最弱装備でサクセス〜どうのつるぎとかわの防具しか買えなかった俺だけど【レアリティ777】の効果が凄すぎて最強になってしまった〜

キミちゃん

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第二部 新たなる旅立ち

第十七話 覚醒と悲劇

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 ゲロォ(くらぇぇー!)

 ゲロゲロは、圧倒的な速さでダークドラゴンに接近する。

「ふん、犬っころの分際で生意気な。」

 ガキーーン!

 ゲロゲロの爪は、ダークドラゴンの爪と激突した。

 ゲロロ!(甘い!)
 
 ズバっ!

「なに!?」

 なんとゲロゲロの攻撃力はダークドラゴンを少しだけ上回っており、ダークドラゴンの爪を弾くとその腕を斬りつける。

 だが、残念ながらダークドラゴンの防御力は高く、薄皮一枚切っただけに過ぎなかった。

 ゲロォ!(やるな!)

 そしてゲロゲロは、攻撃を与えると直ぐに距離をとる。
 敵の強さを正確に察知し、反撃を防いだのだ。

 その姿を見たイーゼ達は……

「これは……予想外ですわ。これならいけるかもしれません。リーチュン! シロマさん! わたくし達はあのレッドドラゴンをやりますわよ!」

「あいよ! じゃあ援護よろしくね!」

「わかりました、では掛けます。【ペプシム】【サイダーム】」

 リーチュンの物理防御と素早さが上がる。

「わたくしからもかけまわ。【マッスルシオン】」

 更に力も上がった。

「いいわね! 力がみなぎってきたわ! いっくわよーー!」

 レッドドラゴンに突撃するリーチュン。
 だが、レッドドラゴンも黙ってはいない。
 三匹同時にブレスを吐いた。

【ブリザック】【ブリザック】

 イーゼはすかさず上級氷魔法を二連発で放ち、レッドドラゴンの炎を食い止める。

「さっさとやりなさい! 長くは持ちませんわ!」

 敵のブレスは強力であり、イーゼであってもギリギリだった。
 そして、これまでの戦いでシロマもイーゼも精神力を大分消耗している。

「イーゼさん、これを使います!」

 シロマは、アイテム袋から

 【祈りの宝玉】

を取り出すと、掲げた。

 宝玉から光がほとばしると、イーゼとシロマを温かい光が包み込む。
 二人の精神力が回復した。

「ナイスですわ、シロマさん。これなら! 【ブリザック】」

 精神力が回復したのを感じたイーゼは、三発目の魔法を唱える。
 すると、遂に吹雪がドラゴンのブレスを押し切り、ドラゴン達の足と体の一部を凍らせた。

「今よ! スピニングブレイクキック!!」

 ズバババっ!

 バリンっ!

 リーチュンの必殺技は、ドラゴンの凍った胴体を砕く。

 グォォォォン!!

 その鳴き声と共に、レッドドラゴンは、地に伏して倒れた。

 残り二匹。

一方、ゲロゲロは……

 ダークドラゴンよりも高い素早さを駆使して翻弄すると、ヒットアンドアウェイの攻撃を繰り返し、着実にダメージを当てていた。

「くそ、この犬はちょこまかと! いい加減燃えろ!」

 ゴォォォ!

 ダークドラゴンの口から黒い灼熱の炎が吐かれる。
 だが、それをゲロゲロはギリギリで避けていた。

 ゲロゲロがヒットアンドアウェイを繰り返していたのは、これを警戒していたからである。

 ゲロゲ~ロ(あたらないよ~)

 挑発するゲロゲロ。
 ダークドラゴンは同じモンスターであるが故にゲロゲロの言葉を理解した。
 そして頭に血が昇る。

「いいだろう、これはかなり力を使うから温存していたのだが……もう許せん! ぶっ殺す!!」

 突如、ダークドラゴンの周りから黒い炎が沸き上がった。
 その炎は天に届くが如くダークドラゴンの周りで燃え上がると……次第にダークドラゴンに吸収されていく。

「ふはははっ! 魔界の炎を呼び寄せたぞ! 覚悟しろ、犬っころ!」

 ダークドラゴンのステータスが劇的に向上した。
 そして、一瞬でゲロゲロに近づくと腕を振う。

 ドガン!

 ゲロゲロは反応する事も出来ず、吹き飛ばされる。

 ゲロロォォン!!

「ゲロゲロちゃん!!」
 
 それにシロマが気づいた。

「シロマさん、ゲロゲロを回復してあげて!こっちは二人でなんとかなりますわ!」

「わかりました! 【エクスヒール】」

 シロマはイーゼの言葉を受けてゲロゲロに駆け寄ると、回復魔法をかける。

 ゲロォ(ごめん)

 回復魔法を受けて、フラフラしながらもゲロゲロは立ち上がる。

「無理はしないで下さい。こっちが片付いたら逃げましょう。あれは無理です!」

 シロマの言葉はわからないが、何を言おうとしていたかは理解した。
 だが……
 
 ゲロ!(僕は負けない!)

「ちょっと、ゲロゲロちゃん! 戻って下さい!」

 ゲロゲロは、また直ぐにダークドラゴンに向かっていってしまった。
 それを見てシロマは止めるのを諦めると、何とか範囲内の内に【サイダーム】をかける。

「無理なら逃げてくださいね!」

 その言葉を背に、ゲロゲロは走った。
 補助魔法を受けたゲロゲロは、素早さだけはダークドラゴンと並ぶ。

「ほう、逃げずにくるとはいい度胸だ。なすすべなく、死ぬがいい。」

 ダークドラゴンは再度爪で攻撃をしてきたが、今度はそれを避けた。

 ゲロロ(見える!)

