堕ちて逝った塊

佐野絹子

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死 参

06 ⅩⅠ

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「私は賛成です」

女は眼鏡くんの
提案に答えた

「僕はどっちでもいいかな」

僕は素っ気なく答えた

本当にどっちでも良い
と言うより
自己紹介なんて
どうでもいい

名前が無い僕にとっては
無意味な物

「私…も…さ賛成です」

例の女が
控えめに答える

「あ?なんで、てめぇが仕切ってんだ?」

柄の悪い男が
眼鏡くんを
睨み付けながら
言葉を吐きつけた

「僕は提案しただけです」  

柄の悪い男の言動に
動じない様子で
眼鏡くんは答えた

「チッ、気に食わねぇが
てめぇの提案に乗ってやるよ」

「ありがとうございます」

柄の悪い男の言葉に 
眼鏡くんは
微笑んでお礼の
言葉を口にした

僕は2人の様子を見て
眼鏡くんに
心が高鳴った

僕もこんなふうになりたいな
かっこいい

僕は此奴に
イライラしてばっかりで
全然スマートじゃあない

僕はいつの間にか
眼鏡くんに
尊敬な眼差しで
見つめていた
━━━━━━━━━━━━━━━
眠い…………

僕は欠伸をした

少し疲れちゃった…

後は皆に合わせよう
なんだか
飽きてきちゃった
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