堕ちて逝った塊

佐野絹子

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6名全員が
扉の奥に進むと 
扉が閉まり
鍵が施錠される音が聞こえた

秀一が一息ついた

「何が起きても
驚かなくなりましたね」

部屋は10畳程の広さ
無機質なコンクリートの部屋だ

俺が目が覚めた時と
同じ様な部屋だ
俺を辺りを
見渡して思った

部屋の中央には
鉄製の粗末な
テーブルと椅子が
並ばれて置かれていた

テーブルには
少し豪華な食事が
トレイのまま
置かれている

「おぉー!!飯だ!!」

龍はテーブルの上に
置かれている食事を見て喜んだ

龍がテーブルに近寄り 
手掴みで料理を
掴もうとした時

秀一が
急いで龍の傍に近寄り
龍の手首を掴んだ

「駄目です!!むやみに口にしては!!
毒が入っているかもしれません!!」

秀一の大声で龍は驚く

「すみません、大声を出して」

先程いた部屋と同様の
巨大なモニターが
テーブルの前に現れた

モニターには
━━━━━━━━━━━━━━━
以下の通りに行動して下さい

01
02
03
04
05
06

テーブルにご着席下さい
━━━━━━━━━━━━━━━
と表示されている

よくテーブルを見ると
テーブルには
数字が記されている

「椅子に座った方が良いですね」

秀一が皆に声を掛けると
それぞれ自信の数字の席に着いた

全員が席に着くと
モニターの表示が変わった
━━━━━━━━━━━━━━━
食事を始めて下さい
━━━━━━━━━━━━━━━
「食事をして良いのかしら?」

佐藤は食事をするのを
躊躇っていた

他の者も同じようだ
 1人を除いては……

龍が獣の様に
テーブルの上に
置かれた食事を食していた

〚「……………」〛

皆が唖然として
その光景を見ていた

「これを見て、食事とか…
気色悪くて…食欲なくすよ…」

アルが口に出して
言った言葉は
他の者も
口には出さないが
同様の事を
思っているはずだ

「こっ……こんな状況では
次いつ、食事出来るか分かりません
僕達も食べましょう」

秀一の言葉で
他の者も
手を伸ばして
食事をし始めた
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