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晴天の霹靂 2
しおりを挟むだって聴こえる。
誰も口を開いてないのに、沢山の声が。
頭の中に響き渡る。
気持ちが悪くなって足元が震える。
陛下の言葉が終わるのを待って、謁見が終わった途端、無礼にならない程の速さでその場から退出した。
人気の少ない場所まで何とか縺れる足を動かし。
そして今。
再び大勢の人に取り囲まれ、頭の中にガンガン声が響き渡っている。
もはや何を言っているかわからんレベルの多重奏。
実際の声と頭に響く声が混じり合って美しくないハーモニーが鳴り止みません。むしろ騒音。
そしてその中で一際強く響く声。
「カイザー様っ!!如何かしっかりなさって下さい!!」
リフの手が俺の背を撫でる。
『如何すればいい?!何か私に出来る事は?!』
背中に感じる暖かな掌。
先程の謁見の場での毒の混じった声とは違い、実際に発せられる声も、頭の中に響くそれもまごうことなく俺の身を真剣に案じるもの。
その声にも蒼白な顔色にも一つも嘘はない。
だけどごめんな!!
俺、今超絶大混乱中だからちょっと離れて欲しい。
お願いだからちょい声沈めてな。
そうして俺は必死な抵抗も空しく、城の一室へと運ばれた。
………
まさか、男である俺が横抱きを経験する日が来るとは思わなかったぜ。
ベッドの上で遠い眼をする。
城の騎士に軽々と運ばれましたよ。
丁重に辞退しようとしたのに「お軽いので大丈夫ですよ」と実に丁寧に運ばれました。
悪意が一切ないのが辛い。
それ、男のハートを粉々に打ち砕くやつだからな。
ええ、軽いでしょうよ。
屈強な騎士様にとっては貧弱な俺など屁でもねぇってか!!
城付きの医師が呼ばれ、診察を受けた。
結果は異常なし。
そりゃそうだ。
もし異常があるとすれば頭ですが何か?
心身的なもの、疲れが出たのかも知れないとの診断にリフを始め周りが安堵を浮かべる。
現在俺が運ばれた部屋にはあの場から付き添ってくれた第一王子のティハルトをはじめ、見舞いに訪れてくれた第四王子や王妃様までいらっしゃる。
何というVIP待遇。
不調の原因が、貴方たちの心の声らしきものが聴こえるんですよー!とかとても言えねぇ。
何なの?!これマジで何?!
怖いんだけど!!!
そんな大混乱を抱えながら暫く休息をとった後、屋敷へと帰宅。
ティハルトたちは「泊まっていったらどうだ?」と言ってくれたけど、謹んで辞退した。
一刻も早くお家に帰りたい。むしろ一人になりたい。
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