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第一部 サクセス編(改稿版)
55 カジノデート
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「なぁ……本当にここが闘技場なのか?」
「……そうみたいですね。文献が古かったのかもしれません。」
翌日、さっそく俺は、シロマと闘技場がある場所まで来ていた。
ちなみに他のメンバーは、いきなりお城ではなく、町の散策を含めて情報収集を行っている。
俺達は、実際に闘技場まで来てみてみると、想像していたものと大分違っていた。
イメージしていたのは、円形の大きな建物で、その中心でツワモノ達が戦っているのを観戦できる素朴な建物だ。
しかし、現実は違う。
この建物は、大きいが円形ではなく、二階建ての四角い建物だった。
建物の周りには、多くの露店が開いており、建物自体にも大きな看板や装飾品も多く飾り付けられていて、なんていうか凄くでかい複合商業施設といった感じである。
その圧巻の光景を前に、俺たち二人はしばらく呆然としていた。
「……とりあえず中に入ってみるか? 入口の横に受付が見えるから、まずはそこに行こうか。」
「そうですね。しかし、これは本当に凄いです。」
俺たちは、さっそく受付に向かうことにする。
「おはようございます、本日は、二名様のご来場ですか? 当店の利用は初めてでしょうか?」
受付の女性は、俺達が近づいてくるなり、先に声をかけてきた。
感じがよさそうな受付嬢であり、色々詳しく教えてくれそうだ。
「はい、この町に来たばかりなので、一番有名なこちらに是非寄ろうと思いまして。」
「そぉですか! 新婚さんですかぁ? ここは、夢と希望に溢れた最高の娯楽施設です。是非楽しんでください。」
新婚と言われたシロマは照れている。
だが俺は違う。
普通に考えれば、シロマの見た目はまだ未成年だ。
つまり、いいところカップル若しくは兄弟だろう。
ーーこいつ……やりおる。
こうやって気をよくさせて、中で沢山金を落とすように仕向けてるんだな。
そうは、いかんばい!
「いえいえ、新婚ではありませんよ。やだなぁ、おねぇさん。まだそんな年ではありませんよ。彼女ですよ、彼女。」
「あら、そうでしたか。それは失礼しました。それでは素敵なカップルさん。入場料は一人50ゴールドになります。少しお高めに感じるでしょうが、中に入れば、様々な飲み物がただで飲めますのでお得ですよ。ただし、お酒と料理は別料金ですので、それは中のお店でお支払いください。」
シロマは、俺が新婚を否定した時に、ちょっとショックそうな顔をしていたが、彼女と言った瞬間、顔に花が咲いたようにパァっと明るくなった。
いつもそうだが、この子は表情が変わりやすいよなぁ。
見ていて飽きない。
そして可愛い。
これが俺の嫁だぞ!
って嫁じゃないって言ったばかりだけど!
「なるほど、それならそこまで高くありませんね。中には何があるんですか?」
「はい、一階はカジノになっていまして、二階は劇場、そして地下は闘技場になっています。この時間ですと、まだ劇場と闘技場はやっていませんね。闘技場は昼からで、劇場は夜からの開演となっております。」
なるほど、地下があったか。
どうやら、目的の場所は地下のようである。
でもその前に、少しカジノは覗いておくとするか。
受付嬢から説明を受けた俺達は、さっそく100ゴールドを支払って中に入った。
まぁさっき高くないと言ったけど、普通に考えて50ゴールドは高すぎる。
この町は宿屋も一部屋30ゴールドと高かったが、ここはもっと高い。
このおねぇさんを見てもわかるが、人と設備に金をかけているんだろう。
それに劇場や闘技場の入場料も込みならば納得である。
そして入って早々、俺達は店内の光景にド肝を抜かれた。
「サクセスさん、ここ……凄すぎません?」
「……あぁ、やばいなこれ、なんかこんな時にあれだが、凄いワクワクというか興奮してきたわ。」
目に映るは沢山の四角い箱型の機械。
「なぁ、シロマ。あのコインが沢山出ている機械が何か知ってるか?」
「はい、あれはスロットマシンといって、ゴールドを入れてレバーを引くと数字が回り、ボタンを止めて数字がそろうと、メダルが沢山でる機械ですね。」
「へぇ~、流石シロマだな。よ、この博識娘! んで、あそこのなんか球を回しているのは?」
「あれはルーレットですね、一番ポピュラーなギャンブルで、どの数字に球が入るか当てるやつです。」
……。
やばい、ワクワクが止まらない。
「なぁ……少しくらい、遊んでもいいよな? せっかく来たんだし。」
「はい、それはもちろんです。それに入っていきなり、周りに聞き込みをするのは下策です。しっかりこの場に馴染んでからの方がいいと思います。それに闘技場までは時間がありますから。……でも、あの……。」
「さっすがシロマだ。ん? どうした?」
なにやらシロマが腕を触りながら、モジモジし始める。
どうしたんだろ?
