64 / 80
第二章(謎解きのおわり)
実は彼、次の作品で主人公です。
しおりを挟む
……え?
太郎さんだけでなく、完全アウェイな女の子たちまでもが、そうやって口を揃えて答えると、さすがに信ぴょう性が高くないか……?
僕は、思わず自分の背後や店内中をぐるりと見回すも、特にこれと言って怪しいカメラなども見当たらない。
どうやら、これは、ドッキリでもサプライズでも無いらしい……。
あえて一番怪しい人物を挙げるとするなら、間違いなくそれは僕だろう。
店の防犯カメラには、ばっちり挙動不審の若い男の姿が記録されているはずだ。
……………………………………………………………………………………え?
バチくその……イケメンだって?
……僕が?
「……え……僕って……イケメンなんですか?」
「うん」
満場一致で肯定された。
まっったくピンとは来てないが、まさかの僕はイケメンだったらしい。……マジか。いや……僕の三軍に捧げた24年の月日よ。
イケメンってもっと、人生楽しいのかと思っていました。なんだ、全然じゃんか。むしろ、めちゃくちゃしょっぱいぞ。
僕は、放心状態で、24年ぶりに更新された自分自身に関する最重要事項を前にして、その場に立ち尽くしていた。
「……あれ? もしかして、太郎さんが僕を好きだっていうのも、その、イケメンだからなんですか?」
「うん」
あ、なる。……そーなんだ。なんだこれ、めちゃくちゃスンッてなるな、なんでだこれ。……あれ? ほんとに僕ってイケメン?
「まあー、お前は残念すぎる顔だけイケメンだよな」
太郎さんの後ろにいる女の子たちも、みんな一様にウンウンと頷いている姿を見て、僕は苦虫を噛み潰したような気分だった。
「まー、あれだ。お前って滅多に鏡とか見なさそうだもんな。なあ、誰か鏡持ってない?」
「えー……」
どうやら、この場に手鏡を所持している女子力の持ち主はいなかったみたいだ。
「しゃーねーな、んじゃ、スマホのカメラでいっか」
そう言って、太郎さんは、僕が映り込むように設定したカメラ画面をこっちに向けてきた。
実は、悔しいことに、太郎さんの言う通りで、僕は鏡で自分の顔をほぼ見ずに生活しているのだ。そんな、驚くべきようなことじゃない。でもまあ、見るのは朝、洗面所で顔を洗うときくらいのものだ。(毎日1分)
だから、こんな改めて、それも人前で、いざ自分の顔を見ろと言われたって、気分が悪くなるだけだった。
そのスマホ画面に映っているのは、目と鼻と口が付いている、顔色の悪い男だった。
「……ははっ、久しぶりだってのに、ひでー面してんじゃん」
その声を聞いて、僕はハッとした。
カシャッ
そして、ちょうどその顔を太郎さんにスクショ(スクリーンショット)で撮られた。
「……ちょっ、太郎さん!?」
僕は慌てて顔を手で隠した。
「……今、太郎さんといるのか」
僕は、たまらずに、もう一度スマホ画面に顔を映した。
「……間宮」
間宮の顔は見えない。そこに写っているのは、僕の顔だけだった。でも、確実に間宮がソコにいる。
太郎さんは、スマホのカメラ画面ではなく、なんとL◯NEのビデオ通話の画面を開いていたのだ。
そして、そのスマホの繋がった先にいるのが、間宮だった。1年ぶりくらいに聞く間宮の声は、何一つ変わっていないように思えた。
太郎さんだけでなく、完全アウェイな女の子たちまでもが、そうやって口を揃えて答えると、さすがに信ぴょう性が高くないか……?
僕は、思わず自分の背後や店内中をぐるりと見回すも、特にこれと言って怪しいカメラなども見当たらない。
どうやら、これは、ドッキリでもサプライズでも無いらしい……。
あえて一番怪しい人物を挙げるとするなら、間違いなくそれは僕だろう。
店の防犯カメラには、ばっちり挙動不審の若い男の姿が記録されているはずだ。
……………………………………………………………………………………え?
バチくその……イケメンだって?
……僕が?
「……え……僕って……イケメンなんですか?」
「うん」
満場一致で肯定された。
まっったくピンとは来てないが、まさかの僕はイケメンだったらしい。……マジか。いや……僕の三軍に捧げた24年の月日よ。
イケメンってもっと、人生楽しいのかと思っていました。なんだ、全然じゃんか。むしろ、めちゃくちゃしょっぱいぞ。
僕は、放心状態で、24年ぶりに更新された自分自身に関する最重要事項を前にして、その場に立ち尽くしていた。
「……あれ? もしかして、太郎さんが僕を好きだっていうのも、その、イケメンだからなんですか?」
「うん」
あ、なる。……そーなんだ。なんだこれ、めちゃくちゃスンッてなるな、なんでだこれ。……あれ? ほんとに僕ってイケメン?
「まあー、お前は残念すぎる顔だけイケメンだよな」
太郎さんの後ろにいる女の子たちも、みんな一様にウンウンと頷いている姿を見て、僕は苦虫を噛み潰したような気分だった。
「まー、あれだ。お前って滅多に鏡とか見なさそうだもんな。なあ、誰か鏡持ってない?」
「えー……」
どうやら、この場に手鏡を所持している女子力の持ち主はいなかったみたいだ。
「しゃーねーな、んじゃ、スマホのカメラでいっか」
そう言って、太郎さんは、僕が映り込むように設定したカメラ画面をこっちに向けてきた。
実は、悔しいことに、太郎さんの言う通りで、僕は鏡で自分の顔をほぼ見ずに生活しているのだ。そんな、驚くべきようなことじゃない。でもまあ、見るのは朝、洗面所で顔を洗うときくらいのものだ。(毎日1分)
だから、こんな改めて、それも人前で、いざ自分の顔を見ろと言われたって、気分が悪くなるだけだった。
そのスマホ画面に映っているのは、目と鼻と口が付いている、顔色の悪い男だった。
「……ははっ、久しぶりだってのに、ひでー面してんじゃん」
その声を聞いて、僕はハッとした。
カシャッ
そして、ちょうどその顔を太郎さんにスクショ(スクリーンショット)で撮られた。
「……ちょっ、太郎さん!?」
僕は慌てて顔を手で隠した。
「……今、太郎さんといるのか」
僕は、たまらずに、もう一度スマホ画面に顔を映した。
「……間宮」
間宮の顔は見えない。そこに写っているのは、僕の顔だけだった。でも、確実に間宮がソコにいる。
太郎さんは、スマホのカメラ画面ではなく、なんとL◯NEのビデオ通話の画面を開いていたのだ。
そして、そのスマホの繋がった先にいるのが、間宮だった。1年ぶりくらいに聞く間宮の声は、何一つ変わっていないように思えた。
0
あなたにおすすめの小説
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた
こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談?本気?二人の結末は?
美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる