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しおりを挟むそう、この時の奴は天使かと見間違うほど愛くるしく、白い髪はさらっさらで蒼いくりくりのお目目に頬は丸く薄ピンクで唇もうっすらピンクで女の子かとすら思ったものだ
俺の足首を掴んで持ち上げてなければ
不思議そうに首を傾げながら、小さい奴は俺を姫抱きにし、またにっこりと笑った
「何してたの?」
「あ…うう…お、おろして……」
俺の言葉にまたにぱっと笑ってゆっくりと丁寧に俺を地面に置く
「お名前は?」
小さい手を俺の手に添えて、首を傾げる奴に不覚にも、この時はドキドキした
「あ…う、くろー…くろー…き、あ…」
「クルー?クルーが君の名前なんだね、僕はバルジアン」
にこっと天使の微笑みを受けて、こちらもへらりとわらう
「あ、ここどこ?」
俺は勉強している時に着ていたジャージとパーカーのままだ
頭をちょんまげにすらしているまま
違うのはここは緑豊かな森のような場所で、俺はこの茂みに刺さっていた
バルジアンは見た目、海外の人のようだが、日本語が通じているようだ
「………」
急にバルジアンが笑顔のまま無言になる
「え?あの…ここは…」
「わかんない。僕も迷子なの」
ああ…詰んだ?子供と2人で、わけのわからん森で死ぬの?
「でもだいじょーぶだよー!僕が守ってあげるから!」
胸を叩くバルジアンに肩の力が抜ける
俺の半分も身長ないのに、何言ってんだとは思う
片手で何故か俺を持ち上げていた実績はあるが
「な、なあ、バルジアンは…どこの…」
振り返ると、バルジアンがいない
あれ?と思いながら、きょろきょろと見渡すと、頭上に大きな食虫花のような化け物の花が小さな脚をぷらぷらさせて飲み込もうとしていた
「ば、ばば!バルジアンーー!!!」
ぽかぽかと食虫花を叩きながら、バルジアンの脚を引っ張る
何だこの森、超危険じゃないか!!?
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