トイレかな?
俺は疑問に思いつつも、そのままシロマの言葉を待つ。
「ま、迷子になると行けませんから、えっと……ここなら誰にも見られませんし……。」
ははーん。
そういうことか。
なるほど、もっと早く気づいてあげれば良かったな。
俺は、黙ってシロマの手を握る。
すると、シロマが握り返してきた。
どうやら、シロマは手を繋ぎたかったらしい。
でも恥ずかしくて言えずにモジモジしていたのだ。
控えめに言って、クッソ可愛い。
「よし、じゃあカジノデートでも楽しむか!」
「はい!」
シロマは、少し顔を赤くしながらも、嬉しそうに元気な声を出す。
そして俺たちは意気揚々とスロットマシンに向かって歩いて行く。
そして、10分後
「サクセスさん……ごめんなさい。もう500ゴールドも無くなってしまいました……。」
シロマは、どうやらスロットマシンがやりたかったらしく、スロットマシンの前まで来ると、キラキラした目で見つめていた。
当然、自分から先にやりたいと言い出せない性格なのはわかっていたので、俺は、黙ってシロマをスロットマシンの椅子に座らせる。
案の定、彼女は目を輝かせて、
「少しだけヤってもいいですか?」
と聞いてくるものだから、当然俺は、
「少しと言わず、ガンガンいこうぜ!」
と言う。
やの字がヤなのはご愛敬だ。
だが実際スロットをやり始めると、シロマは運のステータスが低いせいか、全然当たらない。
途中からは楽しむというよりも、負けた分を取り返そうと必死な目になっていた。
気付けば、1ゴールドスロットでは、取り返せない程の負債だけが積もっていく。
うん、シロマにギャンブルはダメだな。
「シロマ、俺にもやらせてくれ。俺が取り返す! でも取り返すならあっちだ。」
俺は⑩と書かれた看板のあるマシンを指して言った。
「え? サクセスさん。あれは、この台の10倍ゴールドを使いますよ!」
「任せとけ! 俺に任せろ!」
俺はさっそく台移動をする。
わくわく、ドキドキ
さっきは見てるだけだったが、実際に自分でやろうとすると、全く感覚が違った。
なんというか、脳からドバドバとアドレナリンが出続けている感じで、凄く興奮するのだ。
シロマが夢中になってしまったのがわかる。
そして俺は、シロマがやっていたように、まずは10ゴールドコインを三枚投入。
次にこのレバーを引いて……絵柄が回ったら、止める!!
7……7……
「嘘! いきなりですか? り、リーチです!」
シロマは、いきなり7を二つそろえた俺を見て、ハラハラしている。
かく言う俺も、流石に、いきなりこんな風になるとは思っていなかった。
だが、俺は確信している。
俺の運は最強だ!
絶対に当たる!
ピコッ!!
ーー777 大当たり!!
「い、やったぁーーー!」
大声でそう叫んだ俺は、席を勢いよく立ち上がり、万歳をした。
周りの人たちが目を真ん丸にさせて、俺の事を見ているが、気にもならない位興奮している。
「すごいすごい! すごいです! 凄い出てます!」
シロマも、さっきまでの消沈顔から、今度は、凄く興奮した顔でそう叫ぶと、俺に抱き着いてきた。
シロマから抱き着かれたのは初めてだ。
それに……こんなロリっ娘の口から
すごい……すごい出てます……
だなんて卑猥な言葉を聞いたら、息子がピクついちゃいますよ?
しかも、あまりの興奮に抑えが効かないのか、今している自分の行動がわかってないようである。
普段のシロマなら絶対ありえない。
人目も憚らず大胆に抱き着くことなんて。
だが、これはチャンスだ。
このまま、ボディチェックだぜ!
くんくん……はぁ……
この細い体と香る優しい匂い……この柔らかさ……
このまま宿屋にしけこみたい!!
いかんいかん!
危ない!
あまりの幸運(興奮)に本来の目的を忘れるところだった。
ジャラジャラジャラジャラ……。
一方、スロットマシンからは、さっきから止めどなくコインが放出され続けている。
っつか、これ何枚でてくるんだ?
