「≪最悪の迷宮≫? いいえ、≪至高の楽園≫です!!」~元皇女は引き籠り生活を満喫しつつ、無自覚ざまぁもしていたようです。~

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愚か者たちの末路

さぁ、選んで? 2



顔を上げて真っ先に目に入るのは芋虫たち。
違った、簀巻きにされて猿轡さるぐつわをされたクズ共。

全部で四匹の芋虫のうち、特にグルグル芋虫状態がひどいのは元正妃。
一番五月蠅かったからね。

あ、ちなみに五匹でなく四匹なのは元神子は拘束はされてるものの芋虫じゃないから。
なんかすっかり廃人みたいになって虚ろな瞳でブツブツいってるけど無気力で暴れてないし。つーか、どんよりした瞳で聞き取れない言葉ブツブツいってるのめっちゃ怖っ!

晩餐に想いを馳せてた間も、玉座の件を悔やんでいた間も、実はずっといました。
簀巻きにされながらも芋虫のごとくうねうねと身体をうねらし、うーうーと唸っててとってもうるさかったし。

何故、ここにコイツらが居るかといえば、


これが断罪の場だからに他ならない。


私に行われた一方的な断罪と違い、きちんと罪状を調べたうえで行われる正当なものだけど。

なんで芋虫かっていえば当然、ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーと五月蠅かったから。
罪状が読み上げられてる間も騒ぎたてるは暴れるわ、果ては攻撃魔術までぶっ放そうとする始末。
そりゃあ、拘束されても仕方ないよね。

当人たちに意見を求める時は猿轡さるぐつわ外してあげてるけど「自分は悪くないっ!」とか「離せっ、無礼者めっ!!」とか「私を誰だと思ってるっ!!」とかテンプレな台詞しか出てこないし。

「早く終わんないかなー」と思いつつ、俯いてふぁーと欠伸を噛み殺す。


「姉上?」

気遣うよう声音に顔を上げれば、心配そうにこちらを見やるセドリックの瞳があった。

「なんでもないわ、セドリック」

ファウスティーナは小さく曖昧な笑みを浮かべた。

まさか「暇すぎて眠くなったから欠伸噛み殺してました」とか言えるわけない。


「権力と立場に溺れ、私利私欲を尽した上に国を衰退させ、民を苦しめ、自分達の保身の為に悍ましい所業にも手を出した。彼らの罪は決して許されるものではありません。死ぬまで幽閉、が妥当でしょう」

“死ぬまで幽閉”という言葉に四匹の芋虫たちがもがもがと暴れ出す。

ばったばったとイキのいい魚みたいに跳ね上がる姿をみてなかなかいい腹筋してるじゃないと思わず感心。

いや、だって、グルグル巻きにされた格好であそこまで上体を上げれるとか腹筋とか背筋とかそうとう必要よ?

今日は魚料理もいいかもしれない。
昨日は濃厚だったし、白身魚のソテーとかカルパッチョとかいいんじゃない?

そんなズレまくったことを考えているファウスティーナを見て、セドリックは真新しい玉座のひじ掛けをぎゅっと握り締めたまま表情を曇らせた。

「だけどやはり……お優しい姉上は、かつての身内にあまりにも残酷だと、そうお心を痛めておられるのでしょうか」

辛そうに絞り出すセドリックに思わず「はっ?」と声が漏れかけて根性で堪えた。

「お姉様は高潔で純粋でいらっしゃいますから……」

きゅっと両手を胸の前で組んで苦し気な声を漏らすマリアちゃん。
居合す人々からも気遣うような視線が飛ぶ。

たらり、と背中に汗が伝った。

よだれが出そうになってご馳走の残像を追い払うために首を振ったり、勇姿を飾る機会を棒に振ったことを悔やんだり、欠伸あくび誤魔化すために俯いたりしてただけですけどーーー……。





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