話せない魔女と見えない魔王

福々 ゆき

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学習能力なし

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 此処は魔界を統べる恐ろしい魔王様のお城。
 声を封じられた魔女が、口を封じられた――ただし声は出せる――魔狼に説教を受けていた。
 
 「あのなぁ魔女、わかるだろ? 魔王様は目を封じられてるから、ほぼ見えてないんだよ」
 魔女はこくこくと頷きを返す。
 「じゃあ、何で毎回見えないと意味のないアピールしてんだ! 少しは学習しろ!」
 魔狼に言われて涙目になる魔女。
 これでも魔女は精一杯頑張って考えているのだ、残念なことに少し頭が弱いだけで。
 「ああ悪い、泣かせる気はないんだ。応援してんだよ……俺なりに」
 魔狼はどうやら魔女の恋を応援してくれているらしい。魔女は此奴はいい奴だと感激している。
 
 「あ! ほら早速魔王様が来たぞ! ちゃんと見えなくてもわかるアピールしろよ!」
 魔狼に背中を力強く押され――転けた許さない――魔女は魔王様のもとへ走った。
 
  
 
 (一生懸命書きました! 受け取ってくださいっ!)
 
 
 
 「だから何で、恋文なんだよ! 見えないだろ!?」
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