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『すまない、夢中になって・・・乱暴だった・・』
その夜の雅彦はいつもと違っていた。
春馬がバイトから帰ると普段は21時を過ぎないと帰宅しない雅彦が、その晩は既に部屋に居て、おまけにだいぶ酔っているようだった。
『ただいま。あれ、今日は早いね。』
『来い!春馬!』
春馬は荷物を下す間もなく腕を掴まれて強引に奥の部屋へと連れていかれた。
『雅彦さん痛いよ!離して!どうしたの!』
雅彦は和室を開けると春馬の背中を乱暴に突き飛ばし、春馬の体は畳へと前のめりに転がった。
驚いて振り返り、後ろ手に襖を閉める雅彦を見て春馬はこれから何をされるのかを悟った。
常に余裕があって春馬を見守るように側にいてくれる雅彦の姿はここには無い。
『怪我はさせたくない、抵抗はするな。』
今まで聞いたことのないような、ドズの効いた低い声に春馬の体が震える。
長身で細身ではあるが雅彦は意外に力が強く重量もある。
勢いよく覆いかぶさる雅彦の体を退けようとしてもビクともしなかった。
Tシャツは破かれ、ジーンズが一気に引き下ろされて下着が片足首にかろうじて引っかかっている。
それさえも全て取り去られ、いきなり両足を抱え上げられ開かれ、見られたくない陰部が晒されて春馬は叫ぶ。
『ま、雅彦さん、見ないで!イヤだぁ・・・』
あまりに性急に結合しメリメリと侵入してくる行為に体が軋み引き攣れた激痛に泣き声を放つ。
『痛いっ! 雅彦さん・・・いた・・い!』
それでもかまわず荒々しい性器が打ち込まれ続けると、春馬は悲鳴に近い嗚咽を繰り返した。
『いやぁ、、あっ、、ひぃ、、』
内部が傷ついたのだろう、ピリピリと鈍い痛みを伴ない鉄の匂いがしてくると、雅彦はやっと己の残酷な仕業を悔やんだのか、やがてやわらかな律動へと変わっていった。
『春馬、聞かせてくれ、なぜ今になってアイツにあれを送ったんだ。』
『な、なんのこと・・・あっ、やめ・・て』
この時初めて春馬は雅彦が保存してある音声データの存在を知っていると知らされた。
そして、それが拓哉の元へ送信されたことも。
もちろん春馬の仕業ではない、
『ちがう!・・俺じゃないから、信じて雅彦さん!』
『俺だって信じたい、なら、誰がやったんだ!』
『わからないよ!でも俺じゃない!本当だよ!』
その時、春馬の胸にポツリポツリと雫の感触が灯った。
それは紛れもなく雅彦の涙の雫だった。
『俺に飽きたのか?元カレのアイツと寄りを戻したいのか?許さない!春馬!春馬ぁー!』
息を弾ませ速度を上げて己の熱い楔を深く深く打ち付ける。
『ひぃ・・・あっ、あっ、・・・イヤだぁ・・』
『もう離さない。お前は俺のモノだ春馬!』
雅彦さんが泣いている。
成功した青年実業家として雑誌に載るような東条雅彦が俺と離れたくないと泣いている。
その姿は1年前の自分自身だった。
拓哉に捨てられて泣く自分の姿と重なって見えた。
愛しい恋人を奪って行った相手を呪い、憎しみの業火に己すら焼き尽くされて、一歩も歩けない灰人形と化したあの頃の俺と同じだ。
でも俺は雅彦さんに救われた。
上も下も右も左も何も見えない、いや、見ようとしない俺の鼻先にポトリと感触で伝えてくれた。
天へ続く糸の存在を。
脱出する糸を垂らしてくれたのは、紛れもなく雅彦さんだ。
だから盲目でも、歩けなくても、暗闇でも関係なかった。ただ、その糸につかまるだけで、スルスルと引き上げられて、たどり着いた先は雅彦さんの腕の中だった。
春馬は初めての日の雅彦の腕の中で目覚めた朝の光景を、永遠に忘れじと、大事に魂に納めている。
