最弱装備でサクセス〜どうのつるぎとかわの防具しか買えなかった俺だけど【レアリティ777】の効果が凄すぎて最強になってしまった〜

キミちゃん

文字の大きさ
212 / 397
第三部 オーブを求めて

第五十五話 俺は弱い

しおりを挟む
「お~い! サクセス! ゲロゲロ! 大丈夫……か……? って、あ~……なんでもないわ。」


 シロマに遅れて、カリーとイモコが走って来た。
 だが、強烈なラブシーンを目の当たりにして、心配するのをやめたらしい。


「はぁ……はぁ……師匠! 大丈夫でござるか!?」

「あぁ、イモコ。サクセスは全く問題なさそうだぞ……。心配するだけ無駄だ。」


 カリーは少し呆れたように言った。
 呆れたというか、内心は少し妬ましいのかもしれない。


 俺は二人の声を聞き、シロマとの甘い空間から現実に戻る。
 シロマは恥ずかしそうに顔を二人から背けていた。
 

「二人とも、心配かけてすまない。俺とゲロゲロは平気だ。シロマが回復してくれたからな。」

「……なるほどな。持つべき者は優秀な彼女だな。まぁ……大事にしてやんな。」


 カリーは遠い目をしながら、そっと呟く。
 もしかしたら、前の世界で失った大切な人を思い出したのかもしれない。
 その切なそうな目をみるのは少し辛かった。


 なんだか申し訳ない!


「それよりも師匠! 凄かったでござるな! 流石はわが師にござる! 早すぎてほとんど見えなかったでござるが、あれだけの相手を倒すとは、ド肝を抜かれたでござるよ。素晴らしい戦いでござった!」

「いや……うん。まぁ、学ぶことは多かったな。これも、本気で戦ってくれたゲロゲロ、そしてカリーやイモコのおかげだ。」

 
 俺がそう言うと、イモコは不思議そうな顔をして俺も見た。


「どういう事でござるか? 某はなにもしてないでござるよ?」

「今回の特訓で分かった事がある。いや、正確に言うと再認識したってことだがーーそれは、俺が弱いってことだ。」

「師匠が弱い?? 意味がわからないでござる。師匠より強い人間なんてこの世界のどこを探してもいないでござるよ。圧倒的でござる。」

「イモコ、それは違う。それはただの傲り(おごり)だ。俺はイモコやカリーよりステータスは高いかもしれない。だけど、戦闘技術や戦略、スキル、経験、その全てが二人よりも劣っている。圧倒的なステータスというのは確かに力ではあるが、それが全てではない。俺は、今回の特訓でそれを思い知ったよ。」

「ちょっと言っている意味がわからないでござるが……少なくとも、師匠が某よりも弱いということはないでござる。」


 イモコには俺の言いたいことが伝わらないらしい。
 だが、そこにカリーが割って入ってきた。


「まぁ待て、イモコ。サクセスの言いたい事はわかる。そしてそれは間違っていない。それがわかっただけでも、今回の特訓は意味があったな。んで、それでサクセスはどうしたいんだ?」

 
「俺に、スキルや戦いの基本を教えて欲しい。カリー、そしてイモコもだ。」


 俺は二人に頭を下げてお願いする。
 なりふりなんて構っていられない。
 これからもっと厳しい戦いだってあると思う。
 それに打ち勝つには、今のままではダメなんだ。

 俺は全てを守ると誓った。
 その為ならなんだってする。


 カリーは、俺の目をみて静かに頷く。


「そうか。いいぜ、前に言ったよな? 俺がフェイルに教わったモノ、そして、俺自身が経験で学んだ事。それをきっちり、サクセスに伝授してやる。俺も正直まだまだ弱くて頼りないが、それはお互い様だ。パーティ全員で強くなっていけばいい。」

「そ、某は師匠に教えられることなんてないと思うでござる。それなので、カリー殿の経験を師匠と一緒に学ばせてもらいたいでござる。」


 そうすると、イモコは俺の弟子でなく、カリーの弟子になるのでは? 
 俺が一番弟子で、イモコは二番弟子……。
 まぁ、そんな事は気にしないか。
 弟子だ師匠だなんて、実際どうでもいいことだし。


「二人ともありがとう。まぁ、旅はまだ始まったばかりだから、とりあえずサムスピジャポンに行く間、船でも訓練しような。」

「おう、いいぜ。んで、いつ出発するんだ?」

「出港準備には後二日あれば問題ないでござる。積み込む物や物資の補給が済み次第、いつでも平気でござる。」


 カリーが俺に尋ねると、イモコが俺に代わって答えた。


「じゃあ、出発は二日後の朝だ。それまでに体調を万全にして、準備をしておこう。」


 俺の言葉に全員が頷く。
 予定は決まった、後は出来る事をやるだけだ。


「あの、サクセスさん。」

「ん? どうしたシロマ?」

「私、天空職の試練で本の多い世界に行っていました。そこで、光魔法や光スキルについて記載された本も読んでいますので、もしかしたらサクセスさんが使える魔法やスキルを教えられるかもしれません。」


 な、なにっ!?
 新魔法に新スキルだと!?
 めっちゃ知りたい!