えっと、777は……
俺は台の横に置かれた配当表が書かれた紙を見た。
五万だと!?
30ゴールドがいきなり五万ゴールドになってしまった……。
「シロマ、先に言っておく。拒否は許さない、いいか?」
未だに幸せそうな顔で、出続けるメダルを見つめているシロマに、俺は真剣な目を向けて言った。
「はい、なんでしょうか? あ、これは当然全部サクセスさんの物ですよ!」
「ダメだ。ここでは、俺達はカップルだ。つまり、カップルとは二人で一つって事だ。」
「二人で一つ……二人で一つにな……る……?」
シロマはそんなことを呟くと、顔を真っ赤にしてちらちら俺の顔を見てくる。
まるで、その顔は
「え? いきなりですか? でも……いいですよ……」
と訴えているようにも見えるが、まぁそれは俺の願望からくるただの想像だ。
流石に俺の初めてが、公然わいせつになるわけにはいかない……。
だが俺は、シロマの肩を掴んで、じっとシロマを見つめる。
「あ、ちょっとまってください。心の準備が……」
そういってシロマは目を瞑った。
何を期待しているのかはわかったから、期待通りに唾液交換をしてもよかったのだが……
ん?
あれ?
やっちゃえばよくね?
勢いって大事だよね?
と、思いつつもグッと悪魔を頭から抑え込む。
「シロマ、ここでの損失も利益も二人で一つだ。だから最終的に残った金は半々だし、逆に無くなったら損失も半々にするからな。」
「え? あ、はい。 わかりました……。」
シロマは、俺の言葉にがっかりとした感じで目を開けた。
やっぱりしておけばよかった……。
唾液交換……。
でも、やっぱギャンブルで当たった興奮から、流れでキスするのはちょっと違うよなぁ。
そんな事を考えて少し、というか大分後悔していると、シロマは現実に戻り、俺が自分に気を使ってくれた事に気付く。
「サクセスさん、ありがとうございます。これは……その、お礼です!」
チュッ!
そういってシロマは、俺の頬にその柔らかい唇でマーキングした。
「お、おう。」
そしてシロマは、更に俺にトドメをさしにきた。
「今日だけは、私だけのサクセスさんですからね!」
そう言ったシロマの笑顔は、今までで一番、可愛い顔であった……。
「……そうみたいですね。文献が古かったのかもしれません。」
翌日、さっそく俺は、シロマと闘技場がある場所まで来ていた。
ちなみに他のメンバーは、いきなりお城ではなく、町の散策を含めて情報収集を行っている。
俺達は、実際に闘技場まで来てみてみると、想像していたものと大分違っていた。
イメージしていたのは、円形の大きな建物で、その中心でツワモノ達が戦っているのを観戦できる素朴な建物だ。
しかし、現実は違う。
この建物は、大きいが円形ではなく、二階建ての四角い建物だった。
建物の周りには、多くの露店が開いており、建物自体にも大きな看板や装飾品も多く飾り付けられていて、なんていうか凄くでかい複合商業施設といった感じである。
その圧巻の光景を前に、俺たち二人はしばらく呆然としていた。
「……とりあえず中に入ってみるか? 入口の横に受付が見えるから、まずはそこに行こうか。」
「そうですね。しかし、これは本当に凄いです。」
俺たちは、さっそく受付に向かうことにする。
「おはようございます、本日は、二名様のご来場ですか? 当店の利用は初めてでしょうか?」
受付の女性は、俺達が近づいてくるなり、先に声をかけてきた。
感じがよさそうな受付嬢であり、色々詳しく教えてくれそうだ。
「はい、この町に来たばかりなので、一番有名なこちらに是非寄ろうと思いまして。」
「そぉですか! 新婚さんですかぁ? ここは、夢と希望に溢れた最高の娯楽施設です。是非楽しんでください。」
新婚と言われたシロマは照れている。
だが俺は違う。
普通に考えれば、シロマの見た目はまだ未成年だ。
つまり、いいところカップル若しくは兄弟だろう。
ーーこいつ……やりおる。
こうやって気をよくさせて、中で沢山金を落とすように仕向けてるんだな。
そうは、いかんばい!