雅彦さんは俺の体に積もり、纏わりついていた灰を丁寧に払ってくれた。恐る恐る目をあけた先に現れたのは、朝の光を背にした雅彦さんの眩しい笑顔だった。
だから俺だって、やっと手に入れた温かな腕を離すつもりはない。
『大丈夫だよ、大丈夫。泣かないで、悲しまないで雅彦さん。』
先程まで、まるでレイプのような暴力をはたらいていた男の顔を正面に向かせて仰ぎ見て、頬を両手で包み幼い子供にするように大丈夫、大丈夫とあやした。
『本当か?どこにも行かないか?』
『うん、俺はどこにも行かない。だから、だからもっと優しく抱いて。』
胸の赤い突起を夢中でしゃぶりついている雅彦の髪を撫でながら、春馬は密やかに満足の笑みを浮かべる。
さっきのは暴力であって暴力じゃない。
何故なら俺は雅彦の焼き付くような愛情に歓喜し、与えられる痛みさえも応えて駆け上がり、好物を食した証のヨダレを口元にテカらせる。
理性を無くして一刻も早く繋がりたいとする雅彦の姿をイヤだと言いながら、その実、ほくそ笑んでいる。
この体が欲しいのだろうと。
淫靡な縦糸と蜜欲の横糸を織り合わせて張りめぐらせた蜘蛛の罠にかかった獲物が雅彦だ。愛しい男を快楽と欲情の世界に引き込んで絡め取る。
『春馬、愛している。あぁ、気がおかしくなりそうだよ。』
『俺も愛している。雅彦さんだけを。』
溢れる蜜を湛えた春馬を聳り立つ陰茎が掻き回す水音が心地よく木霊する。
その響き渡る音色に合わせて窓から鳥の鳴き声が2人の耳にも届いていた。
ホー、ホー、ホー
確かな愛を見つけたと都会に住まうフクロウが騒ぎだし、
ホー、ホー、ホー
濃厚な夜をどうか永遠にと、願う2人がここに居ると、フクロウの囀りが、満月を仰いで夜空の星々に向けて謳い上げる。
いずれ犯人がわかるだろう。
ドロドロとした醜い悪意の所業の主の名を2人は知ることになる。
その人名“優樹”の名を。
その夜の雅彦はいつもと違っていた。
春馬がバイトから帰ると普段は21時を過ぎないと帰宅しない雅彦が、その晩は既に部屋に居て、おまけにだいぶ酔っているようだった。
『ただいま。あれ、今日は早いね。』
『来い!春馬!』
春馬は荷物を下す間もなく腕を掴まれて強引に奥の部屋へと連れていかれた。
『雅彦さん痛いよ!離して!どうしたの!』
雅彦は和室を開けると春馬の背中を乱暴に突き飛ばし、春馬の体は畳へと前のめりに転がった。
驚いて振り返り、後ろ手に襖を閉める雅彦を見て春馬はこれから何をされるのかを悟った。
常に余裕があって春馬を見守るように側にいてくれる雅彦の姿はここには無い。
『怪我はさせたくない、抵抗はするな。』
今まで聞いたことのないような、ドズの効いた低い声に春馬の体が震える。
長身で細身ではあるが雅彦は意外に力が強く重量もある。
勢いよく覆いかぶさる雅彦の体を退けようとしてもビクともしなかった。
Tシャツは破かれ、ジーンズが一気に引き下ろされて下着が片足首にかろうじて引っかかっている。
それさえも全て取り去られ、いきなり両足を抱え上げられ開かれ、見られたくない陰部が晒されて春馬は叫ぶ。
『ま、雅彦さん、見ないで!イヤだぁ・・・』
あまりに性急に結合しメリメリと侵入してくる行為に体が軋み引き攣れた激痛に泣き声を放つ。
『痛いっ! 雅彦さん・・・いた・・い!』
それでもかまわず荒々しい性器が打ち込まれ続けると、春馬は悲鳴に近い嗚咽を繰り返した。
『いやぁ、、あっ、、ひぃ、、』
内部が傷ついたのだろう、ピリピリと鈍い痛みを伴ない鉄の匂いがしてくると、雅彦はやっと己の残酷な仕業を悔やんだのか、やがてやわらかな律動へと変わっていった。
『春馬、聞かせてくれ、なぜ今になってアイツにあれを送ったんだ。』
