効率厨による異世界冒険

第８話 効率厨の検証

『検証ですか？』


「ああ、いったいこの世界の魔物みたいな奴らには言葉が通じるのか、意思疎通は取れるのかという検証を軽くしてみたのさ」


『はぁ………ご主人はお暇なんですね…‥…』


「こういうのをゆっくり手探りでやっていくのが好きなんだよ！」


『おや？　誰か来たようですね』


それぞれゴブリンの方から、大蜘蛛の方から誰かが歩いてくる。


（あれはいったい………）









「ゴブ！！　ダメでねぇか！！　この辺りは縄張りが曖昧だから近付いちゃダメって言ったけろ！！」


「ゴブゥゥ……」


「まったく躾のなってない野蛮な者共よ。まぁ、主もよく頑張ってくれたな」


「キチキチキチ！」


ゴブリン側から来たのはまだ幼い少年。


そして大蜘蛛側から来たのは誰もが振り返ってしまうような妖艶な雰囲気を纏う絶世の美少女だ………しかし俺の身長を遥かに超える大蜘蛛平然と乗っているの点を除けばだが。









（まったく話が見えないが、縄張り争いなのか………？　ここはゴブリンと蜘蛛の縄張りの境界線上なのか？）


信はジッと観察していた。