最弱装備でサクセス〜どうのつるぎとかわの防具しか買えなかった俺だけど【レアリティ777】の効果が凄すぎて最強になってしまった〜

キミちゃん

文字の大きさ
216 / 397
第三部 オーブを求めて

第五十九話 娯楽室

しおりを挟む
 そして、簡単な注意事項を説明し終えると、今度は娯楽室に案内された。


「ここが娯楽室でござるよ。船旅は長く単調な生活になるでござるから、ここでストレス発散するのも大事な仕事でござる。」


 イモコが案内した娯楽室には、変な丸い的があったり、長方形の箱型のテーブル等が置いてあった。


「え? ここが、娯楽室? どこら辺が娯楽なんだ?」


 俺が疑問に思っていると、イモコは実際に置かれている物使って、一つ一つ丁寧に遊び方を教えてくれる。


 まず丸い的については、ダーツと呼ばれるゲームらしく、小さな矢のようなものを投げて、的の中心に当てて点数を競い合うらしい。


 正直、こんな簡単な事をして何が楽しいんだろう?


 と思った時もありました。


 実際にやってみると、これがまた凄く難しい。
 力加減が難しいのと、矢が小さくてうまく投げれないのである。
 だが、カリーだけは初心者と思えない程うまかった。

 俺が全然真ん中に当たらないでいるのに対し、カリーは百発百中で中央に当てている。
 
 悔しい!!
 絶対うまくなってやる!


 と思っていたのだが、隣に俺よりも酷い人が……。


 シロマもやってみたようだが、そもそも矢が的にすら当たっていない。
 魔法と違って、自分の思うところに飛ばせないようで、大苦戦している。

 そんなシロマを見ると、少しだけ溜飲が下がるというものだ。
 今度、俺がうまくなったら手取り足取り教えてあげよう!!
 さりげなくセクハラするのも忘れないぜ! てへぺろ


 次に教えてもらったのはビリヤードと呼ばれるゲーム。
 キューと呼ばれる細い棒で球を突き、テーブルの四隅にある穴に玉を入れるらしい。

 これも単純そうに見えて、やってみるとクソムズイ。
 まずキューを球の中心にあてることから難しすぎる。

 あまりにイライラしてきて、思いっきり球を突いたらキューが折れた。
 どうやら、力加減とか俺は下手なようだ。

 ある意味、こういったのも何らかの訓練になるのでは?
 そう考えないとやってられない。


 それなのに、こいつはまた……


 そうなんです、やはりカリーだけは最初から滅茶苦茶うまい。
 同じ初心者なはずなのに、どうしてこうも違うんだ。


 カリーが様になった格好でキューを突くと、球は「コンッ!」といういい音をさせながら、他の球に当たって、それが見事に穴に吸い込まれていく。
 イモコもカリーの腕を見て、拍手をしながら驚いている。
 イモコから見てもカリーの腕はプロ級らしい。


 だが、もう気にするまい。
 俺は俺、カリーはカリーだ。
 別に競い合ってるわけじゃないし……。
 
 下手だからこそ、上手くなる楽しさがあるんだ!
 そんな勝ち誇った顔されても悔しくないんだからね!


 ふとカリーを見ると、俺に顔向けてニヤっと笑う。


 く、く、悔しくないんだからね!


 しかし、その後も何度もカリーは俺を見て勝ち誇った顔を続けた。


 てめぇ! おらやったんぞこら!!


 遂に俺も切れてしまい、再度勝負を挑むがボコボコにされた。
 

 もういいっす……。


 俺は悔しくて、涙を拭っていると、部屋の隅に誰かが丸くなっているのが見える。


 シロマだ。


 シロマはいつの間にか部屋の隅で、膝を抱えて座っていた。
 「ズーン……」という効果音が聞こえてきそうなくらい、沈んだ様子。


 どうやら、こういった娯楽はシロマに向いてないらしい。
 シロマは勝負云々の前に、そもそもキューで最初の球を真っすぐ突く事もできなかったらしい。
 その姿に俺は勇気もらった。


「シロマ、一緒にうまくなろうな!! だから元気だして!」

「いいんです……私なんか何をやってもダメダメで……不器用で……いいんです……。」


 俺はシロマを必死に励ますも、中々立ち直ってくれない。
 しかし、その後も必死に励ます事で、なんとか3人とも、最後の一つの娯楽の説明を受けることができた。


 最後にやったのは将棋と呼ばれるボードゲーム。
 ルールが複雑で中々覚えにくかったのだが、シロマはなにやら真剣な目でそれを聞いている。

 そして実際やってみると、シロマは最強だった。
 最初の説明だけで、色々な戦術が浮かんだらしい。
 カリーも俺よりは強いが、シロマ相手だとボコボコにされていた。


 やぁーい、ざまぁみろ!


