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第二章(謎解きのおわり)
男三人衆、いざ街へ。
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「マミリンは、このあと大丈夫?」
太郎さんが、スマホを耳に当てて二人で話し始めると、僕は、あかりちゃんに呼び止められた。
「……あのさ」
あかりちゃんは、さっきまでとは打って変わって、その表情は真剣そのものに見えた。
「たろちゃんはさ……ガチでうちらの大切な人なんだよね。だから、お願いだから、たろちゃんのこと傷つけるようなマネだけはしないでね……」
太郎さんを傷つける? 僕が?
どうして、そんな心配をするのだろう……。
「太郎さんは、僕にとっても憧れの人だから、そんなこと絶対にしませんよ」
「……うちら……みんなさ、たろちゃんに振られたとき、なんて言われたと思う?」
「……」
「“ゴメン、俺には心に決めてるバチくそのイケメン君がいるんだよねー”……って」
そう言って、あかりちゃんは、どこか寂しげに笑った。
あかりちゃんたちが、本屋で口を揃えて僕のことを「バチくそイケメン」だと言い切ってた理由がコレか……。
太郎さんは、僕なんかに一目惚れをして、願掛けして髪を伸ばしていただなんて言うけれど、一体いつから、僕のことを特別に思っていてくれたのだろうか。
僕が、あの本屋に通い出したのは高1のときだ。中学のときにも、もちろん利用はしていたのだけれど、特にお小遣い制でもなかった我が家では、基本的に母親に買ってきてもらっていた。
だから、もし、高1のときの僕を見かけて、そうなったのだとしたら、太郎さんも、あかりちゃんを始めとする女の子たちも、一体どんな思いで僕をみていたのだろうか。
それなのに僕は、結局何も言えないまま、太郎さんと、スマホの中の間宮と共に、本屋を後にしたのだった。
ふと、僕にささやかな疑問が生じた。
「……あの、あまり人目がある場所で話せる内容じゃないので、カラオケにでも行きますか?」
すると、太郎さんは、おもむろに僕を振り返り、少し意味深に間を置いたあとで答えた。
「……ん、ああ。ちゃんと個室にするから大丈夫だって」
アッ! そうか、飲食店にも、密室はあるんだった。……密室って言い方は、ちょっと違うな。
世界的な驚異的ウィルスの流行によって、それこそ一年くらい、ほぼ全ての飲食店に、営業停止命令が出されていたものの、ようやくここ最近は、感染者の状況をかんがみながら、少しずつ営業が再開され始めていた。
まあ、時間と人数の制限はあるけれど。
食べるときは黙食で、話すときは必ずマスクを着用しなければならないルールがあるが、ニュースなどで見かけるそんな不思議な光景にも、もはや違和感が無くなりつつある。
こういうときの人間の適応能力って、本当に素晴らしいよな。
そういえば、僕は、太郎さん、もといデジャヴさんの素顔はまだ観ていないことを思い出した。まあ、あんだけ、多くの女の子たちを虜にしてきたわけだから、マスクの下だって、相当に甘いマスクをしているのに決まっている、マスクだけに。
誰もツッコんでくれないのをいいことに、親父ギャグをかましながらも、内心では、ずっとドキドキしていた。
スマホの中に間宮が居るとはいえ、こうして誰かと肩を並べて出かけるのは、間宮以外で初めてのことだった。
太郎さんが、スマホを耳に当てて二人で話し始めると、僕は、あかりちゃんに呼び止められた。
「……あのさ」
あかりちゃんは、さっきまでとは打って変わって、その表情は真剣そのものに見えた。
「たろちゃんはさ……ガチでうちらの大切な人なんだよね。だから、お願いだから、たろちゃんのこと傷つけるようなマネだけはしないでね……」
太郎さんを傷つける? 僕が?
どうして、そんな心配をするのだろう……。
「太郎さんは、僕にとっても憧れの人だから、そんなこと絶対にしませんよ」
「……うちら……みんなさ、たろちゃんに振られたとき、なんて言われたと思う?」
「……」
「“ゴメン、俺には心に決めてるバチくそのイケメン君がいるんだよねー”……って」
そう言って、あかりちゃんは、どこか寂しげに笑った。
あかりちゃんたちが、本屋で口を揃えて僕のことを「バチくそイケメン」だと言い切ってた理由がコレか……。
太郎さんは、僕なんかに一目惚れをして、願掛けして髪を伸ばしていただなんて言うけれど、一体いつから、僕のことを特別に思っていてくれたのだろうか。
僕が、あの本屋に通い出したのは高1のときだ。中学のときにも、もちろん利用はしていたのだけれど、特にお小遣い制でもなかった我が家では、基本的に母親に買ってきてもらっていた。
だから、もし、高1のときの僕を見かけて、そうなったのだとしたら、太郎さんも、あかりちゃんを始めとする女の子たちも、一体どんな思いで僕をみていたのだろうか。
それなのに僕は、結局何も言えないまま、太郎さんと、スマホの中の間宮と共に、本屋を後にしたのだった。
ふと、僕にささやかな疑問が生じた。
「……あの、あまり人目がある場所で話せる内容じゃないので、カラオケにでも行きますか?」
すると、太郎さんは、おもむろに僕を振り返り、少し意味深に間を置いたあとで答えた。
「……ん、ああ。ちゃんと個室にするから大丈夫だって」
アッ! そうか、飲食店にも、密室はあるんだった。……密室って言い方は、ちょっと違うな。
世界的な驚異的ウィルスの流行によって、それこそ一年くらい、ほぼ全ての飲食店に、営業停止命令が出されていたものの、ようやくここ最近は、感染者の状況をかんがみながら、少しずつ営業が再開され始めていた。
まあ、時間と人数の制限はあるけれど。
食べるときは黙食で、話すときは必ずマスクを着用しなければならないルールがあるが、ニュースなどで見かけるそんな不思議な光景にも、もはや違和感が無くなりつつある。
こういうときの人間の適応能力って、本当に素晴らしいよな。
そういえば、僕は、太郎さん、もといデジャヴさんの素顔はまだ観ていないことを思い出した。まあ、あんだけ、多くの女の子たちを虜にしてきたわけだから、マスクの下だって、相当に甘いマスクをしているのに決まっている、マスクだけに。
誰もツッコんでくれないのをいいことに、親父ギャグをかましながらも、内心では、ずっとドキドキしていた。
スマホの中に間宮が居るとはいえ、こうして誰かと肩を並べて出かけるのは、間宮以外で初めてのことだった。
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