将棋を始めよう!

天GAMI

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序章 将棋とは?

将棋って何?

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「将棋かぁ……難しそうだなぁ。」
テレビに映っているのは朝日杯の決勝戦。渡辺明対藤井聡太の対局だ。
藤井聡太七段は歴史上5人目の中学生棋士として有名で彼のおかげで将棋ブームとなった。しかし、私は将棋がわからないからその凄さがよくわからない。
私の幼馴染は将棋をやっているが、彼に聞けば何かわかるかな?明日、学校で聞いてみようと思い、私は録画していたドラマをみようとリモコンを操作した。












「おーい!義晴くん!」
「何だ飛鳥か。どうした、こんな朝早くに。」
「将棋、教えてくれない?」
義晴は驚いた。飛鳥は全く将棋に興味を示さず、知らないのかとも思っていた。
「別にいいけど…今からは難しいから放課後に将棋部の部室に来てくれない?」
「わかった、じゃあまた放課後ね!」
時は飛んで放課後。
飛鳥は将棋部の部室にいた。
「よし、来たな飛鳥それじゃあ初めて行くぞ。」
「よろしくお願いします義晴センセ一!」
義晴は飛鳥の前に卓上盤を置き、駒を並べていく。
「まず、将棋の成り立ちを覚えて行こうか。まず、将棋には元となるゲームがあるんだ。それがチャトランガと呼ばれるボードゲームだ。」

なんかいろんな形の駒があるな。チェスみたい。
「これってチェスに似てるね。」
「よく気がついたな。そうだ、チャトランガってのは将棋とチェスの元となるゲームなんだ。チャトランガがヨーロッパの方に渡ってできたのがチェスで、アジアの方に渡ってできたのが将棋だ。」


「今の将棋はこんなやつだがこの将棋は本将棋って言われてるものだ。元々将棋には色々な種類があって例えば大将棋って言うもっと駒の種類があって盤も広い物もあるんだ。今の本将棋はそんな大将棋の飛車、角を中将棋に使ったものだ。」
なんか、スケールが大きいなぁ。早くも不安になってきたよ。
「次は駒の動かし方をやろうか。確か飛鳥はチェスはできるんだよな?」
「少しだけどね。やっぱり駒の動きも似てくるの?」
「ああ、元のゲームが同じだから動きも似てくるんだ。例えば玉将とキングは同じ動き出し、ルークやビショップなんかは飛車角と同じ動きだからな。歩はポーンと動きは似てるけど歩は一つづつしか進めないし斜め前には進めない。」
うーん。頭の中がこんがらがるよ。チェスは前後の動きが対照的だけど将棋は前後の動きが非対称的だからなぁ。
「なに、難しく考えることはない。桂馬はナイトの動きが制限されたもので前にしか進めないと考えれば割と簡単だし香車なんかはただひたすら真っ直ぐ動くだけだしな。俺からすればクィーンに成れるポーンの方がよくわからないからな。」

この表を見れば基本的な動きはバッチリだね。だけど、駒の裏のこの赤い文字はなんだろう?
「ねえ、義晴。この裏の文字はなんなの?」
「こいつは敵陣…敵の手前から三段目まで…に入ったら成れる駒だよ。歩は金と同じ動きになるし、香車や桂馬、銀も金と同じ動きになるんだ。ただし、例外がある。それが、飛車が成った『龍王』と角が成った『龍馬』だ。

凄い、文字も強そうだけど本当に強そう。
「こいつらは元の動きに玉の動きも追加されるんだ。龍王なんかは最強の駒とも言えるな。」
やっぱり強いんだ。私の感は外れてなかったみたい。
「さてと、これから少しだけ戦法を教えて行こうかと思ったんだがもうこんな時間だ。」
義晴が腕時計に表示されている時刻を見せる。もう下校時間ギリギリだ。早く帰らないと先生に叱られてしまう。
「それじゃあまた明日来ていい?」
「もちろん、仲間が増えるのは良いことだしな。」
飛鳥は電車に遅れないように走って校舎を後にした。義晴はそんな飛鳥を見てから西の空に沈む夕日を見ていた。





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