堕ちて逝った塊

佐野絹子

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俺が目が覚めると
そこはベッドの上だった

俺は飛び起きた

「目が覚めましたか」

ベッドの近くにある
1人掛けソファに
秀一は座っていた

秀一の手には
本が握られている

「ここは……」

「えぇ,貴方は眠っていたので 
説明しなければいけませんね」
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秀一の説明はこうだった

秀一は
気を失った俺を背負って
皆で扉の奥に進んだ

扉の奥には
東京都にある
帝国ホテルの室内に
似た部屋があった

人数分の部屋があり
念の為に
全て部屋を
全員で念入りに調べた

結果

不審物は
何も見つからなかったそうだ

全ての部屋が
赤い絨毯で
照明が暗く調整されており

全体的に
モダンの造りの
部屋だそうだ

大広間の食堂があり
長方形の大きな食卓には
5名分の豪華な食事が並んでいる

03の数字が
記されている部屋があったので
ドアを開け
ベッドがあったので
そこに俺を寝かせた
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秀一の説明はこうだった

「そうだったのか…
教えてくれてありがとう」

「いぇ」

秀一がソファーから
立ち上がろうとした時

「秀一…龍は…」

俺は小声で言った

秀一の身体が
一瞬止まった
秀一は立ち上がり  
小さく左右に首を振った

「深く考えない方が良いです…
精神的に来ますよ」

秀一の顔は
悲しい顔をしている

「太郎さん
食事を摂りましょう
食欲が無くても
口に物は運んだ方が良い」

俺は秀一の言葉に賛同し
食事を摂る為
食堂に秀一と向かった

「太郎さん
食事が終わった後
お話しがあります」

「話し?」

「えぇ」

「うん、分かった」

食堂に向かう廊下で 
秀一と約束をした

大きな扉があり
秀一は扉を開けた
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