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優羽奈

優羽奈⑧

公園入口


奏太と裕太が歩いて帰ろうとしている。公園の目の前には道路があり、車が行き来している

奏太｢本当にいいのか？｣
裕太｢何が｣
奏太｢あの子ちょっと変だ｣
裕太｢変って。俺には普通の子に見えたし、あいつにも見えてるならそうなんだろ｣
奏太｢お前がそれならいいけど・・・。ってかお前も薄情な奴だよなー｣
裕太｢何が？｣
奏太｢あいつの事忘れてるなんて、普通いじめっ子は忘れないだろ？あ、後陽菜ちゃんもあんな可愛い子もよー｣
裕太｢あれ？言ってなかったっけ？俺小学2年生以前の記憶がないんだよ｣
奏太｢は・・・｣
裕太｢だから、俺の一番古い記憶は小学3年生かなーあれ・・・だから｣
奏太｢・・・｣
裕太｢知らないんだよ。親も教えてくれないし、無理に思い出してしょうがないからさ｣
奏太｢・・・だから・・・｣
裕太｢何？｣
奏太｢・・・なんでもねーよ!!!｣

奏太が道路に飛び出すと車が通り奏太をすり抜ける

奏太｢あっぶねーな!!どこ見て走ってんだ!!｣
裕太｢いやお前もう死んでるから。にしてもここ危ないなー。信号とか付ければいいのに｣
奏太｢絶対事故起こしてるぞ、あの車!!2、3人殺してるね!!｣


不知火聖二が2人に近く。不知火には奏太が見えている

不知火｢相変わらず賑やかだね、君達は｣
裕太｢不知火さん｣
奏太｢出たな!!悪霊!!｣
不知火｢それは君だろ。早く成仏しなよ。なんなら手伝うよ｣
奏太｢何をーーー!!?なら可愛い子紹介してみろや!!｣
不知火｢あーなら今度墓場で合コンが開かれるみたいだよ。君もどうだい？｣
奏太｢ふざけんなよ!!よろしくお願いします｣
裕太｢よろしくすんのかよ｣
奏太｢もしかしたら、運命の出会いがあるかもだろ｣
不知火｢一緒に成仏させてあげるよ｣
奏太｢デートしてからな!!｣
裕太｢不知火さんこんな所でどうしたんですか？｣
不知火｢あーここは子供の霊が沢山居るんだよ。ほら、あそこの道路で結構事故が多発していてね。だからちゃんと祓ってあげないと、知らない人に着いて行くんだ。奏太君みたいな悪霊にね｣
裕太｢まー確かに危ないですよね、あそこ｣
奏太｢俺は悪霊じゃない!!いい幽霊だ!!｣
裕太｢幽霊にいいも悪いもないだろ。まーこいつがするのは女子更衣室を覗く位だけど・・・あ、悪霊か｣
奏太｢女子風呂も覗くぞ!!あ、悪霊だな｣
不知火｢だから君みたいな強い子はあまりここに居ない方がいいよ｣
裕太｢・・・あの不知火さん｣
不知火｢何？｣
裕太｢ちょっと会ってほしい人がいるんです｣