「≪最悪の迷宮≫? いいえ、≪至高の楽園≫です!!」~元皇女は引き籠り生活を満喫しつつ、無自覚ざまぁもしていたようです。~

文字の大きさ
28 / 46

二十八

しおりを挟む


やたら感情たっぷりに語られた話は色々と突っ込み所満載だった。

取り敢えずアレだ、
神子も神子だが、全部他人の所為にしてるけどそれアンタらの無能な所為で引き起こされてる事態も多々あるよね?

結界に関するアレやコレは兎も角として、外交面とか政治面の混乱は神子っていうか宰相であるお前の管轄だろ。あと皇帝と正妃。揃いも揃って無能か?!

そして騎士団長…。
マジで?まだ騎士団長なの……?

思わず明らかにダランと力の入っていない右腕を眺める。利き腕負傷して使い物にならねぇ奴が団長の任についたままとか信じられない。
左腕でも剣が握れる?そういう問題じゃない。
いや、左腕だけでも最強!ってなら認めるが明らかコイツそうじゃないし。
むしろワンパンで倒せる自信ある。

「そもそも…私を断罪したのは神子もその一人かも知れませんが、
言い出しっぺは正妃様でしょう?私は陛下にも宰相にも騎士団長も色々言われた覚えがありますが?」

「それはっ…」

ぎゃいぎゃいと零される言い訳は聞くに堪えない。

「そもそも、お前を本気で追い出すつもりなどなかったっ!!」

皇帝の言葉にそうだ、そうだと頷く奴ら。
でしょうね。体よく大人しくさせる算段だったんでしょうけど……お生憎様。


断罪の衝撃で私は前世の性格を思い出した。


「そうですか。ですが残念ながら、
この国の皇女で、皇帝陛下の妹であったファウスティーナはもう居ませんの。
あの日、あの時、死にましたから。
ここに居るのはこの国とも、貴方方とも無関係なただのファウスティーナです」

大人しくていい子なファウスティーナはもうこの世界の何処にもいない。

きっぱりと言い放ったファウスティーナに、一瞬静寂が落ちた。


よし、静かになった。
もういいかな?納得してくれた?

早く迷宮おうち帰りたい!!


ってかさ、さっきの宰相の「~神子に騙されていたこの国の悲劇!!~」の話にあったあのが私の魔力奪い取ってたってマジ?!

性格最悪だけど結界なんて面倒なモン維持したり国に尽してるとこだけは偉いよね、とか思ってたのに私の魔力だったんかいっ!!
マジ最悪だなあの女……。
どうりでやたら身体が怠かったわけだ。全部アイツの所為かい!!

んでもって、
「迷宮入りしてからストレスもなくて体が軽いわー」とか思ってたの気の所為でもなければ、ストレスの所為だけでもなかったのね。

迷宮があの女のギフトの干渉も防いでくれてたとか……っ!?


流石に10年も居ると飽きてきたかも、とか思ってマジごめんなさいっ!!

迷宮最高!!シャバに出て痛感した。

私の居場所はあそこだった!!!

DV家族ならぬ鬱陶しい奴ら(クズ共)からシェルターのように匿ってくれて、
ストーカー男たち(ギルドに来てた奴ら)からも匿ってくれて、

引き籠りの私に四季折々の景色を見せてくれて、
色んなイベントやアトラクション(罠)で楽しませてくれて、
適度な運動とストレス解消の相手も務めてくれて(魔物)、

お金や財宝だって沢山貢いでくれた(魔物が落としてく金貨や宝箱)。
帰る時には安全な場所まで送ってくれたし(踏破のご褒美的処置)。

その上、
気づいてなかった脅威からでさえ外部干渉をシャットダウンすることで人知れず私を守ってくれていたなんてっっ……!!

なんというハイスペック!!
迷宮が擬人化出来たらきっと超絶イケメンに違いない…。

アレだ、噂のスパダリとかいう奴に違いない!!


「…………結婚しよう……!
 逆プロポーズしなきゃ」


思わず呟いた声に、一同が「えっ?誰と?!」みたいな顔してた。

やばい……、妄想に入り込んだうえ、最後声出ちゃった。

こほん、とわざとらしく咳払いして微笑む。
秘儀、誤魔化し。

「兎に角、私は国に戻る気はありません」

「五月蠅いわねっ!!貴女の意見なんて聞いてないのよ!!!
貴女は大人しく私たちの言うことを聞いてればいいのっ!!!」

目を吊り上げた正妃が指を突きつけ、ヒステリックに叫んだその瞬間、



「そこまでですっ!!」

盛大な音を立てて玉座の間の扉が開かれ、沢山の人間が雪崩れ込んできた。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜

もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。 ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を! 目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。 スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。 何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。 やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。 「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ! ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。 ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。   2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

転生先の異世界で温泉ブームを巻き起こせ!

カエデネコ
ファンタジー
日本のとある旅館の跡継ぎ娘として育てられた前世を活かして転生先でも作りたい最高の温泉地! 恋に仕事に事件に忙しい! カクヨムの方でも「カエデネコ」でメイン活動してます。カクヨムの方が更新が早いです。よろしければそちらもお願いしますm(_ _)m

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

処理中です...