堕ちて逝った塊

佐野絹子

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死 弍

04 佐藤利子 Ⅰ

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私の家族構成は
少し複雑だった

父親違いの兄と
母親の再婚相手と  
母親との4人暮らしだった

母親は全く家事をしなかった

食事はいつもコンビニ弁当
酷く汚く散らかった部屋
洗面所には洗濯の山

私はコンビニ弁当が大嫌いだ
あんな物を食べるくらいなら
自分で作る方がマシ

母はいつも家にいなかった

朝早くに出掛け
夜遅く帰宅する

因みに母は
仕事はしてない

土日は学校がなく
食事に困る
母は兄に1000円札を渡して
「それでご飯を食べて」と言って
再婚相手の男と
何処かに出掛けて行った

母の帰宅は遅いと言ったが
だいたいの時間は分かる
23時頃と遅い
帰りの時は
再婚相手の男と
いつも一緒だ

帰宅した母は
機嫌が良い時と
悪い時があった

子供の頃は
知らなかったのだが
大人になるにつれ
その原因が分かった

帰りが遅いのは
パチスロをしていたからだ
機嫌のよさは
パチスロの勝ち負けで決まる

私はギャンブルの類(たぐ)いも大嫌いだ

私が小学生高学年になった頃
母が男と蒸発した

兄はグレて
暴走族に入り
家に殆どいなかった

私と再婚相手が
家に2人暮らしの
生活が始まった
━━━━━━━━━━━━━━━
そこから
私の生活は
地獄と化した………
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