タイムトラベルも悪くない

ひまわり

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プロローグ

プロローグ あの日 2

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外の雪にも負けないくらい
キラキラした笑顔でこっちを見てるコイツはミシェル
アメリカはニュージャージー出身の父親と1/16でフランスの血を引く日本人の母親とのハーフ

まぁこのようなバックボーンのために日本人離れした顔立ちを持っており当然モテるが本人はあまり興味がないようで俺にやたら絡んでくる変人である
その外見に反し先日の期末テストでは我が校史上初となる10点をマークし
それ以降なぜか俺にばかりつっかかってくる
(ちなみに俺は67点)


「いきなり何すんだ」

「バカねー、いきなりじゃなきゃ面白くないじゃない」


ご覧の通りである
残酷かもしれないが
コイツは恐らく阿呆と呼ばれる類の種なんだろう

「そういう事を言ってるんじゃない
登校早々にうっとうしいと言ってるんだ」

「じゃああとでまたやるからそん時はちゃんと準備しといてねー
ドキドキだねー」

なんの準備だ
コイツは俺とは正反対のタイプのようで子供顔負けの思考力と行動力をもっている
これ以上は時間の無駄だろう
ひとまず俺は席に着く

「ねーねー」

「.....。」

「ねーねーねー」

「......。」

「ねーねーねーねー」


なるほど
一個ずつ増えていく仕組みのようだ
鬱陶しさがダンチである

「なんだよ」

これ以上の無視は逆にストレスを加速させていくと判断した俺は
諦めて応じることにした

「冬休み楽しかった?
どこいった?なにしてた?何食べた?サンタさんには何もらった?」


なるほど
さっきの一個ずつ増えてくシステムは継続しているらしい
しかし一個一個に回答するほど俺は天使じゃない

「特に何も
普通に家でメシ食ってごろごろしてたよ」

我ながら見事な回答で
質問全てに該当する最高のアンサーだ
感心する
というかサンタクロースはコイツのとこにはきたのかよ
確かに外見以外における大部分が子供と相違ないからな
高齢者の方ならデータベース参照時点で対象と判断しても不思議はない

「なんだ、また夏と一緒の答えですかー
相変わらずだなぁ
もっとティーンを楽しみなよ」

相変わらずなのはお前だ
休み明けの開口一発目はこの話とでも決めてるのか
まぁ毎回同じ回答の俺も俺ではあるんだろうが
聞く方も聞く方だぞ

「お前こそ休み明けはいつもそれ聞くな
それ聞くと改めて休み明けである現実を実感するよ」

「あらそう!感謝してね!!」

やかましい

ところで
会話ならここで本来
「そういうお前はどうなんだ」
というAnd you方式が用いられるが
コイツの場合それは俺の期待と希望に反する結果となるのは濃厚のためあえてそれはしない
俺は藪の中に蛇がいるとわかってつつくバカではないのだ


「そういえば一限目なんだっけ」

「なんだっけ
あ、そうだ世界史だ!」

以前選択教科で選択したものだ
もう一方は音楽だったが
以前親父と銭湯に行った際
俺がたまたま歌った鼻歌で利用客が爆笑し一斉に風呂から上がりだしたことを鮮明に覚えている俺は当然選ばなかった
何度も言うが
俺は藪のなかにヘビがいるとわかっててつつくような真似はしないのだ

「今学期から始まるんだよな
覚える内容が多そうで憂鬱だよ」

「今度こそあんたに勝つから見てなさい!」

先に述べた英語に加え基本赤点ホルダーであるお前に負けることだけは避けたいものだ
俺にだってそのくらいのサイズのプライドならある

「まぁお互い頑張ろうや」

「うん!」

俺は適当なアンサーの天才だな
もし「適当」という科目があるならトップホルダー間違いない
そしてその適当なアンサーをちゃんと受け取るコイツは
「天然」という科目があればトップだろう
無論そんなものは存在しないが
あくまでifの話さ


とまぁこんな調子で
いつも通りだらだらとした感じで過ごしホームルーム、始業挨拶を迎えた俺たち

あと数分で新学期最初の授業が始まる
科目は世界史
20世紀の歴史を主に学ぶとのこと
しかしその授業がのちに起こる事件の引き金になるなどとはこの時はまだ知る由もなかった
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