介が遅れたわね。この子は今日からあなたの妹よ!」
「ヘ?」
俺は、状況を理解できてなかった。
「ヘ?じゃないわよ!私再婚したの。そして再婚相手のお子さんがこの子。分かる?あんたの妹よ!」
母さんが何を言ってるのか全く分からなかった。だって何も聞かされてなかったから…ってことは横にいるのが再婚相手の人か?
(いやいやいや、っというかなんで何も教えてくれないんだよ。)
と言いそうになったが、再婚してしまったものは仕方がない…
「今日から俺がお兄ちゃんだ!これから宜しくなっ!」
と言いながら妹(?)の頭を撫でる。妹は父さん(?)の後ろに隠れながら、
「名前は…陽美(はるみ)、よろしく…おねが…」
と小さな声で自己紹介と挨拶をしてくれた。正直声が小さかったので聞き取りづらかったが、初対面の相手にはそれが普通だろ…と思いつつ、
「うん!よろしく!」
と改めて挨拶をした。
それが俺たちの出会いだった。
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