魔性少女カスミちゃん~隣の刹那君は私に惚れない~

三一五六(サイコロ)

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五性 女子会

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「……君はあの時の女子高生じゃないか!」
「へ……」

 振り返ると、そこには痴漢の時の男性警察官が立っていた。

「ど、どしたの? 震えているけど」
「よ、よかった……」
「ん?」
「も、もう一人いませんでしたか? トンネルに」
「いや、見てないな」

 え、じゃあ、空耳?
 私が怖がり過ぎて足音が二つに聞こえたのかな? けど、よかった。
 でも、何でここにこの警察官が……。

「あ、そうだ。ここらへんで怪しい人を見なかった? さっき、スーパーで万引きがあって探しているんだ」
「見てませんけど」

 万引き犯を探していたのか。痴漢処理以外の仕事もしているのね。
 警察官って幅広いな。大変そう。

「そうか。あ、こないだの慰謝料の請求の用意ができたよ。後は君が紙にサインをしてくれれば完了だよ」
「じゃあ、行きます」
「来週の日曜日とかはどうかな? 僕は署の方で書類の片付けだけだから、昼からなら大丈夫だけど」
「私もその日は開いてます。じゃあ、その日にお願いします」

 この人は手際がいいな。前の時はかなり時間がかかって面倒くさかったんだよ。
 これからはこの人を私の担当警察官にするのもありかもしれないね。
 あ、そう言えば、知っている人に会ったからかほっとして、手足の震えも、息が荒くなっていたのもいつの間にか治ったみたいだ。

「ガサガサ……」
「ん? 犯人か? 君は気をつけて帰るんだよ! じゃあまた来週! 待てー」

 男性警察官は笑顔で走って行った。
 数分後、私は無事に家についた。

「そうちゃん、だたいま!」

 って反応ないな? そう言えば、友達と出かけているのか。
 それにしても帰りが遅い。あのそうちゃんがこの時間まで帰ってこないなんて……。
 もしかして、まさか……連絡しないと!

「そ、そうちゃん! 今どこなの?」
『え、今? 友達とカラオケにいるよ! ここ楽しいね!』
「じゃあ、まだ帰ってこないの?」
『まだ無理かな。あ、夜ご飯は食べて来るから! じゃあね!』
「あ、まだ話は――」

 ……切られた。
 しかも、夜ご飯はいらないとか……ガーン……。
 けど、そうちゃんだって中学生だし、友達と外食ぐらいするよね。
 まぁ、一人で食べるよ、ビーフストロガノフ……。

「いただきます……」

 そしてそうちゃんが帰ってきたのは午後十時だった。
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