Amor et Odium

佐野絹恵(サノキヌエ)

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神殿の扉に手をかけ俺達は中へ足を踏み込んだ

中へ入ると
目が眩む程の強い光が眼球を攻撃して来る
反射的に強く目を瞑る
神殿の中は神々しい光に包まれていた

先端部に足を進める 
巨大な十字架があり、その下に祭壇がある
祭壇の周りには数人の司祭が俺達を待ち構えていた

「お待たせしました!!」

アレンが満面の笑みで司祭達に挨拶をする

「……………」

司祭達はアレンの挨拶を無視し
無言を決め込んでいる
しかも、俺達と全く目を合わせとしない

正直、良い気分ではない
しかし…この様な態度を取るのは仕方ない事だ

俺が悪魔に取り憑かれている可能性がある
悪魔と会話したとなれぱ、取り憑かれたと疑われ
教会から破門を言い渡される場合がある

司祭達は無言のまま手で指示を出す

【祭壇に近づけ】

俺達は指示通り祭壇に近付く
そこには俺がエマの家から持ち帰った木箱がある
木箱の中を覗くと幼い頃、遊んだ玩具は朽ちていた…

朽ちていた玩具を目にした瞬間
一瞬、視界が白黒に変わる

「…は…?」

異変を感じ顔を上げる

……え……何で……?

俺の目の前には逃げて来た村があっ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
真っ赤に燃えた夕陽が村を染めている

「………」

恐怖で身体が震えている…

何故ここに俺はいるんだ?
教会にいたはず

それでも此処に立ち尽くしている訳にもいかず
俺は恐る恐ると身体を動かした

先ずは村の探索をしよう





…おかしい…
どの家も朽ち果てている

俺が村から逃げて1週間も経っていないのに関わらず
村の家の全てが朽ち果て廃村状態だ

「ぎゃーーー!!!!」

村の探索をしていると
村外れの教会からアレンの叫び声が聞こえた

「アレン!?」

彼奴もこの村にいるのか!?
俺は急いで教会へ向かった
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
教会の扉を開ける

……………

中は静寂に包まれていた
恐る恐る中へ進む

教会の中を見渡すが、おかしい点は見当たらない
では、先程の叫び声は何だ…?

先端部まで足を進め振り返る

「アレン!?」

教会の長椅子にアレンが横たわっていた
俺はアレンの元へ駆け寄る

…顔色が悪い…

「アレン!!アレン!!」

声掛をするが全く反応はない

チッ、思わず舌打ちしてしまう

アレンの体調を安治
俺はアレンを背負うと教会から脱出した

普段なら教会は安全だが
今は安全とは言えない

取り敢えず、エマの家に避難するか

それより
此奴の身体の軽さは何だ
まるで女の様だ
・ 




エマの家に避難してきた俺達は
気を失っているアレンをベッドに寝かせた

先に確認しなければいけない事がある

アレンの着る洋服に手にかけ、恐る恐る服を脱せる

悪魔の紋章が入っていなければ良いが...

「なっ!?」

驚きのあまり俺はアレンから離れる

何で!?アレンの身体に
男には付いていない物が付いているんだ…
そんな…まさか…アレンが…女だなんて…

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