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第二章(謎解きのおわり)
歴戦の敗者。
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「あの日のことは、本当に僕も間宮にずっと謝りたかったんです」
僕は、声を振り絞るようにして話し始めた。
「あのときは、酒が入ってたこともあって、正常な判断ができる状態ではなかったし」
「ちょっと待て!」
急に、太郎さんが割って入ってくる。
「お前が謝りたいのって、もしかしてマミリンに顔射しちゃったこと?」
「……がっ!!」
ようやく僕のターンに入ったと思ったところに魔球をぶっ込んでくるの辞めていただけませんかね?
「……ちがいます」
「あ、そう……なら、良かった」
「……あのさあー」
ここで、まさかの割り込みをしてきたのが、もはや忘れ去られていそうな、「あかりちゃん」である。
そういや、女の子たちの存在を途中から完全に置き去りにしていた気がする……。
「そろそろ夕方のピークタイム……まあ、言っても大したことないんだけどさ……が、来るし、それになにより……」
あかりちゃんは、彼女の後ろにどうにかして身を隠したくてモジモジしている女の子たちを振り返った。
「もはや、わたしたち部外者が聞いていいような話じゃなさそうだからさ、できるならココ(本屋)以外で話し合ったほうがいいんじゃない?」
何もかもその通りすぎる。
「……僕は、この後も特に予定は無いんで別に大丈夫ですけど……太郎さんと……ま、間宮はどうですか?」
「えー、俺抜けちゃっていいのー?」
そんなことを言いながらも、すでに太郎さんは店のエプロンを外しに掛かっていた。
「ダイジョブ、ダイジョブー! なんせうちらは、たろちゃんの恋を応援してる、たろちゃんの親衛隊なんだからねっ!」
なんじゃ、そりゃ。
思わず目元を緩ませてしまったのを見逃さないとばかりに、太郎さんは僕に断言した。
「ちなみに、この子たち、全員俺に振られてっから」
「……は?」
「そうなのよー、うちら、たろちゃん目当てにバイトに入っては、次々に振られていった歴戦の敗者たちなんです」
「……た、太郎さん、激モテじゃないですかあ!」
そりゃそうだ。男の俺から見ても、かなりの色男なのだから、女の子にモテないわけがない。
「みんな振られても、たろちゃんと少しでも関わってたいから、全員でタッグ組んで、わたしたち今、曜日で担当決めて週一で働いてるの」
「え? それって、太郎さんはほぼ毎日働いてるってことですか?」
「うん、日によりけりだけど、そうだよー」
「……あれ? でも、太郎さんがバイト始めたのって、割と最近ですよね?」
「えー、何言ってんの? だから、たろちゃんは、ここのバイト9年目なんだってばー」
「ええっ!? でも、太郎さん見かけるようになったの、ここ最近な気がするんですけど……あ! そういえば物凄く髪の長い女性が働いてませんでしたっけ? その人は、太郎さんの親衛隊には入ってないんですかね?」
「えー、あなた、何言ってるのー、そんなの」
「シーーーッ!」
あかりちゃんが何かを言いかけたのを、太郎さんは、茶目っ気たっぷりな笑顔で制止した。
まあ、別にそこまで気になってないし、別にいいんですけどね、教えてもらえなくても、ええ。
僕は、声を振り絞るようにして話し始めた。
「あのときは、酒が入ってたこともあって、正常な判断ができる状態ではなかったし」
「ちょっと待て!」
急に、太郎さんが割って入ってくる。
「お前が謝りたいのって、もしかしてマミリンに顔射しちゃったこと?」
「……がっ!!」
ようやく僕のターンに入ったと思ったところに魔球をぶっ込んでくるの辞めていただけませんかね?
「……ちがいます」
「あ、そう……なら、良かった」
「……あのさあー」
ここで、まさかの割り込みをしてきたのが、もはや忘れ去られていそうな、「あかりちゃん」である。
そういや、女の子たちの存在を途中から完全に置き去りにしていた気がする……。
「そろそろ夕方のピークタイム……まあ、言っても大したことないんだけどさ……が、来るし、それになにより……」
あかりちゃんは、彼女の後ろにどうにかして身を隠したくてモジモジしている女の子たちを振り返った。
「もはや、わたしたち部外者が聞いていいような話じゃなさそうだからさ、できるならココ(本屋)以外で話し合ったほうがいいんじゃない?」
何もかもその通りすぎる。
「……僕は、この後も特に予定は無いんで別に大丈夫ですけど……太郎さんと……ま、間宮はどうですか?」
「えー、俺抜けちゃっていいのー?」
そんなことを言いながらも、すでに太郎さんは店のエプロンを外しに掛かっていた。
「ダイジョブ、ダイジョブー! なんせうちらは、たろちゃんの恋を応援してる、たろちゃんの親衛隊なんだからねっ!」
なんじゃ、そりゃ。
思わず目元を緩ませてしまったのを見逃さないとばかりに、太郎さんは僕に断言した。
「ちなみに、この子たち、全員俺に振られてっから」
「……は?」
「そうなのよー、うちら、たろちゃん目当てにバイトに入っては、次々に振られていった歴戦の敗者たちなんです」
「……た、太郎さん、激モテじゃないですかあ!」
そりゃそうだ。男の俺から見ても、かなりの色男なのだから、女の子にモテないわけがない。
「みんな振られても、たろちゃんと少しでも関わってたいから、全員でタッグ組んで、わたしたち今、曜日で担当決めて週一で働いてるの」
「え? それって、太郎さんはほぼ毎日働いてるってことですか?」
「うん、日によりけりだけど、そうだよー」
「……あれ? でも、太郎さんがバイト始めたのって、割と最近ですよね?」
「えー、何言ってんの? だから、たろちゃんは、ここのバイト9年目なんだってばー」
「ええっ!? でも、太郎さん見かけるようになったの、ここ最近な気がするんですけど……あ! そういえば物凄く髪の長い女性が働いてませんでしたっけ? その人は、太郎さんの親衛隊には入ってないんですかね?」
「えー、あなた、何言ってるのー、そんなの」
「シーーーッ!」
あかりちゃんが何かを言いかけたのを、太郎さんは、茶目っ気たっぷりな笑顔で制止した。
まあ、別にそこまで気になってないし、別にいいんですけどね、教えてもらえなくても、ええ。
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