『な、なんのこと・・・あっ、やめ・・て』
この時初めて春馬は雅彦が保存してある音声データの存在を知っていると知らされた。
そして、それが拓哉の元へ送信されたことも。
もちろん春馬の仕業ではない、
『ちがう!・・俺じゃないから、信じて雅彦さん!』
『俺だって信じたい、なら、誰がやったんだ!』
『わからないよ!でも俺じゃない!本当だよ!』
その時、春馬の胸にポツリポツリと雫の感触が灯った。
それは紛れもなく雅彦の涙の雫だった。
『俺に飽きたのか?元カレのアイツと寄りを戻したいのか?許さない!春馬!春馬ぁー!』
息を弾ませ速度を上げて己の熱い楔を深く深く打ち付ける。
『ひぃ・・・あっ、あっ、・・・イヤだぁ・・』
『もう離さない。お前は俺のモノだ春馬!』
雅彦さんが泣いている。
成功した青年実業家として雑誌に載るような東条雅彦が俺と離れたくないと泣いている。
その姿は1年前の自分自身だった。
拓哉に捨てられて泣く自分の姿と重なって見えた。
愛しい恋人を奪って行った相手を呪い、憎しみの業火に己すら焼き尽くされて、一歩も歩けない灰人形と化したあの頃の俺と同じだ。
でも俺は雅彦さんに救われた。
上も下も右も左も何も見えない、いや、見ようとしない俺の鼻先にポトリと感触で伝えてくれた。
天へ続く糸の存在を。
脱出する糸を垂らしてくれたのは、紛れもなく雅彦さんだ。
だから盲目でも、歩けなくても、暗闇でも関係なかった。ただ、その糸につかまるだけで、スルスルと引き上げられて、たどり着いた先は雅彦さんの腕の中だった。
春馬は初めての日の雅彦の腕の中で目覚めた朝の光景を、永遠に忘れじと、大事に魂に納めている。
雅彦さんは俺の体に積もり、纏わりついていた灰を丁寧に払ってくれた。恐る恐る目をあけた先に現れたのは、朝の光を背にした雅彦さんの眩しい笑顔だった。
だから俺だって、やっと手に入れた温かな腕を離すつもりはない。
『大丈夫だよ、大丈夫。泣かないで、悲しまないで雅彦さん。』
先程まで、まるでレイプのような暴力をはたらいていた男の顔を正面に向かせて仰ぎ見て、頬を両手で包み幼い子供にするように大丈夫、大丈夫とあやした。
『本当か?どこにも行かないか?』
『うん、俺はどこにも行かない。だから、だからもっと優しく抱いて。』
胸の赤い突起を夢中でしゃぶりついている雅彦の髪を撫でながら、春馬は密やかに満足の笑みを浮かべる。
さっきのは暴力であって暴力じゃない。
何故なら俺は雅彦の焼き付くような愛情に歓喜し、与えられる痛みさえも応えて駆け上がり、好物を食した証のヨダレを口元にテカらせる。
理性を無くして一刻も早く繋がりたいとする雅彦の姿をイヤだと言いながら、その実、ほくそ笑んでいる。
この体が欲しいのだろうと。
淫靡な縦糸と蜜欲の横糸を織り合わせて張りめぐらせた蜘蛛の罠にかかった獲物が雅彦だ。愛しい男を快楽と欲情の世界に引き込んで絡め取る。
『春馬、愛している。あぁ、気がおかしくなりそうだよ。』
『俺も愛している。雅彦さんだけを。』
溢れる蜜を湛えた春馬を聳り立つ陰茎が掻き回す水音が心地よく木霊する。
その響き渡る音色に合わせて窓から鳥の鳴き声が2人の耳にも届いていた。
ホー、ホー、ホー
確かな愛を見つけたと都会に住まうフクロウが騒ぎだし、
ホー、ホー、ホー
濃厚な夜をどうか永遠にと、願う2人がここに居ると、フクロウの囀りが、満月を仰いで夜空の星々に向けて謳い上げる。
いずれ犯人がわかるだろう。
ドロドロとした醜い悪意の所業の主の名を2人は知ることになる。
その人名“優樹”の名を。
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