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第一章(謎解きのはじまり)
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間宮がいなくなった部屋は、乱れたベッドシーツ以外、とても綺麗に整えられていた。初めてなので他とは比べられないけど、なかなか品の良いラブホテルのようだった。
窓は無かったが、天井近くにある小さな明かり取りの嵌め込みガラスから見える空はまだ暗かった。
時間を確認すると、深夜3時前だった。一体、間宮はどこに行ったのだろうか。始発だってまだだろうに。
僕は、所在なくベッドに腰掛けた。シーツの、ところどころに、僕のモノであろう精液がこびり付いている。思わず頭を抱え込んでしまったが、すぐさまハンカチを洗面所で濡らしてくると、ゴシゴシと拭き取った。
どっと疲労が増した身体を、仰向けでベッドに投げ出した。足先に転がっていた枕を両足で挟み込んで、本来あるべき場所へと戻して、ゆっくりと深く頭を沈み込ませた。
そうすると、いやがおうでも先ほどの間宮とのすったもんだが思い出されてしまうが、それでも僕にはどうしてもまだ、全ての事実を受け入れがたかった。
気がつけば僕の手は、自然と足の間へと伸びていた。半ばヤケクソのように、手に触れたそれを勢いよく擦り続けてみる。まだシーツにも部屋の中にも、間宮の匂いは残っている。僕は、目を閉じて、さっきの嘘みたいに白くて丸い綺麗な尻を思い描いていった。
でも、僕の手の中にあるモノは、いつまで経っても柔らかなままだった。
そのことに僕は、心の底から安堵した。
見上げた薄いピンクの天井は、どうやら何食わぬ顔で、こんな情けない僕にも、仕方のないヤツだなと気前よく睡魔を与えてくれるようだった。
だから僕は、目を閉じた。
窓は無かったが、天井近くにある小さな明かり取りの嵌め込みガラスから見える空はまだ暗かった。
時間を確認すると、深夜3時前だった。一体、間宮はどこに行ったのだろうか。始発だってまだだろうに。
僕は、所在なくベッドに腰掛けた。シーツの、ところどころに、僕のモノであろう精液がこびり付いている。思わず頭を抱え込んでしまったが、すぐさまハンカチを洗面所で濡らしてくると、ゴシゴシと拭き取った。
どっと疲労が増した身体を、仰向けでベッドに投げ出した。足先に転がっていた枕を両足で挟み込んで、本来あるべき場所へと戻して、ゆっくりと深く頭を沈み込ませた。
そうすると、いやがおうでも先ほどの間宮とのすったもんだが思い出されてしまうが、それでも僕にはどうしてもまだ、全ての事実を受け入れがたかった。
気がつけば僕の手は、自然と足の間へと伸びていた。半ばヤケクソのように、手に触れたそれを勢いよく擦り続けてみる。まだシーツにも部屋の中にも、間宮の匂いは残っている。僕は、目を閉じて、さっきの嘘みたいに白くて丸い綺麗な尻を思い描いていった。
でも、僕の手の中にあるモノは、いつまで経っても柔らかなままだった。
そのことに僕は、心の底から安堵した。
見上げた薄いピンクの天井は、どうやら何食わぬ顔で、こんな情けない僕にも、仕方のないヤツだなと気前よく睡魔を与えてくれるようだった。
だから僕は、目を閉じた。
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