「いえいえ、新婚ではありませんよ。やだなぁ、おねぇさん。まだそんな年ではありませんよ。彼女ですよ、彼女。」
「あら、そうでしたか。それは失礼しました。それでは素敵なカップルさん。入場料は一人50ゴールドになります。少しお高めに感じるでしょうが、中に入れば、様々な飲み物がただで飲めますのでお得ですよ。ただし、お酒と料理は別料金ですので、それは中のお店でお支払いください。」
シロマは、俺が新婚を否定した時に、ちょっとショックそうな顔をしていたが、彼女と言った瞬間、顔に花が咲いたようにパァっと明るくなった。
いつもそうだが、この子は表情が変わりやすいよなぁ。
見ていて飽きない。
そして可愛い。
これが俺の嫁だぞ!
って嫁じゃないって言ったばかりだけど!
「なるほど、それならそこまで高くありませんね。中には何があるんですか?」
「はい、一階はカジノになっていまして、二階は劇場、そして地下は闘技場になっています。この時間ですと、まだ劇場と闘技場はやっていませんね。闘技場は昼からで、劇場は夜からの開演となっております。」
なるほど、地下があったか。
どうやら、目的の場所は地下のようである。
でもその前に、少しカジノは覗いておくとするか。
受付嬢から説明を受けた俺達は、さっそく100ゴールドを支払って中に入った。
まぁさっき高くないと言ったけど、普通に考えて50ゴールドは高すぎる。
この町は宿屋も一部屋30ゴールドと高かったが、ここはもっと高い。
このおねぇさんを見てもわかるが、人と設備に金をかけているんだろう。
それに劇場や闘技場の入場料も込みならば納得である。
そして入って早々、俺達は店内の光景にド肝を抜かれた。
「サクセスさん、ここ……凄すぎません?」
「……あぁ、やばいなこれ、なんかこんな時にあれだが、凄いワクワクというか興奮してきたわ。」
目に映るは沢山の四角い箱型の機械。
「なぁ、シロマ。あのコインが沢山出ている機械が何か知ってるか?」
「はい、あれはスロットマシンといって、ゴールドを入れてレバーを引くと数字が回り、ボタンを止めて数字がそろうと、メダルが沢山でる機械ですね。」
「へぇ~、流石シロマだな。よ、この博識娘! んで、あそこのなんか球を回しているのは?」
「あれはルーレットですね、一番ポピュラーなギャンブルで、どの数字に球が入るか当てるやつです。」
……。
やばい、ワクワクが止まらない。
「なぁ……少しくらい、遊んでもいいよな? せっかく来たんだし。」
「はい、それはもちろんです。それに入っていきなり、周りに聞き込みをするのは下策です。しっかりこの場に馴染んでからの方がいいと思います。それに闘技場までは時間がありますから。……でも、あの……。」
「さっすがシロマだ。ん? どうした?」
なにやらシロマが腕を触りながら、モジモジし始める。
どうしたんだろ?
トイレかな?
俺は疑問に思いつつも、そのままシロマの言葉を待つ。
「ま、迷子になると行けませんから、えっと……ここなら誰にも見られませんし……。」
ははーん。
そういうことか。
なるほど、もっと早く気づいてあげれば良かったな。
俺は、黙ってシロマの手を握る。
すると、シロマが握り返してきた。
どうやら、シロマは手を繋ぎたかったらしい。
でも恥ずかしくて言えずにモジモジしていたのだ。
控えめに言って、クッソ可愛い。
「よし、じゃあカジノデートでも楽しむか!」
「はい!」
シロマは、少し顔を赤くしながらも、嬉しそうに元気な声を出す。
そして俺たちは意気揚々とスロットマシンに向かって歩いて行く。
そして、10分後
「サクセスさん……ごめんなさい。もう500ゴールドも無くなってしまいました……。」
シロマは、どうやらスロットマシンがやりたかったらしく、スロットマシンの前まで来ると、キラキラした目で見つめていた。
当然、自分から先にやりたいと言い出せない性格なのはわかっていたので、俺は、黙ってシロマをスロットマシンの椅子に座らせる。
案の定、彼女は目を輝かせて、
「少しだけヤってもいいですか?」
と聞いてくるものだから、当然俺は、
「少しと言わず、ガンガンいこうぜ!」
と言う。
やの字がヤなのはご愛敬だ。
だが実際スロットをやり始めると、シロマは運のステータスが低いせいか、全然当たらない。
途中からは楽しむというよりも、負けた分を取り返そうと必死な目になっていた。
気付けば、1ゴールドスロットでは、取り返せない程の負債だけが積もっていく。
うん、シロマにギャンブルはダメだな。
「シロマ、俺にもやらせてくれ。俺が取り返す! でも取り返すならあっちだ。」
俺は⑩と書かれた看板のあるマシンを指して言った。
「え? サクセスさん。あれは、この台の10倍ゴールドを使いますよ!」
「任せとけ! 俺に任せろ!」
俺はさっそく台移動をする。
わくわく、ドキドキ
さっきは見てるだけだったが、実際に自分でやろうとすると、全く感覚が違った。
なんというか、脳からドバドバとアドレナリンが出続けている感じで、凄く興奮するのだ。
シロマが夢中になってしまったのがわかる。
そして俺は、シロマがやっていたように、まずは10ゴールドコインを三枚投入。
次にこのレバーを引いて……絵柄が回ったら、止める!!