「本当かシロマ!! でかした! 新しい魔法やスキルがあれば、俺の戦闘の幅も増える!」

「いえ、そこまで期待しないで下さい。光のスキルや魔法といっても、サクセスさんの職業である聖戦士のスキルについては書いてありませんでしたから、使えるかどうかはわかりません。」

「いや、十分だ。可能性があるだけでもありがたい! よし、俄然やる気がでてきたぜ。まぁとりあえず今日は、宿に戻って休むか。」

「そうですね、それではまた闘技場までゲートを繋ぎますから、皆さん入って下さい。」


 そう言ってシロマがゲートを出すと、俺は気持ちよさそうに眠っているゲロゲロを抱き上げて、闘技場に戻った。


 それから、二日間はみんなと旅の準備をしたり、マネアさんに経過報告の手紙を書いたりして過ごす。
 その間に、イモコの冒険者カードを見せてもらったり、自分達の能力について確認していた。


 そこで二つ分かった事がある。

 一つは、リヴァイアサンの経験値は想像よりも莫大であった事。

 カリー、イモコ、俺、シロマに経験値が入っていたのだが、全員かなりレベルが上がっていた。
 なかでもシロマはレベル1だったらしく、上昇率は一番高い。
 といっても、天空職に必要な経験値は今までの3倍らしいので、一気に何十レベルと上がったわけではないが。

 そして、二つ目はイモコのレベルだ。

 あいつは、元々レベル80で職業は【サムライ】であったらしい。


 【サムライ】


という職業は、サムスピジャポンでしか転職できない職業であり、特殊職だ。

 そしてリヴァイアサンとの闘いで、イモコは90レベルになっていた。
 つまり、これ以上はレベルがほとんどあがらない。

 しかし、どうやら天空職ではないが、サムスピジャポンにある特殊な神殿に行けば、更なる上位職に転職できるという伝説があるとかないとか。
 せっかくだから、オーブを探すついでに、イモコを転職させられたらと思う。


 まあ、そんなこんなもありまして、遂に出発の時が来た!


 さぁ、行くぞ! 
 待ってろ! 新世界!
 必ずオーブを見つけだして、ビビアンを助けるぞ!!



【現在のパーティ】

 サクセス 聖戦士 LV48
 総合 2385(2595)
 
 カリー  ブレイブロード LV40
 総合 860(1125)

 イモコ  サムライ LV90
 総合 470(595)

 シロマ  時空僧 LV18
 総合 735(930)

 ゲロゲロ 古龍狼 LV10
 総合 2100


※1 総合とは
 ステータス(力、体力、知力、すばやさ、うん)のトータル値です。
 武器、防具、装飾品のスキルにある(力+10等の数値も含めた値)

※2 総合の横にある()内の数値
 これは武器の攻撃力と防具の防御力を合わせた数値になります。

※3 レベルアップ
 一般職、上級職は1レベルあがるごとにステータスは合計5上昇
 天空職は、合計15。サクセスのみ合計50あがります。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜

ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

ハズレスキル『自動販売機』を授かって婚約破棄されましたが、 実は回復薬も魔力食も出せる最強スキルでした

暖夢 由
ファンタジー
十八歳の成人儀式で授かったのは、誰も聞いたことのない《自動販売機スキル》。 役立たずと嘲られ、婚約者レオンには即座に婚約を破棄され、人生が崩れ落ちたように思えた。 だがそのスキルには、食べ物を作り、摂取すれば魔力を増やし、さらに“治癒効果”を付与できるという隠された力があった。 倒れた母を救い、王都の名門・ヴァルセイン伯爵夫人を救ったことで、カミーラは“呪詛”という闇の存在を知る。伯爵邸で出会った炎の力を持つ公爵家次男レグナスとの出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。 やがて王都全体に“謎の病”が蔓延。カミーラは治癒スープの炊き出しを行い、人々を次々と回復へ導く。 一方、病の裏で糸を引いていたのは………。 “無価値”と嘲られたスキルが、いま世界を癒し、未来を照らす光となる――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました

山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。 生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。

処理中です...