ブラック・スワン  ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~ 

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殺戮の天使 4

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「先程も自己紹介しましたが、音楽を担当するカイザーです。音楽は選択授業だけどもし選択するようなら宜しくね因みにガーネストとベアトリクスとは兄妹です。」

「二年のガーネストだ。生徒会長をしている」

「ガーネストのクラスメイトのダイアです。二人ともベアトリクスのことを宜しくね」

「ベアトリクスと申しますわ。リリー様先程はごめんなさいね。リリー様もナディア様もこれからよろしくお願いしますね」

「カトリーナと申します。私もお二人と仲良くしたいですわ」

「こちらこそ宜しくお願いします。ナディアです。学園のことは全然わからないし、貴族のしきたりとかもまだまだ疎いので色々教えてくれると助かりますっ!」

「…リリーです。宜しくお願いします」

 リリー嬢が悶えてる。

『と、尊いっ………!!絵面の美しさがハンパない!!ガーネストもダイアも滅茶苦茶恰好いいしっ!!ベアトリクスはゲームより可愛いし!!ヒロインもマジ可愛い!!ナディアちゃんていうのね、オーケー覚えた!
そしてゲームスチルなかったカトリーナちゃんも可愛すぎるし、何よりっ!!あのお兄様っ!!超絶綺麗で恰好よくて色っぽいんですけどーー!!!
何だ、この尊い絵面っ!!ただでさえ、あのイラストレータは神絵師でドンピシャリなのにそれが動いて喋ってるとか、もう軽く死ねる』

 死ぬな…!

『サフィアもガーネストもダイアも出会いイベント起きないし微妙にキャラ違うし、ベアトリクスとか別人だけど許す!もう何でもいい。好きなキャラたち眺めてるだけで倖せっ!!』

 口元に手をやっているのは、あれ実は口じゃなくて鼻を抑えてるんだろうか?

 大丈夫、鼻血出そう?
 ティッシュいる?

「リリー様?何処かお具合でも悪いですか?」

「ぐふっ」

 心配そうにのぞき込んでくるベアトリクスに呻くリリー嬢。
 ベアトリクス、それ追い打ちだから。
 そっとしててあげて。

「具合が悪いなら医務室まで運んでやろうか?」

「……っ!?」

 立ち上がりかけたガーネストに取れそうな程ブンブンと首を振るリリー嬢。

 ガーネスト、恰好いいけど横抱きとかしたらリリー嬢マジで気絶するからね。


 今日もウチの子たちが天使。

 そして、無邪気かつ無意識に殺しにかかってきますね。


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