 そして懐に潜り込むと、一撃を加える。

 ガキッ!

 だが、ダメージが通らない。
 防御力が高すぎて、攻撃が効かなくなってしまったのだ。

「ふははは! 弱い! 全く効かぬぞ!」

 ゲロォ(くそぉ)

 その後、何度もゲロゲロは攻撃を与えるも、ダークドラゴンは全くダメージを受けておらず、ほぼ無傷であった。
 更に運が悪い事に、間も無く一時間が過ぎようとしている。

「どうした? もう終わりか? おやおや? なんだか弱くなってきていないか?」

 能力解放の効果が切れかかっていたのだ。

「ゲロゲロちゃん! 戻って下さい! 逃げますよ!」

 シロマは叫んだ。
 しかし、ゲロゲロには届かない。

 そこにリーチュンとイーゼが合流する。
 二人は何とか残り二匹のレッドドラゴンを倒したのだ。

「アタイが囮になるわ!」

 そう言うと、リーチュンはゲロゲロを逃す為にダークドラゴンに接近する。

「なんだ? また雑魚が増えたか。ふん、レッドドラゴンも使えんな。やはり地上のドラゴンは当てにならぬ。」

 そしてダークドラゴンは、リーチュン目掛けて黒いブレスを放とうとした。

 ゲロォ(まずい!!)

 焦るゲロゲロ。
 そのブレスの威力は本能が察知している。
 それを食らえばリーチュンはタダでは済まない。

 ゴォォォ!!

 だが、ゲロゲロの叫び虚しく、既に放たれてしまった。

「キャーー!!」

 リーチュンの悲痛な叫び声が響く。
 如何にブレス軽減の魔法を受けていても、そのブレスの威力の前では、ほとんど効果は無かった。

「まずいですわ! シロマさん急いで!」

「はい! リーチュン! お願い! 生きていて!」

 黒く燃え上がるリーチュン。
 もはや声すら出ない。

 ゲロ……ゲロロロ!!(よくも、よくもやったなぁ!!)

 激しい怒りが湧き上がるゲロゲロ。
 すると、眩い光がゲロゲロを包み込んだ。
 この時、サクセスの影響を受け続けたゲロゲロは光属性の能力が覚醒する。

 ゲロォ(食らえ!!)

 ゲロゲロの爪から光の斬撃が放たれた。
 それはまさにディバインチャージと同じ光。

【ディバインスラッシュ】

「な、なに!? グォ! なんだ……何だこれは!?」

 ゲロォ(トドメ!)

 ゲロゲロはダークドラゴンの胸に爪を立てると、今度は爪先が爆発する。

【ライトクラッシャー】

「グォォォ!!」

 光属性が弱点だったダークドラゴンは、断末魔の叫びを上げると遂に倒れた。

 しかし、遅かった。

「リーチュン! リーチュン! 【エクスヒール】【エクスヒール】」

 リーチュンは黒焦げになっており、息がない。
 だが、奇跡的にまだ心臓は動いている。
 シロマは、必死に回復魔法をかけ続けた。
 だが、全くリーチュンは回復しない。

 既にもう……完全に死ぬ寸前であった。

「お願いリーチュン! 生きて! お願い!」
 
 シロマは泣きながら叫ぶ。

「どいてください! シロマさん!」

 イーゼはそう叫ぶと、リーチュンから離れないシロマを乱暴にどけて、その体に液体をかけた。

 すると、みるみる内にリーチュンの体が元に戻っていく。

 イーゼがかけた液体。
 それは、カジノで交換した

 【世界樹の樹液】

だった。

 その効果はーー瀕死の一撃であっても、一瞬で回復することができる。

 正に危機一髪である。
 
 死の淵から、リーチュンは生還した。

 ギリギリで復活したリーチュンは、ポケッとした顔で目をパチクリしながら体を起こす。

「リーチュン!」

 そこにシロマが凄い勢いで抱きついた。

「あれ? アタイ……なんで??」

「イーゼさんが……貴重なアイテムでリーチュンを助けてくれたんです。」

「イーゼが? アタイを? イーゼ!! ありがとう!!」

 リーチュンはイーゼに飛びつく。
 それを嫌そうな顔をして剥がそうとするイーゼ。

「本当にあなたはしぶといですわね。もう少しでライバルが減るところでしたのに。それと女性に抱きつかれる趣味はありませんわ!」

 イーゼはそう毒づくも、言葉とは裏腹に、その顔は嬉しそうであった。

 ゲロォ(ごめんなさい)

 そこに小さく戻ったゲロゲロが近づく。
 その姿は完全にションボリしていた。

「あ! あれ、あいつは!?」

 やっと我に返ったリーチュンは、ダークドラゴンがいない事に気づいた。

「ゲロゲロちゃんが倒してくれました。まるでサクセスさんみたいでしたよ。」

 シロマは落ち込んでいるゲロゲロを撫でながら言った。

「凄いじゃない! アレを倒したの! 悔しいけど、今回はアタイの負けね。次は負けないわ!」

「あなたは何と勝負しているのかしら? それよりもサクセス様が心配です。早く追いましょう。」

「そうですね、休憩する暇はありませんね。今頃、サクセスさんも追いついて戦っているはずですから。」

 ゲロオオン!(サクセスに会いたい!)

 こうして激戦を終えた仲間達は、デスバトラーを追いかけたサクセスの元に向かうのであった。

追加魔法

サイダーム 
 素早さをあげる。

マッスルシオン
 力をあげる(リトルマッスルの上位版)

ディバインスラッシュ
 光属性の爪攻撃

ライトクラッシャー
 突き刺した爪から光が爆発する。


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