7……7……
「嘘! いきなりですか? り、リーチです!」
シロマは、いきなり7を二つそろえた俺を見て、ハラハラしている。
かく言う俺も、流石に、いきなりこんな風になるとは思っていなかった。
だが、俺は確信している。
俺の運は最強だ!
絶対に当たる!
ピコッ!!
ーー777 大当たり!!
「い、やったぁーーー!」
大声でそう叫んだ俺は、席を勢いよく立ち上がり、万歳をした。
周りの人たちが目を真ん丸にさせて、俺の事を見ているが、気にもならない位興奮している。
「すごいすごい! すごいです! 凄い出てます!」
シロマも、さっきまでの消沈顔から、今度は、凄く興奮した顔でそう叫ぶと、俺に抱き着いてきた。
シロマから抱き着かれたのは初めてだ。
それに……こんなロリっ娘の口から
すごい……すごい出てます……
だなんて卑猥な言葉を聞いたら、息子がピクついちゃいますよ?
しかも、あまりの興奮に抑えが効かないのか、今している自分の行動がわかってないようである。
普段のシロマなら絶対ありえない。
人目も憚らず大胆に抱き着くことなんて。
だが、これはチャンスだ。
このまま、ボディチェックだぜ!
くんくん……はぁ……
この細い体と香る優しい匂い……この柔らかさ……
このまま宿屋にしけこみたい!!
いかんいかん!
危ない!
あまりの幸運(興奮)に本来の目的を忘れるところだった。
ジャラジャラジャラジャラ……。
一方、スロットマシンからは、さっきから止めどなくコインが放出され続けている。
っつか、これ何枚でてくるんだ?
えっと、777は……
俺は台の横に置かれた配当表が書かれた紙を見た。
五万だと!?
30ゴールドがいきなり五万ゴールドになってしまった……。
「シロマ、先に言っておく。拒否は許さない、いいか?」
未だに幸せそうな顔で、出続けるメダルを見つめているシロマに、俺は真剣な目を向けて言った。
「はい、なんでしょうか? あ、これは当然全部サクセスさんの物ですよ!」
「ダメだ。ここでは、俺達はカップルだ。つまり、カップルとは二人で一つって事だ。」
「二人で一つ……二人で一つにな……る……?」
シロマはそんなことを呟くと、顔を真っ赤にしてちらちら俺の顔を見てくる。
まるで、その顔は
「え? いきなりですか? でも……いいですよ……」
と訴えているようにも見えるが、まぁそれは俺の願望からくるただの想像だ。
流石に俺の初めてが、公然わいせつになるわけにはいかない……。
だが俺は、シロマの肩を掴んで、じっとシロマを見つめる。
「あ、ちょっとまってください。心の準備が……」
そういってシロマは目を瞑った。
何を期待しているのかはわかったから、期待通りに唾液交換をしてもよかったのだが……
ん?
あれ?
やっちゃえばよくね?
勢いって大事だよね?
と、思いつつもグッと悪魔を頭から抑え込む。
「シロマ、ここでの損失も利益も二人で一つだ。だから最終的に残った金は半々だし、逆に無くなったら損失も半々にするからな。」
「え? あ、はい。 わかりました……。」
シロマは、俺の言葉にがっかりとした感じで目を開けた。
やっぱりしておけばよかった……。
唾液交換……。
でも、やっぱギャンブルで当たった興奮から、流れでキスするのはちょっと違うよなぁ。
そんな事を考えて少し、というか大分後悔していると、シロマは現実に戻り、俺が自分に気を使ってくれた事に気付く。
「サクセスさん、ありがとうございます。これは……その、お礼です!」
チュッ!
そういってシロマは、俺の頬にその柔らかい唇でマーキングした。
「お、おう。」
そしてシロマは、更に俺にトドメをさしにきた。
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そう言ったシロマの笑顔は、今までで一番、可愛い顔であった……。
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