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ここはどこ?????
しおりを挟む勇者の剣を抜いた後、くまなく広場を見て回った結果、地上に上がる階段を発見した
いやもう本当に大変だった
本当にぼくを運んで、あんなところに放置できたのは奇跡なくらい階段が急だし長いし上がるのに何時間もかかった
上がったらあがったで、鬱蒼とした暗い森だったのだが
しかも、恐ろしい剣を抜き身で手にしたままだ
せめて鞘が欲しいところだが、それは城に戻れてから考えよう
そう、ぼくは絶賛迷子中なのだ
迷子でも、この剣のおかげかあまり不安はないのだが、どの方向に城があるのだろうか?
暗い森はもう周りも見えず、剣が不気味に光っているため、うっすら足元が見える程度だ
キョロキョロ周りを見渡すと、不気味な光る眼や不気味に鳴く鳥達が見張っているような気がする
「う、うわー、こ、こわいなー…」
剣を構えたまま、そろそろと前に進む
すると、森の向こう側に俄かに薄暗い灯りが見えた
ぼんやりとした光が近づいてくるのを、茂みに隠れてやりすごす
やがて光と共に、話し声と足音が聞こえてきた
人だー!!
安心感から体から力が抜けていく。だが、こんな時間に、こんなところに来るとは。あの洞窟に、ぼくを放置した侍女の仲間かもしれない
茂みから目だけ出して、ひょこっと覗いていると、バチリと光の主と目が合った
「う、ウール?なんでここに?ていうか、ずっと待ってたんだけど」
「パン!?どうしてここに!?」
同時に発言すると、パンは呆れたように横にいた中年の男性を見上げる
「パパ、この子が話してたウール。約束の場所にずっと現れないから心配してたんだけどさ。それより、ウール。危ないじゃないか?ここは勇者の剣の……」
ふとパンが目を見開いて、ぼくの手を凝視して信じられないものを見たかのように表情を曇らせていく
パンのパパも、ぼくを見て固まっていた
「そ、それは!?勇者の剣!?!ウール、これを何処で拾ったの!?」
「これは…!危険だ!絶対に振るなよ!?鞘!封印の鞘を屋敷に取りに行かねば!ウールくん、早く来なさい!」
慌てた様子の2人に、引きずられるようにして連れて行かれた先は、パンの家だった
家といっても屋敷に着くまで随分かかったし、庭も庭園といっても差し支えなかった
ただ、貴族ではないので移動は絶対に徒歩なんだそうだ
陛下から許可があれば別なんだけどと教えてくれた
部屋に着くなり、2人は怪しい布や読めない文字が羅列してある札を剣にベタベタと貼って鞘に収めて、ほっと息をついていた
ぼくは、すっかり使用人さん達に洗われて着替えさせられ、お茶までご馳走になりながら2人の様子を伺う
この事件はヴァイスにどう伝わっているのか?
待機するよう命じられたのに、ヴァイスには逃走したように見えているか、報告されているかもしれない
ゾッとして肩をさする
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