堕ちて逝った塊

佐野絹子

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死 参

06 Ⅷ

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僕は睡魔から
解き放たれて
目を覚ました

そこは以前
来た時の
真っ白な部屋

床も壁も天井も
真っ白な部屋
方向感覚が狂いそう

僕、この部屋苦手だな
明る過ぎて
頭痛くなる…

他の人間も
目が覚めたみたい

1人、2人、3人……
僕入れて6人か

僕は傍にいる
人間を数えた

この前よりも
人間の数多いね

しかも
あの2人もいるし
何だか
わくわくしてきたよ
━━━━━━━━━━━━━━━
「なんだこの気色悪い服は!!」    

柄の悪い男が
自分の着ている服を見て
喚いてるよ

「しかもこの首輪!!ふざてんのか!!」 

煩いなぁ……
静かにしてくれないかな?

「触らない方が良いですよ」   

柄の悪い男が
自分の首輪に
触れようとした

「首輪に、何かセンサーの様な物が
取り付けられています
下手に触ると爆発する可能があります」

眼鏡くんの発言で
柄の悪い男は
顔色を変えて
手を止めた

眼鏡くん
余計なこと言うなよ
首輪爆発させて
こんな煩い奴
死んじゃえば良かったのに

僕の心に悪意の
想いが溢れた

「いやぁぁぁああ!!!!」

眼鏡くんの発言を聞いて
少女が取り乱している

あれ?
この子………
僕と同じ?

「落ち着いて…大丈夫だから…大丈夫だからね」

女が少女を宥めている

僕の心は期待とわくわくで
最高潮になっている

僕は笑みが止まらなかった


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