勇者パーティの一員ですが、転生チートがまさかのマヨビームでした。……マヨビームで世界って救えますか?

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本編以外のお話

いぇーい!!焼肉パーティー☆(食らえ!者ども!実食編)

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大量のお肉に野菜、いい感じに火を熾された焼き台。
お皿も配ったし、焼肉のタレも準備済み。
お肉は食べやすく切っただけのものの他に、タレに漬け込んで味付けしたものも各種用意。

焼肉パーティーの準備は万端だ。

そしてエマはもったいぶってコホンとひとつ咳をし、冒頭の開催宣言をした。
活気に満ちた雄たけびのあとは無礼講。

焼いて、焼いて、焼いて……心ゆくまで食べるのみ!!


ドワーフのカイジンさんに頼んで作ってもらったホットプレートに肉と野菜を並べていく。
脂がのったお肉を並べていけばジュワジュワと焼ける音と香りが食欲をそそります。

いい感じのところでひっくり返す。

「もう食っていい?!」

「ステイ!!」

取り皿片手にいまにもお肉に手を伸ばしそうなクルトたちを一喝した。

せっかくのいいお肉、焼き過ぎて固くする気は毛頭ないが生焼けでお腹を壊されても困る。
……クルトとソルトなら平気そうな気もするが。

「そっちのはもう平気かな。野菜もちゃんと食べること!」

「「は~い!!」」

両面が焼けたところでステイを解除すればいい年した欠食児童たちがお肉に群がる。

返事はいいわりにお皿の上はお肉ばかりだ。
もう!と強制的にトングで野菜を盛り付ける。

トウモロコシやカボチャなんかはまだダメだが、モヤシやタマネギなど火の通りやすい野菜は食べごろだ。

騎士さんたちも手際よくお肉や野菜を追加したり、ひっくり返したりしてくれているのでエマも焼きつつ食べる側にまわる。

まずはなんといってもお肉!!

転生チートでだせるようになった焼肉のタレはちょっぴりピリ辛な醤油ベース。
ニンニクやショウガのパンチにフルーティな甘さも加わったお肉が絶対おいしくなるタレだ。
ゴマも浮かんだタレにお肉をからめてパクリ。

「ん~~」

思わず頬を手で押さえるおいしさだった。

「おいしいですね。お肉もですけど野菜もいっぱい食べられそうです」

「ねー、タレもおいしーけど、お肉がまたいい肉ーー。脂があまーい」

「モヤシ!モヤシがすごいシャキシャキですわ!エマっ、ミレーヌ!食べてください!!」

大興奮のベアトリクスに今度は野菜を口にした。
王族兄妹がひと手間かけたモヤシはシャッキシャキだ。

「いい食感!べスたちががんばってくれたおかげね」

「はい、おいしいです」

誉め言葉に口の端をムズムズさせるベアトリクスが可愛くてミレーヌと笑い合う。
まるでお手伝いの成果を誇るこどものようで微笑ましい。

レオンも自分の仕事の成果がうれしいのか、騎士たちの取り皿に大量のモヤシを投入していっている。
ハリソンの取り皿なんてモヤシで山盛りだ。

…………いまさらだけど、王族にモヤシのひげとりなんてさせてよかったのかしら。

おいしいお肉を食べながらいまさらすぎる疑問がよぎった。本当にいまさらだ。

包丁を回避させることに必死でなんの疑問も抱いてなかったが、周囲から苦情がきてもおかしくない。

だが本人たちも騎士も気にしてなさそうだし良しとしよう。
なにより満足そうだし……。

うん、と自己完結して食べるのに集中する。

「味付きのお肉は焦げやすいので特に注意してくださいねー」

ホットプレートの焦げをガジガジと落としつつ周囲に声をかける。

「このタレ、えっと……焼肉のタレ、でしたっけ?すごくおいしいです!」

「辛いだけじゃなくて甘みもあってお肉によく合いますね」

騎士さんたちも気に入ったようだ。
笑顔でモリモリとお肉を消費している。

「殴り合いで勝ち残った甲斐がありました」

……ん?

いまなんか、妙な発言があった気が……。

パチパチと瞬きしつつ騎士のお兄さんを見た。
どうしました?と爽やかな笑顔を向けられた。

気のせいかとエマはあいまいな笑みを浮かべた。

「いえ、なんか殴り合いとか空耳が」

「はい、殴り合いました」

「はい?!」

「エマさまのお料理がいただけるということで参加メンバーを殴り合いで決めました!」

「マヨネーズは絶品でしたので、焼肉のタレも素晴らしいものなのだろうと希望者が殺到したんです。あまりに人数が多かったので実力で決めることに」

「…………やたら怪我人が多いのは」

お仲間の騎士さんの発言に呆然とハリソンが呟いた。
どうやらハリソンは焼肉パーティー参加権をかけた殴り合いトーナメントを知らなかったようだ。

お肉のために殴り合う騎士……それでいいのかエリート集団?

「そこは剣でないのか?」

「レオンさま、まずお肉ために争うことに疑問を覚えてください」

「剣だと勝ち目がないって下っ端から苦情がきて、それで殴り合いに。まぁ、殴り合いだろうと負けないですけどね。ボッコボコにしてやりました!」

そう笑う騎士さんは笑顔は爽やかなのに発言が全然爽やかじゃない……。

「ひ、ひぃ!……お気に召しましたらあとで焼肉のタレ提供します。今回参加できなかった人たちでぜひ……」

罪悪感にかられたエマはタレの提供を申し出た。
悪いのは自分じゃないはずだけど罪悪感がすごい。

王都近辺は元々食糧難ではないし、信仰の増加によりエアリスの神力が増したことや牛や豚を育てる畜産を推奨しているおかげで食料問題は解決してきている。
なにより焼肉は切って焼くだけ。
タレさえ提供すれば自分たちで調理できるはずだ。

ボコボコになったうえに参加できなかった騎士たちへの罪悪感をはらすための提案は満面の笑顔で喜ばれた。

…………この人たちもまた絶対参加するんだろうな。

そう確信するような笑顔と喜び具合だった。


後日、騎士団の敷地内で盛大に開催された焼肉パーティーには多くの騎士たちにまぎれ、率先してモヤシのひげを取る兄妹や、王さまに宰相さまたちの姿もあったとか。

後日その噂を聞いたエマはシュールな絵面に遠い目をした。

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