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一番苦手な奴が来た 3

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「同じくガーネスト・フォン・ルクセンブルクです。殿下たちとは同学年になります」

「ガーネストは高等部の生徒会長でもあるんだよ」

 さり気無く口を挟みながらもベアトリクスと王子との距離を離すダイア。ナイス!

「紹介が遅れた。余はアレクサンドラ・シルバ・ラーだ。身分はジャウハラの王子だが、何分我が国は王族の数が多いからな。継承権などあってないようなものだし堅苦しいことは好まん。気軽にアレクと呼んでくれ。敬称敬語も構わん」

 軽く手を広げ、そう鷹揚に告げる男に連想するのはライオン。

 褐色の肌に金糸のような金色の髪をなびかせ、男らしく整った顔と垂れ眼がちな瞳。何より、色彩を変えるアレキサンドライトのような妖しい瞳が色気満々な、前世の長女の推しキャラ、アレクサンドラ。

 流石女性人気の高かったお色気キャラなだけあって、醸し出す色気はとても十代半ばとは思えない。

 しまえ、ベアトリクスに毒だから今すぐしまえ。

「わたくしはアレク様の側仕えのシリウス・レイナードと申します。アレク様がご覧の通りの性格なので何かとご迷惑もお掛けするでしょうが何分宜しくお願い致します」

 綺麗に背筋を折って挨拶をしたシリウスはゲームでも度々見かけた。

 アレクサンドラと同じく褐色の肌に、さらりと揺れる銀の髪。ムキムキとまではいかないが鍛えられたことがわかる肉体と隙の無い身のこなし。
 髪色も態度もアレクサンドラとは対のように真反対の彼は所謂王子の護衛兼お目付け役なご学友といった立ち位置だ。

「それとアレク様、いい加減ベアトリクス様から離れて下さい」

 真面目な態度とその一言に、俺の株が急上昇!

 今は何気にまだ取り繕ってるけど、シリウスは割と毒舌だ。
 アレクサンドラが問題を起こすたびに割としれっと毒を吐く。
 仲が良い証拠なんだろうけど、王子に対して普通に「このバカ」とか言うしね。
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