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そうして真実は闇へと葬られる 3

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(従兄視点)※名無しのモブ
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 低俗で無能な父親や親族、暗殺に失敗した役立たずの駒たち。
 俺は牢の中で、アイツもアイツの弟も死ぬことも傷つくこともなく。

 俺から全てを奪ったあの男と無能な害虫共の所為で!!!


 だから何もかもをぶちまけてやった。

 今まで家ぐるみで行われていた罪の全て。
 親族のものも含めて知る限りの何もかもを。

 基本的に本人や付き添いの親族へしか知らされない異能。
 最も、その能力を誇り自ら誇示するが故に公に知られることがほとんどだが。
 しかし重大な犯罪者であれば、その犯罪に異能が関わっていないか神殿に照会が入ることが稀にある。

 俺の異能がバレるわけにはいかない。

 だからこその自白。
 不審な点がなければわざわざ照会を行うこともない。

 そうして俺が牢の中に入れば、アイツは一生『無能』のまま。

 溺愛している弟に爵位を奪われることにすらなるかも知れない、そう思えば口元に笑みが浮かんだ。

 どうせ助からないのならば、
 あの男も、俺を認めなかった害虫共も

 地獄へと道連れにしてやる_________!!!



 ガチャリと重い鉄の牢が閉まった。

 無礼にも背を小突かれ押し込まれた牢は刑が確定するまで入れられていた貴賓牢とはまるで違う粗末で小汚い空間。
 これが俺の一生を過ごすことになる世界。

 腹の底に湧き上がる憤りと絶望を、道連れにしてやった奴らのことを思って何とか耐える。

「あんた何したんだ?お貴族様がいいザマだな」

 向かいの牢から聞こえた下卑た声に思わず害虫を睨みつける。
 「おー、怖っ!」わざとらしく肩を竦める下郎。
 こんな奴らと同じ空間で過ごすのかと思うと吐き気が込み上げた。

「何しでかしたのか知らねぇけど諦めな。この牢に入った奴らは一生このままだ。お偉いパパもママもだぁれも助けちゃくれねぇし、この中じゃお貴族様の異能だって使えやしねぇ」

 ゲラゲラと周囲から響く笑い声。
 聞き捨てのならない言葉に思わず鉄格子を握り締めれば、手首を戒める鎖が耳障りに鳴った。

如何どういうことだっ!!?異能が使えないだとっ?!」

 怒鳴り声に見張りがやってきた。
 犬を払うように鉄格子を蹴りつける牢番に慌てて牢から手を放しながらあまりの屈辱に強く睨みつけた。
 嘲りの笑みを浮かべながら此方を見下す牢番。

「何だ?牢破りに便利な異能でも持ってたのか?残念だったな、この空間じゃ特殊技術が用いられてんだよ。どんな凄い異能だって無効だ無効」

「そんな……」

 呟いた声は、誰にも届くことなく消える。


 ならば俺は、一体何の為に________。


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カイザーの異能の真相編。彼の出番は今後ないです。故に名すらナシ。

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