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どうにか木の枝を使って梃子の原理で食虫花をこじ開け、涎?まみれになったバルジアンをずるんと取り出す
涎まみれになったバルジアンはぷるぷると顔を真っ青にして泣いていた
可哀想に
そう思いながら、パーカーの裾で顔を拭ってやる
「う…うううー!!」
バルジアンは涙ぐんだまま、くるっと振り向いて食虫花を睨みつける
「あ、おい、早く行こう?バル……」
パァンって、本当にパァンって音が森に鳴り響いた
一瞬、何が起こったか解らなかった
ただ、目の前には散り散りになった食虫花と、ぐしぐし泣いているバルジアンがいる
「……へ?」
そのままバルジアンは物凄い勢いで、巨大な食虫花に蹴りを入れ、茎の部分が裂けていくのを俺は腰を抜かしながら見ていた
こんな小さい子が……
手際よく食虫花の茎の部分を裂き、消化しきれていない衣類のようなものや、武器、装飾品のようなものを引き摺り出していく
その中に忘れもしない、あの禍々しい蒼い宝石があったのだ
「それ、気に入ったの?」
にこにこしているバルジアンにぷるぷる首を振る
バルジアンの瞳に似ていると思って見ていただけだ
「じゃあ、これはクルーにあげる。あとは村に帰って売りに行くけど。でも、帰り道がわかんないんだよねぇ」
食虫花の茎の部分を括りながら、よいしょと背中に背負いながら首を傾げるバルジアンに若干、飲み込めない現実を感じながらも辺りを見渡す
結構広そうな森だ
なんなら地平線まで森に見えるし、辺りからは変な鳥の鳴き声や獣の唸り声まで聴こえてふるりと震える
熊とか、なんか凶暴なやつもいるかもしれない
涎まみれになったバルジアンはぷるぷると顔を真っ青にして泣いていた
可哀想に
そう思いながら、パーカーの裾で顔を拭ってやる
「う…うううー!!」
バルジアンは涙ぐんだまま、くるっと振り向いて食虫花を睨みつける
「あ、おい、早く行こう?バル……」
パァンって、本当にパァンって音が森に鳴り響いた
一瞬、何が起こったか解らなかった
ただ、目の前には散り散りになった食虫花と、ぐしぐし泣いているバルジアンがいる
「……へ?」
そのままバルジアンは物凄い勢いで、巨大な食虫花に蹴りを入れ、茎の部分が裂けていくのを俺は腰を抜かしながら見ていた
こんな小さい子が……
手際よく食虫花の茎の部分を裂き、消化しきれていない衣類のようなものや、武器、装飾品のようなものを引き摺り出していく
その中に忘れもしない、あの禍々しい蒼い宝石があったのだ
「それ、気に入ったの?」
にこにこしているバルジアンにぷるぷる首を振る
バルジアンの瞳に似ていると思って見ていただけだ
「じゃあ、これはクルーにあげる。あとは村に帰って売りに行くけど。でも、帰り道がわかんないんだよねぇ」
食虫花の茎の部分を括りながら、よいしょと背中に背負いながら首を傾げるバルジアンに若干、飲み込めない現実を感じながらも辺りを見渡す
結構広そうな森だ
なんなら地平線まで森に見えるし、辺りからは変な鳥の鳴き声や獣の唸り声まで聴こえてふるりと震える
熊とか、なんか凶暴なやつもいるかもしれない
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