 と言いたいところだが、よく考えると、俺一番ダメじゃん……。
 ま、まぁいい。
 きっと俺は、大器晩成型!
 いつか目にモノみせてくれてやる!


 と気合を入れつつ、時間を確認すると、既に昼はとっくに過ぎている!
 夢中になり過ぎて、空腹すら忘れていた。


「あぁぁ! 飯! 早く戻らなきゃ! せっかく準備してくれてるのに。」


 俺が時間を確認して焦り始めると、イモコが近寄って話かけてきた。


「大丈夫でござる。昼は甲板でバーベキューでござるから、いつでも問題ないでござるよ。こうなる事を予想して、準備をさせていたでござる。」


 嘘だろ?
 船でバーベキューだと!?
 ここはパラダイスか!?


「イモコ、お前は本当に最高だよ。この天才め! このこのぉ~!」

「ほめ過ぎでござるよ。某も丁度お腹が空いて来たから一緒に食べてもいいでござるか?」

「当たり前だろ! みんなで楽しく食べようぜ!」

「ありがたき幸せでござる。それでは、みなさ……ん?」


 俺とイモコがこれから行われるバーベキューに胸を弾ませていると、カリーは未だに将棋盤を睨みつけて、苦しそうな顔をしている。

 カリーの目の前に座るは、余裕の笑みを浮かべるシロマ。
 その顔は、なんというか、まるで新しい玩具を与えられた女の子のような無邪気な笑み……ではなく、どちらかというと悪役令嬢が浮かべる邪悪な笑みそのものであった。


「うおぉぉぉ! くそお! 何でだ! 何でだよ!!」


 突然カリーが叫ぶ。


「中々良い手でしたが、残念です。もう詰みです。」


 パチっ!

 
 シロマの王手だ。


「くっそ! もう一回! もう一回だ! 頼む! もう一回だけ!」


 おい、カリー。
 何、人の女に何度も、もう一回なんて言ってやがるんだ?
 キャン玉蹴るぞ!


「どうしましょう? 私は構わないのですが……うふふ。」


 う~ん、なんかわからんがシロマが楽しそうなのは嬉しいが、これは納得がいかん。
 あんな顔のシロマを見るのは初めてだ、悔しい! ジェラシー!

 
 すると俺は、みっともないジェラシーに駆られて、二人に駆け寄った。


「シロマもカリーも終わりだ! まだ時間はいくらでもあるんだから、今度にしろよ。もうとっくに飯の時間が過ぎてるぞ。」


 俺は嫉妬心に駆られ、食事のせいにして二人の時間を邪魔するも、自分の小ささに罪悪感を感じてしまう。


 そんな俺をちらっと見て、微笑むシロマ。
 どうやらシロマにはバレたらしい、俺が嫉妬をしていることに。
 そう思うとなんだか、凄く恥ずかしくなってきた。
 

 シロマの目を見れない……。


「あ、そうでした。お昼でしたね。そういうことですので、カリーさん、また今度お相手お願いします。」


 そして、シロマはサラッとカリーの誘いを断る。
 多分シロマもまだやりたいんだろうけど、俺に気を使ったのだろう。
 悔しい、なんか、悔しい。
 嬉しいけど……なんだこの感情は……。


「くぅ~! くそおお! まぁ仕方ねぇ、次こそ絶対リベンジしてやるからな! 覚えておけ、シロマちゃん!」

「わかりました覚えておきます。それでは上に上がりましょう。」


 そう言いながらシロマは立ち上がると、俺の手を握って歩き出す。
 まるで、カリーには全く気がない、と俺にアピールするが如く。


 あぁ、負けだよ負け。
 シロマには勝てない。


 だが、これでいい!! 
 ちょっと大人っぽくなったシロマであるが、俺はそんなシロマも好きだ。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜

ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

ハズレスキル『自動販売機』を授かって婚約破棄されましたが、 実は回復薬も魔力食も出せる最強スキルでした

暖夢 由
ファンタジー
十八歳の成人儀式で授かったのは、誰も聞いたことのない《自動販売機スキル》。 役立たずと嘲られ、婚約者レオンには即座に婚約を破棄され、人生が崩れ落ちたように思えた。 だがそのスキルには、食べ物を作り、摂取すれば魔力を増やし、さらに“治癒効果”を付与できるという隠された力があった。 倒れた母を救い、王都の名門・ヴァルセイン伯爵夫人を救ったことで、カミーラは“呪詛”という闇の存在を知る。伯爵邸で出会った炎の力を持つ公爵家次男レグナスとの出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。 やがて王都全体に“謎の病”が蔓延。カミーラは治癒スープの炊き出しを行い、人々を次々と回復へ導く。 一方、病の裏で糸を引いていたのは………。 “無価値”と嘲られたスキルが、いま世界を癒し、未来を照らす光となる――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました

山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。 生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。

処理中です...